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第8話

作者: 安野いち
この三年間、二人は幾度となく肌を重ねてきたが、その度に真尋は愛情を抑えきれないといった様子を見せていた。

その姿があまりにも愛に満ちて優しかったため、絢音は彼の本心を疑ったことなど一度もなかった。

しかし今、肌に落とされるキスのひとつひとつが、ひどく苦痛でならない。

絢音はたまらず手を伸ばし、真尋を押し除けた。

彼はこういう時、いつも強引だ。

すっかり欲情していたため、突然突き飛ばされたことに納得がいかないのか、怪訝そうな目を向けて絢音を見下ろしてくる。

「真尋、私、妊娠してないわ。その……月のものが来たの」

真尋の言葉に乗って身籠ったふりをしたのは、ただ彼の出方を見たかっただけで、いつまでも騙し続けるつもりはなかった。

明日病院で検査を受け、妊娠していないことが分かれば、それで終わる話だと思っていた。

だが彼の企みを知ってしまった今、そのスキンシップや接近をどうしても受け入れることができず、絢音はこんな口実を使って逃れるしかない。

これまで絢音がずっと素直で物分かりのいい態度を見せてきたからか、真尋もまさか彼女が嘘をついているとは微塵も疑わない。

絢音の言葉を聞
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