บททั้งหมดของ 魔女に呪われた“淫魔”達だけど、愛されたい!: บทที่ 1 - บทที่ 8

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【プロローグ】満月の出逢い

 恋愛物語を描くクリエーターの方々は本当に偉大だ。 どんな不可思議なワンシーンも、あり得ないシチュエーションも、素晴らしい絵柄や演出を駆使し、たった数コマや数十秒で夢の様な出逢いへと書き換えてしまう。『両片思いだった初恋の彼と、十数年ぶりに就職先で偶然の再会』 『ハイスペックなCEOに見初められ、いきなりの溺愛結婚』 『異世界へと飛ばされて、運命の人との愛に溺れながらの冒険譚』『満月を背景にした、窓から来る突然の来訪者——』 善行を積み続けた過去世をすごしてきたとしても、『絶対に』と断言出来るレベルで私には訪れぬシチュエーションだと思っていた。そんな作品に触れるたびに胸が踊り、心がトキメキ、『素敵な恋ね。最高だったわ、ヒロインちゃんおめでとう!』という気持ちが心を満たし、ちょっとの幸せをプレゼントしてくれるのだから。       ◇「やぁ!お姉さん、ボクと結婚して下さい!」 「…………」 綺麗な満月に惹かれ、『ベランダでちょっとお月見でもしながらビールでも』。そんな事を考えながら、Tシャツに短パン姿という軽装のまま私が窓を開けると、見知らぬ少年が逆さまになって浮かびながらそんな事を言ってきた。『いやん、これは夢ね?』などと思うような、お花畑みたいな脳の構造を生憎としていない私の頭に真っ先に浮かんだ言葉は——(なんだ、背景が満月だろうが、窓からの来訪者なんかこんなもんよね……) ——だった。オカシイわ……あり得ないシチュエーションが今私の目の前にあるというのに、何故ときめかないのかしら。 背景には大きな満月。 眼下に広がる、煌めく街の灯り。 宙に浮かぶ少年。 よく見れば可愛い顔をしていて、口の端から見える八重歯は味がある。ちょっと小柄な感じだが、将来有望間違い無しな雰囲気を漂わせていて、恋愛物語のスタート的材料は充分揃っていた。だがしかし、人の部屋のベランダにいきなり現れた時点でソレは、変質者、ストーカー、下着泥棒、強盗の可能性しか浮かばない—— ようは、犯罪者だ。 私は真顔のまま側に置いてあったスマートフォンを手に取り、警察へと電話をかけた。「もしもし?警察で間違い無いですか?はい、えぇ、今ウチの窓から怪しい者が侵入して来ていまして——」 「——はい⁈やめてぇぇ!真っ先に司法とかに頼らないで!まずは話を聞こうとか思ってよ!
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【第1話】「お名前は?」(カシュ・談)

「……で?貴方は何者かしら。ご両親はどこにいるの?家出ならすぐに警察に行きましょう。保護してくれる『神待ち』的なものを私に期待しているなら即そんな甘い考えは捨てることね。未成年者を泊める気など一ミリも無いわ」 椅子に脚を組んで座り、彼女はボクに向かい、すっごく見下した目を向けてくれながらそう言った。 ふわりと緩いウエーブのかかった腰までの黒髪。とても大きな黒曜石のように美しい瞳。夜着かと思われるショートパンツから見えるスラッとした長い脚は白くてとても綺麗で、踏まれたいくらいだ。 そんな彼女の前に、今ボクは、正座をして座っている。彼女の視線だけでもうイッてしまいそうなくらいゾクゾクした高揚感を下腹部に感じながら、ボクは必死にこちらの事を説明し始めた。「えっと、ボクは“カシュ”って言います。生まれてこの方“インキュバス”をやっていまして、今ちょっと“お嫁さん”を探しているんです。それで、帰宅時のお姉さんをまたまた見かけて、とっても綺麗で、強そうで、めちゃくちゃ素敵だったんで『君に決めた!』って押し掛けちゃいました」 自慢の金色をした目を輝かせ、簡潔に説明した。 実はボク、“淫魔”として名高い“インキュバス”なのである。 “夢魔”扱いされることもある、とっても“淫猥”な“下級の悪魔”として生まれ、かれこれ一五〇年ほどになる。もちろん冗談とか『そういう設定だって事にした、痛い子』とかではない。正真正銘の『本物』だ。だからこそ坂の上にあるこのマンションの七階のベランダからお邪魔したわけですし、宙にも浮いていられたんですからね。 だがしかし……ボクの言葉は「——は?何を言ってるの?」と、簡単に一蹴された。 刺々しい瞳と『は?』の言葉がご馳走として感じられる。「えっと、さっき浮かんで見せましたよね?あれ、“魔法”ですよ?」 「違うわ、錯覚よ!」 断言する彼女の瞳が眩しい。ホント、このお姉さん素敵過ぎます。あぁ、もうこれだけで頑張って此処まで押し掛けてよかったなって思える。生まれてからずっと感じている空腹感が、何故か不思議と少しだけ満たされた気がした。 でも同時に困ってもしまう。『……さて、この頑固なお姉さんをどう説得したものか』と。「あ、あの、せめてそちらの名前も教えてもらえませんか?あ、別に名前を聞き出したらボクと契約成立とかそういうのは無いんでご
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【第2話】「好きに触ってくれてもいいんですよ?」・前編(カシュ・談)

