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60.水族館と夏の花火

last update publish date: 2026-08-29 05:12:32

 海沿いの道路を走るローカルバスに揺られること数十分。

 二人が到着したのは、巨大なドーム型の屋根が特徴的な海浜水族館だった。

 エントランスを抜けて巨大な水槽の前に立つと、和花は目を輝かせてガラスへとしがみついた。

「わぁっ! 理聖さん、見てください! 大きなエイが笑ってるみたいにこっちへ飛んできます!」

「本当ですね。腹部の模様が顔のように見えて、なんだか愛嬌があります」

 優雅に羽ばたくマンタや、悠然と泳ぐウミガメの姿に、理聖も少年のような好奇心を覗かせていた。

 さらに奥へ進むと、小さな水槽の中でふわりふわりと舞う妖精のようなクリオネを発見する。

「あ、クリオネだ。小さくて可愛いですね……」

「そうですね。……ですが和花さん、あちらの水槽を見てください」

 理聖が指差した先には、岩陰から長い触角を覗かせている立派な伊勢海老や、銀色の鱗を光らせて泳ぐ鯵の群れがいた。

「あっ……!」

 和花は昨夜の夕食と今朝の朝食の豪華な舟盛りを思い出し、思わず両手で口元を覆った。

「なんだか……ついさっきまで美味しくいただいていたお魚たちが泳いでるのを見ると、ちょっとだけ複雑な気持ちになっちゃ
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  • 離婚直後に拾った彼は、私を溺愛する危険な同居人でした   90.口は堅くないとね

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