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第658話

Auteur: 風羽
しかし結局、九条時也はそれ以上には続けようとしなかった。

彼は水谷苑の傍らに倒れ込み、彼女の痩せ細った体に寄り添いながら、卑屈交じりの嗄れた声で言った。「苑、やり直さないか?もう二度とお前から離れたりしない。他の女も作らない。お前に一途に尽くす。お前が若い頃に欲しかったもの、好きだったこと、お前が望むなら全部叶えてやる。

だから俺から離れないでくれ。お願いだ」

水谷苑は、少し虚ろになっていた......

やり直すだなんて、笑わせる。どうやってやり直すというの?

そもそも二人の間には、始まりなどなかったのだから。

あったのは、嘘と欺き、そして彼女の若かれし頃の片思いだけだ。

水谷苑はベッドに横たわり、服の大半がはだけ、痩せ細った体が露わになっていた。そのあまりに痩せ衰えた姿は、照明の下で、どこか儚げな美しささえ漂わせていた。

彼女は服を直そうとしたが、力が入らない。

無駄な努力だった。

生気を失った黒い瞳で、彼女は呟いた。「春が過ぎ......夏ももうすぐ終わる。あと二年もすれば、津帆は学校へ行く歳になる。学校......学校......私も、ちゃんと学校へ行くべきだ
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