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Author: 酔夫人
last update publish date: 2025-12-26 11:00:01
俺と李凱に同時に届いたのは位置情報付きの陽菜からのメッセージSOS

「行きましょう」という戸田刑事の合図で俺たちは部屋を出て地下駐車場に向かった。

大勢の移動は社員の目を引き、大勢の目が向いたことに李凱が顔をしかめた。

「この社内にはシラカワのスパイがいるだろう? 警察が来ていることを知られてらどうする?」

「それは……「ご安心ください」」

黒崎妹が割り込む。

「李社長が副社長室で大暴れしたため警察を呼んだと説明してあります」

……合っている様な、合っていない様な……。

「おい……俺の評判はどうなるんだ?」

「異母妹の為、そんなものドブに捨てられなくてどうするんです」

言い切った……思わず俺は兄である黒崎を見た。

スッと視線を逸らす黒崎にいろいろ察した。

GPSの示したのは都内のホテル。

戸田刑事の指示で覆面パトカーが周辺を包囲していくらしい。

ホテルまであと少しというところで、李凱のスマホに陽菜から電話がかかってきた。

李凱がスピーカーにする。

陽菜と、男二人の声が聞こえた。

『李凱の女のストリップだ』

「……全員殺してやる」

「ヒナに触れたら殺してやる」

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