 だがしかし、求婚した相手の名前が『華さん』ということがわかり、心が弾む。 綺麗な人に華麗な名前だ……あぁ、このお姉さんホント、ボクのツボです。 小腹でもいいから満たせないかと周囲を徘徊していた時に、偶然見掛けただけだったのだけど、もう一目惚れ最高です。 このまま死んでも……あ、言い過ぎました。 華さんをお嫁さんに貰うまでは、まだ死ねません。 早く喰べたいです。 あの、結婚はまだですか?いつになったベッドに行けるんでしょうか。 ——そう思うと、本気でシュンとしてしまう。「ちょっと触らせなさい」 「はい、喜んで!」 即座に返事をしたはいいが、『え?本当に?触ってくれるという事はもうベッドインですか?』と少し驚いた。心待ちにした瞬間がもうきたのかと、どうしたって心臓がばくんと跳ねる。 あぁ、なんと話の早いお姉さん——もとい、華さんだろうか。 これはもう、ボクと結婚してくれるって事ですね? 黒くて細い尻尾がボクの気持ちと連動し、べちんべちんとラグマットの敷かれた床を叩いてしまう。犬の尻尾みたいに激しく動き、華さんがそれを見てギョッとした。そんな顔も素敵で——(以下略)。「さぁどうぞ!どこからでも。あ、ボクからしますか?しましょうか?しますよ!多分得意です!淫魔のクセに、初めてだけど!」 正座をしたまま両手を広げ、『さぁ!』と瞳を輝かす。 残り少ない魔力を全て瞳に回し、全開で魅了の魔法を華さんに向けた。これでもう淫猥に蕩けない人間は皆無だ。このまま押し倒し、やっとボクは長年探しに探した『お嫁さん』をゲット出来る。(一五〇年間にも及ぶ婚活生活とも、コレでやっとおさらばだ!) そう考えただけで恍惚とした眼差しになり、より“魅了”の効果を上げる。 ちょっとやり過ぎたかな?このままじゃ媚薬を一瓶一気に飲ませてしまったみたいな目に遭わせてしまうけど……まぁ、それはそれで、華さんは気持ちいいだろうからいいかぁ。 ——なんて考えていたのだが、次の瞬間にボクが得たのは、顔面への蹴りだった。「角に、触らせてくれるだけでいいのよ。何を期待しているの?坊や」 ボクの“魅了”が……華さんには微塵も効いていなかった。何でだろう?と、蹴りを喰らったまま首を傾げる。(あぁぁぁぁっ。足裏からもいい匂いがするとか、もう舐めてもいいですか?) 
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【第3話】「好きに触ってくれてもいいんですよ?」・後編(カシュ・談)

