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第5話(14)

Author: 北川とも
last update publish date: 2025-11-11 14:00:06

 男に突き飛ばされてよろめいた和彦の体を、すかさず千尋の腕が受け止めてくれる。威嚇するように睨みつける千尋を、男は鼻先で笑った。

「見ていて胸糞悪くなるような目は、オヤジにそっくりだな。坊主」

「なっ……」

 言い返そうとした千尋の手から、Tシャツを取り上げて素早くラックに戻すと、和彦は千尋の腕を掴んで引っ張る。

「先生っ?」

「相手にするな。あれは――危ない」

 客にぶつかりそうになりながらも小走りでその場を離れ、二人はその足で駐車場に向かう。その間、会話は交わさなかった。とにかく〈味方〉と合流するのが先だと思ったのだ。

 だから、駐車場に停めた車に乗り込んだとき、安堵感から和彦の足は小刻みに震えていた。一方の千尋は、運転席の護衛に素早く状況を伝えて、すぐに車を出してもらう。駐車場に移動してくるまでの間に、千尋はすっかり冷静になったらしい。

「先生、大丈夫?」

 肩に手を置いた千尋に顔を覗き込まれ、和彦はぎこちなく頷く。

「もう、平気だ……。ちょっとびっくりしただけで……」
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  • 血と束縛と   第17話(44)

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  • 血と束縛と   第17話(16)

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    last updateLast Updated : 2026-04-03
  • 血と束縛と   第17話(25)

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