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9 毒親とかつての記憶

Author: 缶小豆
last update publish date: 2026-09-16 18:16:00

「瞳ちゃん!大変だったわね」

派手な色合いで露出の高めの服と、強い香水を蹴散らし、大きな声を上げながら心配するふりをして病室にやってきた母。

瞳はベッドから冷たく見上げた。

忘れたい顔だが、瞳は母に似た顔立ちだ。

久しぶりに会ったのに、やはり親子だと感じるパーツが憎らしくてたまらない。

「よく言うわよ、白々しい。死ぬまで会わなくて済むなら会いたくはなかったんだけどね。どうせあなたのことだもの。テレビに出た私と、接触しようとしていたんでしょう?」

病室から出ると、週刊誌が面白おかしく書いた為、知らない人から声をかけられたり、一方的に依頼をされそうになる。

瞳は再び時の人となってしまった。

アパートもテレビに映ってしまったし、母から逃げきれそうもない。

母からすれば、再び金儲けができるチャンスなのだ。

瞳を探し回るだろう。

それなら母と話さなければならない事も出来たし、病院という安全地帯にいるうちに話をした方がいいと判断したのだ。

「来ると思ってたの。久しぶりに週刊誌たちも動いてるって聞いたし、金になるって思ったんじゃないの?」

瞳は、そんな母と久しぶりに対面してにこりとも笑わなかった。
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