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第1015話

Auteur: 桜夏
和馬言った。「ですが、私に他意はありません。ただ、如月さんの類稀なる才能を、一個人として非常に高く評価しているだけです。

もし彼女が旭日テクノロジーを辞めるようなことがあれば、あなたに仲介をお願いして、我々の元へ引き抜けないかと考えております」

公平はそれを聞き、作り笑いを崩さずに言った。「もし、今後彼女と連絡を取る機会があれば、周防さんのその熱いお気持ちは、責任をもってお伝えしておきましょう」

和馬は、公平のその言葉を聞き、彼が巧みに話を逸らしていると見抜いた。

何しろ、公平は透子の直属の上司なのだ。個人の携帯番号やプライベートなSNSのアカウントを知らないはずがない。本来なら、それを直接教えれば済む話だ。

和馬は、公平が教えたくないのだと分かっていたが、今後の取引を円滑に進めるためにも、ここはあえて踏み込むことにした。

公平は相手がしつこく食い下がってくるのを見て、内心で必死に対応策を考えた。

新井社長を盾にするのは悪手だ。彼はもう橘家の令嬢と婚約する身で、透子とは離婚している。下手に二人を結びつければ、あらぬ噂を流したと、こちらが罪に問われかねない。

やはり、桐生社長の名前を出すしかない。

桐生社長はもともと透子を想しており、以前、外勤部の波輝が彼女の個人情報を不正に入手しようとした際には、即座に解雇した上、警察にまで突き出している。

桐生社長の名を出せば、この周防和馬という男も、これ以上無理強いはできなくなるはずだ。

「周防さん、実を申しますと……あなたにご協力したくないわけではないのですが、こればかりは、私の立場ではどうしようもないのです。

何しろ、私も雇われの身。社長の意向には逆らえませんから」

和馬はその言葉を聞いて眉をひそめ、即座に真意を察して言った。「……桐生社長、ですか」

公平は神妙に頷いた。「ご明察の通りです。桐生社長と透子さんは大学の同窓で、非常に親しいご友人でもあります。

その……社長が彼女に特別な感情を抱いていることは、社内でも公然の秘密です。

社長は彼女を過剰なほど保護なさりたいとお考えで、私にも『彼女に関する一切の情報を外部に漏らすな』と、きつく釘を刺されているのです。

こればかりは、私も板挟みでして。どうか、お察しください」

和馬はそれを聞くと、面白いものを見るような目で公平を見つめ、言った。「で
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