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400.権力者の遊び②

last update 最終更新日: 2026-01-15 19:57:05
華side

翌日、いつもより一時間早く来て欲しいと先生から連絡があり、胸騒ぎを覚えながら先生の教室を訪ねると、事務作業部屋に通されるなりクリアファイルを手渡された。

「華さん、三村ジョニーについての詳細な資料です。先日、彩菜さんが『週刊誌の写真はすべて偽物だ』と記者会見を行ったのですが、異変が起きました。配信直後から動画のコメント欄が次々と削除・閉鎖され、翌日には動画自体が閲覧できなくなったんです。メディアの動きも不自然です。記事が出た当初はあんなに騒いでいたワイドショーが、この反論会見については示し合わせたように無視を貫いている。……これも三村ジョニーが裏で手を引いている事と思って間違いないでしょう。あの会見、華さんはご覧になりましたか?」

「いえ……私も会見が行われたことを知ってすぐにネットで調べたのですが、その時はもう削除されていて。どんなことをお話しされたのか、ずっと気になっていました」

「実は、彩菜さんにお願いして芦屋側で密かに録音していた音声データを共有してもらったんです。もし興味があるなら、今ここで聞けるように用意しますが」

「是非……! お願いします。なぜそこまで徹底して削除されなければならなかったのか、どんな発言が誰の逆鱗に触れたのかを知りたいんです」

「分かりました。少し待っていてくださいね」

切実なほどに即座に返答した私に、先生は優しく応じてくれた。ノートパソコンを操作する先生の指先が、マウスをカチカチと動かして指定のフォルダを開いていく。先生は上着のポケットからイヤホンを取り出すと、その片方を私に手渡した。

「声が漏れて、万が一早く来た生徒さんに聞かれたら良くないので、こちらをつけてください」

狭い事務室のデスクで隣同士に座り、私たちは片方ずつイヤホンを共有した。もし、今から聞く内容が記者会見ではなく、お互いの好きな音楽や映画だったらこの距離も、同じイヤホンを二人でつけることにも、一つ一つに反応しただろう。しかし今は、ざわざわと胸を締め付ける気持ちを解消したいという想いが強かった。

再生ボタンが押されると、イヤホンからは芦屋彩菜さんの意志の強さを感じさせる透き通った声が流れ始めた。 私は、内容を漏らさじとイヤホンを耳に押し当て画面を凝視し、先生は、私と画面の両方を少し距離を置いて眺めるように静かに見守っていた。

そして、会見が終盤に差し掛かっ
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