 華さんが驚いてくれて、信じてくれている事がとても嬉しくなってきた。怯えるでもなく、ただ淡々と事実を受け入れてくれている事も。だが、「こっちはどうなの?」と言って、華さんがボクの尻尾に手を伸ばしてきたが、それは全力で止めた。「こ、こっちは触るのだけはダメです!」 「……『喜んで』『どこからでも』と言ったのは、嘘だったの?」 近距離で訝しげな顔をされ、また体が震える。きちんとボクの言葉を聞き、覚えてくれていたのは嬉しいし、ちょっと拗ねた感じがどんなに可愛かろうとも流石にそれはマズイ。——が、しかし……一体この人はどこまでボクを刺激したら済むんだろうか。「お見せするだけでは、ダメですか?……コレ、その……ボクらの“性感帯”なので、触れられるとちょっと色々問題が」 「なるほどね!」 即納得してくれてホッとした。『それでも』と言われたら、それこそもう歯止めがきかなくなるので。 だけど、『見せる』というのも、実は少し恥ずかしい。だってコレお尻の上辺りから生えてるんですよ?つまりは、履いてるジーンズをちょっと下げて、お尻の割れ目を見せる事になるんですから。『これはなんていうプレイですか?』状態になるのに、その事に華さんは気が付いているんだろうか? んーでもまぁ、本物のインキュバスである証明はしておきたい。 人外である証拠はより多く見せておいた方が、今後何かと互いの為だろう。 そう思ったボクが華さんの前で膝立ちになり、穿いているジーンズのファスナーに手をかけると、華さんに「何をしてるの貴方は!」と叫ばれた。「尻尾が生えている様をちゃんと見せようかと……」 「……あ、そっか。——ごめんもういいわ!わかったから、脱がないで!貴方じゃ、絵図的にアウトなのよ!」 成る程。今のボクは、どう見ても今は中学生くらいな外見をしているからか、華さんが顔を真っ青に染め、近所迷惑なんのそのなボリュームでそう言った。「貴方じゃなく、カシュです。華さんの“夫”になる者の名前は覚えて下さい」 不貞腐れた声で言い、その場に再び正座する。 そして彼女の顔を見上げると、綺麗な顔の眉間に『海溝よりも深いのでは?』と言いたくなるくらい深いシワが入り、渋い顔をされてしまった。「さっきから、貴方……カシュ、だったわね。カシュは一体何を言っているの?」 「ボクと結婚して下さい、
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【第4話】コレは「心を掴むなら、胃袋からと言いますので」って事かしら・前編(華・談)

 ベッドに入り、真っ暗な天井を見上げてまず一番に私が考えた事は『明日は部屋の片付けね』だった。『……だって、ねぇ』 そう言って、私の部屋を見渡したカシュの顔が頭をよぎる。「失敗したわ。まだ一度も異性を部屋に……いえ、ここに移ってから友人すらも招待した事がなかったから、自分の部屋の異質さを忘れていたわ。いつでも、誰でも招けるように、本は片付けないと」 このマンション、築年数が新しいのはいいが、部屋があまり広くはない。所謂は“お一人様物件”というやつだ。その為、私は居間に本棚を置いている。漫画や小説の類は購入総数が鬼なので電子書籍で済ませているが、仕事関係の書籍や人生に役立つ参考書の類は全て紙の本で買い、それらをずらりと並べていつでも手に取って学んでいたのだが……最近買う類いは、全て、『婚活のススメ』的な物だった事をすっかり失念していた。 とある理由により、私は、物心ついた時からずっと絶賛婚活中の身だ。 婚姻出来る年齢になるまでの期間はひたすら自分磨きに勤しみ、内面と技術向上に邁進してきた。就職後は婚活パーティーに参加するようになり、合コンにだって積極的に顔を出す。 なのに……結婚出来ないまま、今年で私は二十八歳になった。(何故なのかしら?) いくら考えてもわからない。 安定した仕事を持ち、家事は何だって出来る。相手次第では私が養えばいいと考えているので、夫が主夫になっても構わないから、年収に対しての要望だって無い。身長、スタイル、年齢……それらに対してだって、これといって条件は求めていない。ただ一つ、結婚相手に求める事があるとしたらそれは—— 私を最後まで愛してくれる人。 これだけの事なのに、願いが叶わない。 そんな私の元に変な奴が来た。(……なんだありゃ) 本物の“人外”がいきなりベランダから来るとか、しかも『結婚してくれ』とか、もう意味がわからない。「……うん、もう寝ましょう」 ポツリと呟き、布団にもぐる。肌の為にも、ストレス解消の為にも、今は寝るのが一番だわ——       ◇ 閉じた瞼越しでもわかるくらい太陽が眩しい。どうやら朝になったみたいだ。「……——おはようございます、華さん」 幼い声が聞こえ、私はゆっくりと目を開けた。 一人暮らしなのに、子供の声? あぁ……そうだ、昨日変なのがベランダから来て……あら?『
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【第5話】コレは「心を掴むなら、胃袋からと言いますので」って事かしら・後編

