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初戦開始、火花と雷鳴

Author: 吟色
last update Petsa ng paglalathala: 2025-08-10 08:53:10

──朝、学院の空気はいつもと違っていた。

廊下を歩けば、早朝にも関わらず生徒たちの足音と声が交錯している。

「作戦はこれで行くぞ」

「いや、相手の防御式はもっと厄介だ」

そんなやり取りがあちこちから聞こえてくる。

今日は魔導選抜戦、初戦の日だ。

食堂も普段のざわめきとは別物だった。

長テーブルのあちこちで、同じチーム同士が集まり、パンやスープを前にしながらも話題は戦い一色だ。

クロは人混みを抜けて、端の席に腰を下ろす。

ブレイサーを左腕から外し、演算式の流路を指でなぞって確認する。

《出力安定、残稼働時間は前回計測より一割増》

ゼロの冷静な報告が、頭の奥に響いた。

「悪くないな」

小声で呟くと、向かいの席にサクラが座った。

「昨日の風……効いた?」

クロはわずかに笑い、「おかげでぐっすりだ」と答える。

サクラは嬉しそうに頷き、それ以上は何も言わなかった。

通路の方から聞き慣れた声が響く。

「おいクロ! お前、顔色いいじゃねぇか」

カイが片手にパンを持ったまま近づいてくる。

「当たり前だろ」

ミナもその後ろから現れ、半眼でカイを睨む。

「……あんたは落ち着きなさい。朝からうるさい」

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