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第1220話

Author: 桜夏
蓮司はその言葉を聞くと、拳を固く握りしめ、奥歯を噛み締めた。

たとえ透子が聡を好きではなくても、あんなお節介な親戚たちが寄ってたかって仲を取り持てば、情が湧いてくることだってある。

蓮司は怒りと焦りでどうにかなりそうだったが、止める手立てがなかった。聡を殴ることはできても、まさか目上の親戚に手を上げるわけにはいかない。

蓮司は義人に懇願した。「叔父さん、助けてください。叔母さんに、仲人なんてやめるように説得してください」

義人は、心が砕け散り、今にも泣き出しそうな蓮司の姿を見つめた。

今日、若者たちが遊びに行った先へわざわざついて行き、あろうことか柚木家の御曹司を殴ったという。栞が他の男に近づくのが、どうしても許せないのだろう。

だが、実の叔父として、これ以上蓮司を甘やかすわけにはいかなかった。

義人は諭すように言った。「蓮司、栞のことは諦めるんだ。君たちはもう離婚した赤の他人だろう。

たとえ聡がいなくても、他の家の適齢期の男はいくらでもいる。君に何が止められる?

終わった感情のために、柚木家と対立するつもりか?新井グループの未来を考えたことはあるのか?

私がまだ湊市に戻っていないのは、君が心配だからだ。父さんから、君の地位を固めるよう頼まれている」

……

義人は心の底からの言葉を尽くして説得した。蓮司が必要とするなら、湊市の水野家は最大の後ろ盾となるだろう。

だが、水野家が提供できるのはビジネスと資金面での援助だけだ。恋愛に関しては、どうすることもできない。

相手はあの橘家であり、瑞相グループだ。栞はその唯一の令嬢なのだから。

義人が諦めるように諭し、利害を説く言葉は、蓮司にとって、心臓をナイフで切り刻まれるような痛みだった。血が止めどなく流れるような感覚に襲われる。

客観的に見ても、主観的に見ても、結果は一つしか示していなかった。

この先、一生透子とは結ばれないということだ。

義人は最後にそう言った。「新井のお爺さんのことも考えろ。彼はもう高齢なのに、君が空けた穴を埋めるために奔走し、会社の基盤を支えているんだぞ。

あとどれくらい、君を助けられると思っている?いつまで尻拭いができると思っているんだ」

そう言い残し、義人は黙り込んで涙を流す甥を見つめた。

男は人前で涙を見せるものじゃないと言うが、やはりどんな男も惚れた女に
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Comments (4)
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     芳香
付き合う話なんていつ出ましたっけ? 期限3年間の間に聡がアプローチするチャンスをあげただけではないんですか? まだ透子の中では友達のお兄さんって言う認識なんですよね?
goodnovel comment avatar
child1028believe
美月の悪事がバレた後はつまらないですね。 恋愛の場面もあまりドキドキしないし(笑)
goodnovel comment avatar
child1028believe
もう話が面白くない。 雅人と理恵も聡と透子の恋愛話も蓮司の暴走も平行線でただ引き伸ばしてる感じ。 理恵はやっぱり翼お兄ちゃんがお似合いだと思うな、、。
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