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第879話

Author: 桜夏
蓮司は、その問いを真っ直ぐに受け止め、覚悟を決めた声で応じた。

「はい」

その一言に、美佐子が理性の糸を焼き切り、「ならば今すぐここで死んでみせろ」と絶叫する寸前、傍らから新井のお爺さんが静かに口を開いた。

「前回の交通事故の際、透子を庇って車道に飛び出したのは、蓮司だ。その結果、肋骨を二本折った。もし、あの時透子が直接はねられていたら……どうなっていたか。

孫の肩を持つつもりは毛頭ない。だが、こやつは、透子が危険に晒された時には、己の身を顧みず飛び出す男だということだ」

それは、蓮司が透子のためなら死ねるという、何よりの証左だった。

もちろん、祖父である彼が、蓮司に二度も同じような真似をしろと望むはずもない。

お爺さんは、さらに言葉を続けた。「そして、その交通事故すらも、朝比奈が仕組んだものだ。実行犯は、最初の拉致事件の主犯、斎藤剛の仲間でな。

交通事故の犯人は捕らえたが、斎藤本人は、今も行方が知れない。

警察が浜川市の山中で地下室を発見したものの、すでに破壊され、埋め戻された後だったとか。周囲には、多数の足跡が残っていたそうだが……

不可解なことに、麓の監視カメ
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