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記憶をなくしたフリで結婚
記憶をなくしたフリで結婚
Author: ボケちゃん

第1話

Author: ボケちゃん
私は高熱で何日も意識を失っていたけど、目を覚ましたとき、目の前には彼氏とその親友が並んで座っていた。

場の空気が重かったから、私は冗談めかして言った。

「あれ?あなたたち、どちら様?」

斎藤哲也(さいとう てつや)は一瞬きょとんとして、私は思わず吹き出しそうになった。

哲也は隣の友人を指さして言った。

「覚えてないの?お前の彼氏が焦ってるってのに、僕だって親友として付き添うだろ?」

私はその言葉に固まった。

すると、神谷風真(かみや ふうま)が一歩前に出てきて、こう言った。

「そう。僕はお前の彼氏、風真だよ」

私は二人をちらりと見て、彼らの嘘を暴くことはせず、記憶を失ったふりをした。

「風真、あなたは私の恋人なら、私を家に連れて帰ってくれる?」

風真と名乗る男はうなずき、すぐに退院の手続きをしてくれた。

本当の恋人である哲也はその間ずっとその場に立ち尽くしていた。

結局、私を家に連れて帰ったのは風真だった。

私はそっと部屋を出て、ちょうどリビングで風真が電話しているのを耳にした。

「頼むよ、しばらく佐藤美咲(さとう みさき)の彼氏のフリしてくれ」

「お前、それ本気で言ってんのか? そんなこと、いつかバレるぞ」

「大丈夫だって。あいつちょろいからさ。僕のこと、死ぬほど好きなんだ。絶対に僕を捨てたりしないよ。てか、もう付き合って2年経ったし、正直飽きたんだよね。記憶喪失の今のうちに、ちょっと自由にさせてもらうってだけ」

「高橋玲奈(たかはし れいな)とくっついたんだろ。だからこそ、今のうちに……」

「男は一生に一人だけじゃ満足できないさ。でも僕の心はちゃんと美咲にあるから」

私は静かに自室に戻った。

ドアを開けたとき、少し音を立ててしまったので、再び寝室から出るふりをした。

風真は物音に気づき、慌てて電話を切って私を振り返った。

「もう少し休んでいればよかったのに」

彼は私の額に手を当てて熱が下がっているのを確認すると、私の手を取りソファへと連れて行った。

「お腹、空いた?」

お腹がグーッと鳴った。

「何か食べたい?うどんでも作ろうか?」

私はうなずいた。

彼は立ち上がって棚から牛乳を取り出し、私に手渡すと、髪を撫でて頬にキスをした。

「いい子にして待っててね。すぐできるから」

彼が立ち去ろうとしたとき、私はそっと顔をそらした。

彼は優しく私の頬を撫でながら言った。

「覚えてなくても大丈夫。ゆっくり思い出していこう」

そのまま彼はキッチンに入っていき、やがていい香りが漂ってきた。

夕食を終えて私は自室に戻ろうと立ち上がった。すると風真も私の後をついてきた。

まさか、一緒に寝るつもりじゃないよね?

彼にとって私は記憶喪失の恋人なのだから、一緒の部屋で寝るのが当然と思っているかもしれない。

でも、私は本当は記憶を失ってなんかいない。

彼が部屋に入ってきたとき、私は一生懸命言い訳を考えていた。

「えっと、私……」

「今夜から君はこの部屋で寝て。僕は隣の部屋だから。何かあればすぐ呼んで」

私たちは同時に話し始めて、彼の言葉を聞いて私は思わず黙り込んだ。

「ゆっくりでいいんだ。お互いのこと、これからまた知っていけばいいさ」

顔が一気に赤くなった。さっきまで自分が疑っていたことが恥ずかしくなった。

うつむいたまま、どうやって彼と向き合えばいいのか分からなかった。

「美咲、明日友達と集まりがあるんだけど、一緒に行かない?」

さっきの気まずさをまだ引きずっていた私は、とっさにうなずいた。

「うん……」

すぐに、少し困ったふりをして言った。

「でも、誰も知らないから不安で……」

「大丈夫。僕が一緒にいるから」

その夜、私は安らかな眠りについた。
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