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第392話

Author: 知念夕顔
郁梨は疲れたと感じた。「承平」

「どうした?」

「出て行ってくれない?」

「俺……」

「出て行って!」

「わかった」

承平はため息をついて出て行った。郁梨は彼の後について行き、承平が足を踏み出した瞬間にドアを閉めた。彼が振り返る間もなく、バタンという音が聞こえた。

――

如実が亡くなって七日が経った。

郁梨は墓石の前に立ち、まるで遠い昔の出来事のように感じていた。この瞬間からようやく、彼女は事実を受け入れたようだった。

今日、承平の祖母は朝早くから起きていた。何日も部屋にこもっていたが、今でもまだ元気がなさそうだ。

承平の祖母は墓前で多くの言葉を述べ、郁梨をしっかり面倒見るとし、如実に安心するよう伝えた。

郁梨の目はまた泣き腫らしていた。如実の死後、彼女は絶望し、苦しみ、承平と離婚する決意をした。この世に肉親もなく、これからは孤独に生きていく覚悟もできていた。

しかし今この時、郁梨は自分が一人ぼっちではないと感じた。少なくとも、三人の年長者が寄り添ってくれた。たとえ承平と離婚しても、彼らは依然として郁梨の身内だ。

供養が終わると、栄徳は外で待っていると言い、郁梨に母親と二人きりで過ごす時間を与えた。承平は残りたがったが、残る理由などどこにもない。結局、名残惜しそうに去っていった。

周りの人々が散っていき、郁梨はしゃがみ込んで、母親の遺影をそっと撫でた。

「お母さん、私は不孝者だね。まだお母さんの死の真相を突き止められていないなんて。ごめんなさい、私がお母さんを苦しめたんだ。もっと早く全てを打ち明けていたら、こんなことにはならなかったかもしれない」

郁梨は自分を責め続けていた。携帯の中の秘密を知って以来、一方で承平を責め、他方で自分自身も責めていた。

でも後悔しても仕方ない。お母さんはもういない。

郁梨の視界は涙でぼやけ、口元を無理やり上げた。「お母さん、私は承平と離婚するわ。お母さんはずっと私を支えてくれる人がいればと願っていたね。安心して、私はもう大人だわ。自分で自分を守れる。それに、お母さんがいるでしょ。空の上から私を見て、私を守ってね」

記憶の中の如実は、優しい笑顔で微笑んでいた。おそらく多くの生徒を教えてきたためか、如実の目からは春風のような優しさが感じられた。

「お母さん、また会いに来るから。私に会いたくなったら、
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