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4-4

Author: 琉斗六
last update publish date: 2026-03-31 21:00:21

 熱を煽られて、ジュリアンは混乱の中にいた。

 アルは「嫌なら断ってくれ」と言う。

 実際に、彼はジュリアンが「止めろ」と言えば、本当に引き下がっただろう。

 だが、ジュリアンには断る選択ができなかった。

──なんと卑しい体なんだろう……。

 アルが油薬を取り出す前から、自分の後ろはとうに濡れそぼっている。

 騎士団で乱暴に扱われた時に、それは散々〝娼婦のジュリーちゃん〟と嘲られた話題の一つだ。

「おまえは、男が欲しくて濡れているのだろう」

 そんな言葉が、脳裏に蘇る。

 アルの指に探られて、奥のもっとも感じるポイントを撫でられた瞬間、腰が浮いた。

「やっ……! あ……」

 声が、抑えられない。

──私は……。私の体は、先をねだっている?

 この行為を嫌悪していたはずなのに──

 そう思う反面、指では
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  • 触れるたびに溺れる浅ましさ   6-5

     オーガストは、それまでのふてぶてしい態度から一転し、顔を強張らせた。「ありえん……、ローデンフェルに瘴気だと!」「父上、落ち着いてください。どうされました?」 唇をわなわなと震わせ、シワだらけの顔を真っ青にし、オーガストは椅子から立ち上がった。「ワシは、少々ヴィクトルの若造を困らせてやろうとしただけだっ!」「父上っ?」 オーガストが何を言っているのかが分からず、アンソニーは自分も立ち上がって父の傍に寄った。「ワシは……、あ……、あ……ワシはっ! あの美しい土地を穢してしまったっ!」 周囲の声など耳に入らぬ様子で、オーガストは半ば錯乱したように叫び、両手で顔を覆っている。「誰かあるっ!」 アンソニーが呼びかけると、執事と使用人が部屋に駆け込んできた。「父上を、お連れして」「離せ! アンソニー! エイドリアン様の意志をっ! ……ワシはっ!」 数人がかりで抑え込み、使用人たちに連れ出されたオーガストの声が遠のいていく。 最後に執事が扉を締めて、声は完全に聞こえなくなった。「お見苦しいところをお見せしまして……」「いえ、……なにかこちらが、オーガスト様のお気に障るような発言をしてしまったようで、申し訳ございません」 ジュリアンが頭を垂れる横で、カイルも深々と頭を下げている。「準男爵殿、顔を上げてください」「はい。ありがとうございます。……ところで、最初にお渡しすべきでしたが、うっかり忘れておりました」 ジュリアンが目配せをすると、カイルは鞣した毛皮をアンソニーに差し出した。「これは?」「本日、お時間を割いて頂いたお礼に、お持ちしました。魔獣化したグリズリーの毛皮です」「こちらは、先日ジュリアン様が仕留めた

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     夜半、アルは清拭のための湯を持ってジュリアンの部屋を訪れた。「お湯を持ってきました」「ありがとう。あとは、自分でやるからいいよ」 にこりと笑うジュリアンに、アルはやや尖った視線を向ける。「俺に、手伝われるのが、怖いですか?」「なに変なこと言ってるの?」 こつこつと杖を付き、ジュリアンは湯桶の傍へと歩み寄ってきた。 アルは、わざと距離を詰めて背後に立つ。「どうしたの?」 微かに、ジュリアンは動揺しているように見えた。「昼間のあれは、なんですか

  • 触れるたびに溺れる浅ましさ   4-2

     マークは、執務室の大きなテーブルに、詳細な地図を広げた。「こちらの点が、ジュリアン様の設置された結界杭。瘴気の濃度は、ジュリアン様が作成した資料より、やや低めです」「イアン様の設置した結界杭が、効果を発揮しているんでしょう」「それだけではない。村を囲む柵は、魔物を避けるための魔道具が取り付けられていた。あれらの効果もあるだろう」 アルがちらと目をやると、マークが〝それはありえない〟と首を横に振る。「瘴気の分布を見ると、領主館の周辺が意外に濃いですね」「発生源が、領主館の裏手にある山だからじゃないかな」

  • 触れるたびに溺れる浅ましさ   4-1

     翌日、ジュリアンは執務室に顔を出した。「ジュリアン様、もう起きてよろしいのですか?」 執務室で仕事をしていたマークが、驚き顔で問う。「寝ていると、落ち着かなくてね。それよりマーク」 改まった口調のジュリアンを見て、持っていた資料を置き、マークは向き直る。「なんでしょう」「私のことを思いやってくれるのは嬉しい。だが、……きみほどの騎士が抜けてしまったら、損失は計り知れないぞ。今からでも、戻って……」「申し訳ありません。ですが、戻る

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