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第8話(6)

Auteur: 北川とも
last update Dernière mise à jour: 2025-12-04 11:00:39

 縫った跡を消毒してから、しっかりとガーゼを当てて包帯を巻く。風呂には入るなと言いかけたが、この体では入りたくても不可能だろうと思い、和彦は別のことを口にした。

「中嶋くんが戻ったら、体中に湿布を貼ってやる。多分今夜、熱が出るぞ。それと、胸も圧迫して固定するから、しばらくは不自由するだろうな」

「それで、先生が通ってきてくれるんですか?」

「一度だけだ。これで、彼に対する義理は果たした」

「わたしに対しては、何もなしですか」

 和彦が睨みつけても、秦は薄い笑みを浮かべるだけだ。肋骨が折れている辺りを殴りつけたい衝動に駆られたが、そんなことをしてあとで中嶋に非難されるのは嫌だった。秦はともかく、中嶋との繋がりを断つ気はないし、関係を険悪にもしたくない。

 中嶋が戻ってくるまで別の部屋にいようと、和彦が黙って立ち上がりかけたそのとき、突然、秦が急に呻き声を洩らして片手で胸を押さえた。包帯を巻いたばかりの右手も動かそうとしたので、それを見た和彦は慌てて秦の上に覆い被さり、右腕を押さえる。

「縫ったばかりなんだから、動
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