「「いただきます」」と二人で手を合わせて、彼が作ってくれた料理に箸をのばす。 「……美味しいわ」 焼き加減や味付けが絶妙で、朝なのに食が進んでしまう。「良かった!お口に合って。やっぱり食の好みが似ているって、一緒に暮らすには大事ですからね。夜通しかけて華さんの持っているレシピ本を頭に叩き込んでおいた甲斐がありましたよ」 夜通し?許可もしていないのに室内へ戻ったうえに、本棚まで漁るとか。 しかも一緒に暮らすとか、勝手な事を言ってるわ、この子。 遠い目になりながら話を聞いていると、また笑顔を向けられた。返事を何もしなかった為、『同意』と判断されてしまったのかもしれない。それはマズイわ、早く出て行ってもらわないと。「カシュと一緒には暮らさないわよ?ここは二部屋あるにはあるけど、どちらも狭いし。何より“人外”とだなんて、どう考えても無理でしょう」 「そ、そんな!ボクとの結婚はどうするんですか?」 ひどい!騙したのか?とでも言い出しそうな、婚約を破棄された時みたいな反応をされた。(オカシイわ……『貴方と結婚する』と言った記憶は皆無なのだけど)「お試しでもいいんです!試しにちょっとボクと結婚してみませんか?夜には自信があります!虜にしてみせますよ!」 「……あのね、結婚は『ちょっと』と気軽な気持ちでする行為では無いのよ?」 「人間は面倒ですね。相手が好きなら、それでいいじゃないですか」 渋い顔をされたが、私はそれでも言葉を続けた。「それに私は、婚前交渉をする気は無いわ。無責任な行為はしたくないの」 「ならより一層ボクと早く結婚しましょう!どうせ婚活同士なのですし、即結婚して、今夜にでも夜伽を——」 興奮気味に言われたので、頭を思いっきり叩いて言葉を中断させた。「貴方は“人外”なのでしょう?なら、絶対に無理よ」 「ボクが“インキュバス”だから、“人外”だから……ダメ、なんですか?」 私の手ごと頭を抱え、カシュが切なそうな顔をする。『は、離しなさい!』と思うが、意外に力が強くてビクともしない。「本当はソレ以前の問題なのだけど……まぁ、その点は後にしましょうか。——あのね、根本的な話をすると、カシュには戸籍が無いからよ」「……こせき?」 何それ?とカシュが首を傾げる。「生まれた人の親子関係や結婚歴なんかを記録しているものよ。国が管理し
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【第6話】呪いの起源(カシュ・談)

