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第1060話

Author: 風羽
空気が凍りついた。

九条美緒は九条津帆を見つめた。

彼女の目にはすでに涙が浮かんでいた。しかし、家族全員がそこにいる手前、必死にこらえていた。取り乱したり、涙をこぼしたりすれば、あまりにもみっともないからだ。

しばらくして、彼女は目を伏せ、静かに言った――

「B市でも仕事ができる。

私の家はB市。一生香市にいるつもりはない。いつか必ず戻る」

......

九条津帆もまた、彼女を見ていた。

しかし、彼は口を開かなかった。

しばらくして、九条津帆はコートを取り、玄関へ向かいながら言った。「会社に行くついでに、美緒を個展に送っていく」

ダイニングテーブルの前。

九条美緒は黙々とサンドイッチを食べていた。

水谷苑は九条美緒の手の甲を軽く叩き、優しく言った。「津帆の言うことは気にしなくていいのよ。帰りたい時はいつでも帰って来い。B市だって今は発展しているし、香市に劣ることはないわ。それに、実家なら何かと安心でしょう」

九条美緒は小さく頷いた。残りのサンドイッチを食べ終え、駐車場へ向かった。

九条津帆はカリナンを運転していた。

九条美緒が来た時、彼はシートにもたれてタ
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