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第27話(1)

Author: 北川とも
last update Petsa ng paglalathala: 2026-04-25 08:00:08

 リビングに足を踏み入れた千尋は、きょろきょろと辺りを見回してから、拍子抜けしたようにこう言った。

「先生、部屋の改装工事したんじゃなかったの?」

 千尋が何を疑問に感じたのか、和彦にはよくわかった。一見して、どこも変わってないように見えるのだ。実は和彦も、総和会の別荘から戻って部屋を見たときは、正直少しだけ拍子抜けした。賢吾から概要は聞いていたが、要塞のようになっているのではないかと、戦々恐々としていたのだ。

 和彦がダイニングに移動すると、人懐こい犬っころのように千尋もあとをついてくる。そしてやはり、不思議そうに辺りに視線を向ける。

「……ここも、変わってないように見える……」

 そう呟いた千尋がふらふらとダイニングを出て行き、他の部屋へと向かう。部屋の改装について、賢吾から詳しいことは聞かされていないのだなと思いながら、ジャケットを脱いだ和彦は冷蔵庫からオレンジジュースの紙パックを取り出し、グラスに注ぐ。とにかく喉が渇いていた。

 一息にグラスを空にして、ほっ
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