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13 彼女を部屋に入れる理由

مؤلف: 缶小豆
last update تاريخ النشر: 2026-09-20 18:30:00

「あ、あの、汚い部屋だけど……」

そう言って玄関ドアを開けようとした流星は、ふと動きが止まる。

待てよ……俺の周辺は、まだいろいろ聞きたがるマスコミがやっと消えつつある状態だ。

正直、瞳とのことを面白おかしく記事に書かれたらどうする?

彼女にも迷惑をかけることになるし、自分も色々聞かれたくない。

かといって、こちらに問題があって彼女が追い出されたのは事実だし、顔色も悪いし、すぐ部屋で休ませてあげたい。

いや、待てよ!

とはいえ、さあどうぞと家に入れるのは危険すぎないか?

もし、彼女に襲われたとか、何か言いがかりをつけられたら?

「ちょ、ちょっと待って!」

流星は、玄関ドアに手をかけたまま固まってしまった。

どうしよう。

アパート追い出された瞳の状況を知っている。

そして、彼女は今、明らかに荷物を持って困っている。

しかもそれは、自分の責任でもあった
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    少しすると瞳が机の上に温かいごはんと味噌汁、卵焼きと野菜炒めにお浸しを並べていく。「あの……本当に簡単なものしか作れなくて、がっかりさせたらごめんなさい」「いやいや、すごい美味しそうだよ。しかもこんなに短時間で何品も作るなんて凄いよ」目も心も満たされる和風の食事。しかも、いつも食事相手はスマホだったのに目の前に人がいて、こんな美女と会話をしながら食べられるなんて……ああ、神様!俺と瞳さんを救ってくださりありがとう!流星がそう心の中で拝むと、あの怒鳴り込んできた大家のサムズアップな顔が流れる。瞳にとっては碌な大家ではないが、あの人がいなければ出会っておらず助かってもいない。そんな流星の様子に気づくこともなく、瞳はご飯を見てうっとり両手を組み合わせる。「いただきましょうか?うわあ、段ボールじゃない机って久しぶりかも」机に並べられたご飯を前にそんな話を聞くと、あの瞳の部屋にあったダンボールに布をかけた机を思い出す。だがダンボールとまでは言わないが、流星の家の机もお互いが頭を下げたらゴッツンしそうになる距離だ。そんな近距離で女性と向かい合って食事をするだけで、動揺するなというのが無理だ。流星はお茶をドボドボ注ぎながらひたすら冷静に、冷静に、冷静に!と心で連呼し始めた。「大川さん、お茶こぼれてますよ」すぐ、こぼれたお茶を布巾で拭く瞳。だめだ!冷静になっても、胃袋も心も鷲掴みされてる。おかしいことは分かっても、軌道修正が出来ない。その後、二人で「いただきます」と手を合わせる。この距離感で!流星は、いよいよ持っている箸がカタカタ震え始めた。気の利いたことを言わなければ……ダメだ頭が真っ白だ。作ってくれてありがとう?素敵なご飯だね?ああ!こういう時なんて言って女性を喜ばせたらいいんだ?「熱々って美味しいですね。久

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  • 触れたものの過去がわかる彼女と触れられても全く困らない俺   14 母から子への連鎖

    14 母から子への連鎖「えっ!いきなり夜の街へ?」話を聞いて流星は驚くが、瞳にはそれなりの訳がある。一つは母、愛の存在だ。悔しいが、瞳は愛の生き方しか見たことがない。占いとクラブやスナックで働いて、お金を稼いでいた愛。愛は、子連れだった事や、交際している男を連れ込むために個人で家を借りていた。しかし、店が手配した家に住んでいたホステス仲間が、何度か愛の元に泊まりに来ていたのを覚えていたのだ。「その手の店には、住み込みのある所があります。私は、この能力で騒がれた時期があり、中学もまともに出ていません。就くことが出来る仕事は限られます。ですが、お客様を良い気持ちにさせることが出来ないみたいで。結局、相手を怒らせクビになりました」瞳は店を追い出されたことを告げ、流星の前でぽろりと涙をこぼした。情けない……あの母にだってできた仕事が私はできない。男をひっかえとっかえすることを軽蔑していたのに、ひっかえとっかえどころか相手を怒らせてしまった。「えっ、でも君の顔立ちなら、静かに微笑むだけでも喜ぶ客がいそうだけど?」「いえ、それが人に触られるのが苦手なのです。意識しなくても、その手や体、物の見てきた過去が、勝手に見えてしまうことがあります」瞳はその時のことを思い出し、顔つきが嫌悪という形で思わず歪む。「最初のお店は、手を触れられた瞬間、隣に座っているホステスのゆかりさんとそのお客様の濃厚なベッドシーンが見えてきました。いえ、その手の歴史ですのでその感覚とか……」「うわぁ」それを思い出し、瞳は再びボロボロ涙が溢れてきた。なんで、男の人の経験もないのに、男側の触った感覚を味わわなければならないのか……流星も、慰めるために手を伸ばそうとしたのだろう。それを聞いて瞬時に引っ込めてもじもじする。「多分、リアルにその経験が直近だったからだとは思うんです。同伴もですが、お二人は世にいうセフレの関

