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第360話

Penulis: 風羽
田中秘書は、胸が痛んだ。

何か慰めの言葉をかけたいと思ったが、何も言えなかった......

時間が解決してくれるとは限らない。傷口は膿んで、手の施しようがないこともあるのだ。

藤堂沢は彼女に部屋から出て行くように言い、一人で静かに過ごしたいと言った。

一人になると、彼は震える手で煙草に火をつけた。しかし、すぐに消してしまった。

思い出が蘇り、彼はかつて九条薫が涙を流しながら言った言葉を思い出していた。

その時、彼女は言った。「沢、あなたは誰一人として愛せない人だわ!」

その通りだった。

以前の彼は愛を知らず、権力こそが全てだと思っていた。女も子供も、ただのアクセサリーで、欲しいと思った時に手に入れるだけの存在だった。

しかし、今の彼は愛を知っていた。彼女に他の男がいることも知っていたが、それでも、全ての財産を彼女に譲ると遺言に記した。

藤堂言のために手に入れたお守りでは足りない。ならば、自分の全てを捧げよう。

自分の命!

自分の運!

全てを犠牲にしてでも、藤堂言を守りたかった。

......

昼近く、藤堂沢が病院に戻ると、小林颯がいた。

小林颯は藤堂言と
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