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第63話

Author: タロイモ団子
「望美、君は相変わらずお人好しすぎるな」

成哉は複雑な眼差しを望美に向けた。

――何の関係もない赤の他人のために、そこまで心を砕くとは。それに比べて、自分の子供すら放り出したあの女は……

そう思うと、成哉の胸の奥は、いっそう重く沈んでいった。

「……わかった。君が不問に付すと言うなら、そうしよう。木村、熱愛説の記事を抑えさせろ。あまり波風を立てるな」

成哉は、紬との夫婦関係を公表することを取りやめた。

紬が自分たちの関係を明かそうとしない以上、自分がわざわざ彼女の盾になってやる必要もない。

そもそも、この騒動の火種を作ったのは紬自身なのだ。

大人しく「天野家の奥様」をやっていれば、こんな謂れのない災難に遭うこともなかったはずだ。

望美は探るように尋ねた。

「成哉、でも紬さんの方はどうしましょう?私がSNSで、彼女のために少し説明してあげましょうか?」

成哉は鼻で笑った。

「必要ない。今回は彼女に教訓を与えるいい機会だ。天野家を離れれば、誰も守ってはくれないということを思い知らせてやる」

望美は安堵し、瞳の奥に一筋の得意げな光が走った。

――紬。あなたの男は、
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