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第1130話

Auteur: 風羽
九条津帆は軽く目を細めた。

ガジュマルの木の下で、妻と見知らぬ男が談笑している。その姿を、彼は複雑な思いで見つめていた。夫である自分といる時とは違い、彼女の表情には、緊張感のない、穏やかな安らぎが漂っていた。

その男は落ち着いた雰囲気で、普通の教師には見えない。そして、陣内杏奈を見る目は、隠しきれない恋慕の情が込められていた。

男は男の気持ちが分かるものだ。

こんな寒い日にわざわざ女と外で話をするなんて、下心があるか、本気で惚れてるかのどちらかだ。九条津帆は、自分がそこまで寛容ではないことを自覚していた。そこで、二人のもとへ歩み寄った。

「杏奈」

九条津帆は一歩手前で妻を呼んだ。

陣内杏奈は振り返り、驚いたように彼を見つめた。まさか夫が迎えに来るなんて思ってもいなかったのだろう。しばらくして、九条津帆は宮本翼に手を差し出した。「九条津帆です。杏奈の夫です」

宮本翼もまた驚いていた。

九条グループの社長である九条津帆のことは知っていた。しかし、陣内杏奈の夫だとは知らなかった。つい先日、女優との噂が流れていたのに、今度は夫婦仲睦まじく振る舞っているとは。

宮本翼は陣内杏
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