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第579話

作者: 桜夏
橘家が新井家と昔からの付き合いだったとは……

二十年前からだという。それはつまり、当時の橘家も相当な資産家だったということで、そして今は海外に……

美月はこの二日間、橘家の事業や会社名などを積極的に探ろうとはしなかった。ただ、橘雅人のことは調べた。

しかし、その名前では何も出てこない。相手の英語名も知らないのだ。

もう少し待って、チャンスがあれば雅人の英語名を聞き出そう、と彼女は考えた。

雅人の両親がしばらく帰国しないのも、好都合だった。透子を片付ける時間が稼げる。

自分で見つけてきたあの使えない男は、未だに手を出せずにいる。相手には前科があり、出所したばかりで、その度胸を買って雇ったというのに。

そこまで考えると、美月は腹立たしく、これ以上手をこまねいているわけにはいかないと、別の人間を雇って一緒に動かすことを決めた。

車がホテルに着き、二人は一緒に上階へ向かった。雅人の両親との電話が切れたのは九時過ぎで、美月はその後、SIMカードを入れ替えてメッセージを送り、連絡を取った。

今回の彼女は用心深かった。前回、ハッカーに防犯カメラの映像を削除させたのに、蓮司に復元され
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