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【第41話】華への不安①

last update Date de publication: 2026-08-24 13:24:19

 学校から慌てて帰宅し、玄関で瀬田とウルカがイチャイチャしていた同時刻。

 華は途中で立ち寄ったスーパーで買った大きな袋を片手に、自宅の鍵を開けて室内に入った。

「ただいまー」

 荷物をいったん床に置き、靴を脱ぎながら室内に向かって声をかける。すると華の声を聞きつけたカシュが、バタバタと足音をたてながら玄関まで小走りでやって来た。

「おかえりなさい!良かった、今日も……帰ってきてくれたんですね」

 そう言ってカシュが、華の顔を見るなりホッと安堵の息を吐く。一人きり、華の部屋で彼女の帰りを待っている間中、『ちゃんと今日も家に帰って来てくれるだろうか?』と不安で、怖くて堪らなかったのだ。

 あの日ちゃんと謝ったが、それでも——

       ◇

 話は数日前の月曜日まで遡る。

 “とある伝手”を使って勝手に戸籍を手に入れたカシュは、華の勤め先でもある学校への入学話を単独で進めて、全てを事後報告としてしまった。そのせいで『華さん……怒って今日は家に帰って来ないんじゃ?』と、先程からずっとヒヤヒヤしている。

 まだ仕事のある華よりも先に彼女の部屋に帰宅して、狭い部屋で一人、電気も点けずにいる
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  • 魔女に呪われた“淫魔”達だけど、愛されたい!   【第46話】瀬田のお友達とワタシ①

     優しい日差しを注ぐ太陽が空へと昇り、土曜日の朝がきた。 急ぎの仕事もないため、休日出勤の必要のない瀬田は、一人暮らしには不向きな大きめのベッドでうつ伏せになりながら寝息を立てている。ボクサーパンツ一枚だけの姿で眠っており、髪には少し寝癖がついていてちょっと可愛い。切れ長な瞳が瞼に隠れ、前髪が目元まで落ちているからか、寝顔には少しだけ幼さがあった。 そんな瀬田の眠る姿をウルカは、床にペタンと座りながらニヤニヤした顔で長いこと鑑賞し続けている。視線だけで相手を起こしてしまいそうな程長い時間じっとそうしているのだが、彼が眠った時間がかなり遅かったため、幸いにして瀬田が起きる気配はない。ウルカとの、場所を考える余裕もなくおよんだ二度目の行為に没頭し、酔いしれ、溺れた代償はどうやら大きかったようだ。 台所から香ってくる肉を焼いたような匂いが微かに部屋を満たしているが、疲れの方が強いのか、匂いで目が覚める事もなさそうだ。(『朝食が出来たぞ』と起こすべきか、このまま眼福時間を堪能させて頂くべきか……) ウルカは一秒ほど悩むフリをしたが、勿論後者を選んだ。出来れば作りたての料理を食べさせたい気持ちはもちろんあるが、電子レンジで温め直してもまぁ問題はないだろう。 何と素晴らしいアイテムだ。文明の発展万歳、と思いながら、ウルカはグッと軽く拳を握った。「……可愛いなぁ、カッコイイなぁ、素敵だなぁ」 ポッと火照る頰を両手で冷やしながら、ぼそりと呟く。 こんな見目麗しい人を捕まえる事が出来た自分が誇らしくってしょうがない。優良物件でしかないであろう彼がどうしてだか“初物”だった幸運にも感謝したい気分だが、コロコロと態度が変わってしまうのだけは……今もちょっと怖い。 二度目のおかげでより一層体には魔力が満ちているので、今はまた問題無く生活出来る。だけど貯めておくにも限度がある。他の物に魔力を貯めておいて、不足したらソレを頂くなんて事は無理なので、ウルカは『また、浩二さんとの間に倦怠期がきたらどうしよう』と、顔を見ながら悩み始めてしまった。 への字口のままウルカが軽く唸る。首を傾げたり、金色の柔らかな髪の先を指でくるくると巻いてみたりしながらも、視線だけはずっと瀬田の寝顔に釘付けのままだった。「……また、その姿なのか」 寝起きで機嫌が悪いのか、瀬田の声は不快感に満ち

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     魔女裁判が横行していた時代。 裁判をおこなっていた者達は様々な方法で魔女を見分けていた。 魔女は泣かず、泣く時があったとしても右目からのみで、『男根に似てる』なんて理由で親指を好んでしゃぶる。 空を飛べ、水に浮く。 拷問を受けた後は主の祈りを正しく唱える事が出来ないから、お前は魔女だ。 ——なんてものもあったが、『誰だってそうだろ、死よりも辛い思いをしているのだから』と常々思っていた。 “使い魔”に血を飲ませるために三つ目の乳首があり、性行為をする際は『正常位以外を好む者』だなんていう、馬鹿馬鹿しい判断材料まで存在していたのだから笑える。 大きな帽子をかぶり、黒猫と住んでいて、大きなイボや顎が尖っているなんてものもあったが、実際に裁判で有罪にされた者達は皆、普通の女性達ばかりだった。 魔女達の目の中には毒があって、『相手を見ただけで殺せる』だなんて“設定”もあったが、ソレが本当ならば、裁判官は全て死んだだろうとツッコミたい。『神聖な力で彼らは守られている』だなんだと言い訳をするのだろうが……実にくだらないと今でも思う。 実際にはどれもこれもデタラメで、伝統的な知恵を多く継承していた異端者を体よく排除する為の裁判だった。その美貌のせいで周囲から嫉妬された者や、財産を持つ者からその資産を奪うために魔女として殺された者も混じっていたのだから、“人の欲”とはなんと罪深いのだろうか。 悲惨な裁判が横行していた中。本物の魔女達は上手いこと隠れながら逃れ、不遜な裁判で殺された者などほとんどいない。ボク達インキュバスやサキュバスに呪いをかけた魔女も、難なく生き残ったと聞き知っている。 ボクらに呪いをかけた“鉄の処女”の異名も持つ“魅惑の魔女”の名前は、“ハンナ・アダムス”。 隣の部屋で穏やかに眠る華さんは—— 彼女の……末裔だ。 名前が似ているからとか、その程度の理由でそう思った訳じゃない。コレはちゃんと根拠のある確信だ。 魔女達には血筋によってそれぞれ生まれながらに印がある。ソレは胸や陰部の近くなどの目立たない箇所にあり、パッと見は大きめのホクロか痣くらいにしか見えないので、刺青やタトゥーに厳しいこの国でも生活には支障が無い程度のものだ。なので、『自分は魔女の血統だ』と自覚していない者ならば、きっとソレが“魔女の印”であるということも知

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