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第5話

作者: 日向くがね
その場に、重苦しい沈黙が降りた。

清香の顔から得意げな表情が消え、蒼介も呆然としていた。

街灯の薄暗い光の下、私たち三人は金縛りにでもあったかのように動けなかった。

私と蒼介の間にも、かつて子供がいた。

妊娠に気づかず、鎮痛剤を何錠も飲んでしまったせいで、その子は光を見る前に空へ還ってしまった。

星河、それが、私たちがあの子に用意していた名前だった。

あの日、病室で力なく横たわる私の手を握り、蒼介は言った。

「次の子は、また星河って名付けよう。

お前たちは俺の人生で一番輝く星だ。

永遠に輝いて、これからもずっと一緒だ」

けれど、次の子なんて授からなかった。

のちに清香と子供を持つことに。それも後の話だが。

呆然と私を見つめる蒼介の顔を見て、急に吐き気が込み上げてきた。

突然、清香が金切り声を上げ、私と蒼介を交互に睨みつける。

「どういうこと?その名前、いったいどういう意味よ!?」

「いい加減にしろ!」

蒼介は清香の手を乱暴に振り払った。その表情には隠しきれない苛立ちが滲んでいる。

「外でその名前の由来を話すなと言ったはずだ!」

突き飛ばされてよろめいた清香は、信じられないという目で彼を凝視し、裏返った声で叫んだ。

「蒼介!あんた言ったじゃない!この名前は私たちの子供が星のように輝くからだって!まさかあの女と……」

「黙れと言ってるだろ!これ以上恥をさらすな!」

蒼介はこめかみに青筋を立てて、低く唸った。

母校の正門前で、彼らはなりふり構わず怒鳴り合っていた。

部活帰りの生徒たちが校門から出てきて、何事かとこちらを見ている。

これ以上付き合っていられない。私はまだ見たがっている友人の腕を引っ張り、人混みに紛れ込んだ。

背後で蒼介が私の名を呼ぶ声がしたが、私は振り返らず、さらに足早にその場を去った。

翌朝、私は早起きをして街角にある弁当屋へ向かった。

あれから何年も経ち、かつて私たちに弁当の作り方を教えてくれた店長の田村さんは、ようやく自分の店を持つことができていた。

私を見つけると、彼は目尻を下げて横の棚を指差した。

「穂香ちゃんが来るって聞いたからな、特製の大判とんかつを作っといた。限定品だぞ」

「やった!」

私は小走りで駆け寄り、熱さも気にせず、とんかつを手にして頬張った。

「美味しい……!」

私は
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