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第1308話

Auteur: 風羽
暗い線路上、血が広がっていた。

宮崎菖蒲の体はまだ温かかった。けれど、瞳はゆっくりと光を失っていく。長いまつ毛に、ちらちらと舞い落ちる雪が、ひどく冷たい。体が、芯から冷えていくようだった。

すぐそばにいるのに、宮崎瑛二の姿が見えなかった。

宮崎菖蒲は生涯、宮崎瑛二を追い求めた。愛していない男と結婚したのも、宮崎瑛二に少しでも近づくためだった。なのに、宮崎瑛二は彼女に生きる道を残してくれなかった。

田中孝介、宮崎瑛二......

なんてバカだったんだろう。田中孝介を頼ったり、あまつさえ宮崎瑛二が助けてくれるなんて幻想を抱いたりして……彼が手を差し伸べてくれるはずなんてない。彼は自分が死ぬことさえ願っていたのだから。

遠くの方から、人の声や救急車のサイレンが聞こえてきた。

しかし、もう間に合わない。

宮崎菖蒲が最期を迎えるその瞬間、彼女の瞳には幻が見えていた。宮崎智也が、結婚式の時に着ていた白いタキシード姿で歩み寄ってくる。その顔には昔のままの穏やかな微笑みを浮かべ、「菖蒲」と優しく名前を呼びながら、そっと彼女に手を差し出していた……

「菖蒲、一緒に行こう。

苦しみも、
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