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第424話

Author: 風羽
九条薫は、思わず胸が詰まった。

彼女はスマホを置き、田中邸で暮らした日々を、言の手術前夜、藤堂沢が彼女に別れを告げた時のことを思い出した。あの時、彼女は言のことばかり心配していて、彼の異変に気づくことはなかった。

しかし、たとえ全てやり直せたとしても、真実を知っていたとしても、彼女は藤堂沢を止めることはできなかっただろう。

過去は、もう過ぎたこと。

大切なのは、今、そして未来......

九条薫は藤堂沢に返信せず、田中秘書に会う約束をした。藤堂沢の心を掴むには、田中秘書の協力が必要だった。

田中友里は電話を受け、快諾した。

長年藤堂沢に仕え、九条薫とも親しかった彼女は、二人の復縁を心から願っていた。電話を切った後、彼女の目には涙が浮かんでいた......

九条薫が藤堂社長のそばに戻れば、きっと彼の容態も良くなるだろう、と彼女は思っていた。

午後1時、二人はカフェで会う約束をしていた。

九条薫が先に到着し。

ブルーマウンテンを一杯と、田中友里にはいつもの紅茶を注文した。

田中友里は時間きっかりにやってきた。彼女はスーツ姿で、九条薫に謝った。「ちょうど急ぎの仕事が入
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