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第63話

Author: 玉井べに
夕星は無表情のまま手を振り払い、凌を拒絶した。

凌はこめかみに浮かんだ青筋を押さえる。「夕星、俺が来たのは、離婚には同意しないと伝えるためだ」

夕星はためらわず再び手を振り上げたが、今度は凌に止められた。

彼はその手首を握り、強く自分の胸へ引き寄せ、かすれた声で宥めるように言う。

「お前個人の名義でアトリエを作った。どう発展させたい?全部支援する」

夕星はそんなもの要らなかった。

もう彼とは一切関わりたくなかった。

「凌、私が何を大事にしているか知っているくせに、あの女のためにずっととぼけ続けるのね」

「どうして両方を欲しがるなんてことができるの」

「これが私に公平ですって?」

何もしていないのに、無理やり凌と雲和の世界に巻き込まれた。

三年間で人生の酸いも甘いも味わい尽くした。

何の権利があって、離婚しないと言えるのか。

涙が止めどなく頬を伝い、唇を噛んで顔を背ける。

凌は胸を締めつけられる思いで夕星を抱きしめて呟いく。「ごめん」

夕星はその腕の中で、しばらくしてようやく気持ちを落ち着かせた。

低い声で懇願する。「凌、お願い、私を放して」

そして繰り
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