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第592話

작가: 桜夏
しかし、電話は通じない。相手はずっと話し中だった。理恵は仕方なく、入院病棟の受付で尋ねた。

だが、返ってきたのは、その患者は登録されていないという答えだった。理恵は立ち尽くし、慌てて駆けつけた自分が、蓮司にだまされたのだと感じた。

理恵お嬢様は今、心底腹を立てていた。あの男を山奥に放り込んで、オオカミの餌にしてやりたいほどに。

ヒールで床を踏みしめるように歩き、その音はまるで靴が壊れてしまいそうなほどだった。彼女は全身に怒りをみなぎらせていた。

ふと、ロビーの正面玄関から入ってくる見覚えのある顔が目に入った。

蓮司のアシスタントではないか。

「さ……アシスタントさん!」

理恵は呼びかけたが、相手の苗字は思い出せなかった。

その声を聞き、大輔は無意識に振り向き、理恵の姿に気づいた。

大輔は挨拶した。「柚木さん、こんばんは」

理恵はすぐに尋ねた。「新井はどこ?」

大輔は説明した。「社長はまだ応急処置室におられます。僕は如月さんの入院手続きを手伝いに来ました」

彼は残業する羽目になった。突然、社長から電話があり、海外の医療関係の人脈に連絡を取るよう指示されたのだ。だが
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