  ——遥か遥か昔の話に遡る。 まだボクが生まれる前に起きた事で、仲間から聞いただけの話なので、ボクには詳細などはわからない。ただ何となくこんな感じのやり取りの元、こんな事があったらしいぞ程度に聞いてもらえると嬉しい。       ◇ ヨーロッパ地方を中心に、大規模な魔女狩りが起きた十六世紀付近よりも少し前の事。 “占い”や“薬”に詳しかったり、“お婆ちゃんの知恵袋”的な立ち位置にある魔女達に混じり、ファンタジーに出てくるような魔力を持った“魔女”がまだ少しだけ生き残っていた。 彼女達の多くは美貌に恵まれ、ボク達のような“インキュバス”や“サキュバス”達の心までも虜にしてしまう事があったそうだ。 そんな魔女達の中に一人。他を圧倒する程に美しく、桁外れの魔力を有した娘がいた。 当然の如く彼女の周囲には悪魔達が数多く群がり、彼女を誘惑し、手篭めにしようと悪戦苦闘する日々が続きに続き—— ある日、突然娘がキレた。『毎日毎日貴方達はウザいです。邪魔でしかありません。貞操観念の無い存在はハッキリ言ってゴミ以下なので、もう根底からやり直しなさい!』 美しき悪魔達の誘惑に微塵もなびかず、『鉄の処女』の異名で勝手に呼ばれていた娘は、見せしめに一番対応の面倒だったインキュバスとサキュバス達へ永遠に消えない呪いをかけた。『アナタ達は金輪際、一切の淫猥な行動を慎みなさい!コレだと思える相手を探し出し、生涯を添い遂げる種族として生まれ変わるのです!』 娘の持つ魔力をフル動員させたその“呪い”は一族全体にかかり、当時はまだ生まれていなかった者までも対象にしている、かなり厄介なものだった。 インキュバスやサキュバスを根底から全て否定し、存在意義すら奪うような呪いをかけられ、彼等は一様に、他者を好き放題に誘惑する能力を失った。 ちょっとだけ魅了の魔法を使えても、夜伽を完全に強制出来る程の強力なモノを使えない。せいぜい、強力な媚薬を盛った程度のものとなってしまった。 しかも、心から愛おしく想える『たった一人の相手』としか性行為を営めなくなった為、精気を得る手段がほぼ無くなり、ボク達には常に飢えが付き纏う。魔力燃費の悪い体にまでされてしまったせいで、何をしても満たされない。 人の見る淫猥な夢を食べてかろうじて飢えを凌ぎ、誤魔化しな
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【第7話】掃除の後に(カシュ・談)

 『掃除を手伝って』と言った言葉通り、華さんは一日中部屋の掃除をして、土曜日を終えた。 居間の本棚の中にそれなりにあった婚活系の本は全てベッドの下にある隙間に片付け、並ぶのは“料理のレシピ本”や“片付けの秘訣”といった、当たり障りの無い内容となっている。(ボクのせい……ですよね。指摘しちゃいましたもんね、視線だけでは、あったけど) 確かにあのままの部屋では、“誰か”が来る機会があったら『結婚を意識しまくっています』と一目瞭然だったので、片付けるいい機会だったのかもしれない。相手次第では引いてしまい、交際関係に発展するチャンスすら失うだろう。 ボクとしてはその方が有難いんですが、そこはぐっと我慢します。押してダメなら引いてみよ。それでもダメなら……また押してみます。「これで完了ですか?」 元々綺麗に片付いていた部屋だったが、表に出ている物が減って、室内が更にスッキリした。物が減った分、圧迫感も無いし、アクセントにと飾った花も華やかでとても綺麗だ。「えぇ、ありがとう。手伝ってもらえたおかげで捗ったわ」 端正な顔で優しく微笑まれ、あぁホント好き!と強く思う。一目惚れしたボクの目に狂いはありませんでした。側に寄るだけでゾクゾクするし、ちょっと感じる危険な香りがまた堪りません。(一口喰べてもいいですか?その頰とかキスしたら、きっと甘いんでしょうねぇ……) 気が付いたら涎が口の端から垂れていて、華さんから頭を叩かれた。痛いけど、これもプレイだと思えば、不思議とちょっとだけ空腹が満たされるのだから、華さんの側からは離れる気にはなれない。「お昼ご飯も作ってくれてありがとう、本当に助かったわ」 「ボクじゃ出来ない作業も多かったんで、あのくらいお安いご用ですよ」 そう言ってボクが笑顔で返すと、華さんがまた微笑んでくれた。「夜は私が何かご馳走するわね」 「いいんですか?嬉しいです、手料理食べてみたいです!」 「じゃあ、まずはお風呂にでも入りましょうか。掃除で汚れてしまったものね」(……お、お風呂に、ですか?) 
last updateปรับปรุงล่าสุด : 2026-07-23
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