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光、ひらく

last update Date de publication: 2026-10-12 19:30:02

 あちこちで、光の護符が揺れていた。

 今日は市場の様子を聞きに神殿へ立ち寄ったあと、午後から登校した。

 公休扱いはまだ続いている。

 淡い色の布。学園紋章の刻印。  

 身分に関係なく、誰もが同じようにそれを握りしめていて――

(……よかった)

 今後定期的に出していくことも考えて、

 ひとまず二色を百個ずつの提供に留めた。

 全員に行き渡る量ではないし、

 製造番号や紋章があったとしても、裏でのやりとりを完全に防げるわけではない。

 けれど――

 今のところ、トラブルの予兆はなさそうだ。

 殿下が、これは私からの寄付であること、異例の措置であること。

 問題が起きればこのやり方も見直さざるを得ないこと。

 そして何より、私の思いを代弁してくれたのが大きいのだと思う。

「見て!交換してもらったの!」

「私は図書塔の奉仕で紫色をもらっちゃった!」
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  • 転生聖女の幸福譚~悪役令嬢を救うため、断罪劇で恋人宣言してしまいました~    光よ、届け

     学園に戻ると、廊下にはすでに教師と神官が集まっていた。 生徒たちが数人、険しい顔のまま保護されている。 ――護符を巡って、ついに“金銭”が動いたらしい。 本来、王立学園では金品の直接のやり取りは重い禁忌だ。 身分差を利用した搾取につながるため、 いかなる理由でも“商いもどき”を校内に持ち込むことは許されない。 ところが一部の生徒が護符を高値で買い取ろうとし、 別の生徒は家の名を盾に“本物の入手経路”を吹聴して優位に立とうとした。 ――大人の世界にある闇取引の縮図が、学園でもう再現されてしまった。 幸い大きな怪我人こそ出なかったけれど、これは学園としては放置できない種類の騒ぎだ。 胸の奥がひやりと冷える。 ちらりと見れば、殿下もまた小さく息を呑んで状況を見つめていた。 外の世界で正規流通が始まれば、こうした騒ぎは自然と収束するだろう。 今回の処分がどう下るかも重要だ。 片方は私と同じ男爵家、片や侯爵家。 両者とも同じ罰が下るはずだけれど──それが政治の世界にどう響くか。(荒れそうね) ――それにしても。 不安げに肩を寄せ合う女生徒達が目に入り、新学期に見た光景を思い出す。(みんな、本当は……ただの“流行”として欲しいだけなんだよね)「かわいい」「素敵」と笑い合うための小物。 学生たちにとっては、大人の取引とは違う、ただの“おしゃれアイテム”でありたかったはずだ。 私は殿下の方を向いた。「殿下……学園にも、正式な護符を配れませんか?」 殿下は少し驚いたように私を見る。「秩序を安定させるため……ではなく?」「はい。 みんなが安心して楽しめるように、です。 

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