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    「あ、あの、汚い部屋だけど……」そう言って玄関ドアを開けようとした流星は、ふと動きが止まる。待てよ……俺の周辺は、まだいろいろ聞きたがるマスコミがやっと消えつつある状態だ。正直、瞳とのことを面白おかしく記事に書かれたらどうする?彼女にも迷惑をかけることになるし、自分も色々聞かれたくない。かといって、こちらに問題があって彼女が追い出されたのは事実だし、顔色も悪いし、すぐ部屋で休ませてあげたい。いや、待てよ!とはいえ、さあどうぞと家に入れるのは危険すぎないか?もし、彼女に襲われたとか、何か言いがかりをつけられたら?「ちょ、ちょっと待って!」流星は、玄関ドアに手をかけたまま固まってしまった。どうしよう。アパート追い出された瞳の状況を知っている。そして、彼女は今、明らかに荷物を持って困っている。しかもそれは、自分の責任でもあった。ちらっと流星は瞳を見た。瞳は、流星の考えたことが分かったのか?「実は私……あの後、気がついたら病院にいまして帰ったら大家に追い出されたんですよ……理由は、言わなくてもご存知ですよね」ジト目で、真正面から流星を睨むように見つめてくる。「……そ、そうなんですか……」(ええ、俺のせいです。知っておりますとも……)じーっと瞳に無表情で見られて、何とも言えない圧力が……これは恨まれているよな。正当な対価と引き換えに、体調を崩しながら力を使った結果、目覚めたら顧客同士が刃傷沙汰のトラブルを起こした。それなのに、何もしていない彼女がトラブルを起こしたと部屋を追い出されてしまったのだ。更には、テレビ、週刊誌で顔まで出されてしまった。「ええと&hellip

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    「あれ?この鉛筆って、亡くなった男の子が持っていたものと同じ物ですか?」流星は、川村にすり替えた遺留品を渡す時に、鉛筆を一生懸命同じ長さに削って、少し古く見せるために木に水を含ませたりして工夫したのでとても印象に残っていた。うちの備品と同じ鉛筆だったから、うまく誤魔化せたはずだった。「遺留品の鉛筆とは別ですよね。同じ鉛筆が占い師の元にも運ばれるなんて?」「これなんだが、昔からうちの警察の鉛筆の備品はこの種類なんだよ」「20年変わってないんですね」「鉛筆だから、メーカーを変える理由もそんなになくてな。それで、仕事でポケットに鉛筆を入れたままにしてしまうことってお前もあるだろう?これは川村が使っていた鉛筆だ。指紋は堂前のものはなく、川村のものが検出された。」「同僚の妻が不倫相手のものだと夫が触れていない鉛筆を持って来たわけですか……」絶対とは言えないが、証拠品の一つにはなるだろう。「川村が遺留品を持ち出すときに、血のついていないものや事件と関係なさそうなものを探し出していたと倉坂瞳が話しています。もしかして、不倫に関係しそうなものも除去していたのかもしれませんね」瞳の能力を眉唾ものと思っていても、後ろ暗い人間の心理はわからない。結局、事件現場から離れた場所に転がった血のついていない鉛筆を選んだのは、もしも犯人だとバレたらという恐怖からのものだったのだろうか?流星はもう一度その鉛筆を見てあっ!と悲鳴をあげた。「俺、痛恨のミスしました。遺留品として川村に渡したものは2Bにしてしまってました。今、HBって使わないから……」最近はHB鉛筆が使われず、備品も2Bになっていた。鉛筆の塗装とメーカーのマークで判断してしまった。久保田は、なにやってんだとため息をつきながら、頭をポリポリとかいた。「遺留品のすり替えに気づいて、川村はお前をつけていたのかもしれないな。あと、倉坂瞳だが……」「あ、そうです!あの後のことが気に掛か

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