その目標について、海咲はこれまで真剣に考えたことがなかった。瑛恵はきっと初心を持ってこの記者の仕事に飛び込んできたのだろう。記者として名を上げたい、誰かに誇れる仕事がしたいという強い気持ちがあった。けれど海咲は違った。きっかけはただの興味で、世の中の人々の声を伝えたかった。どれほどの成果を上げたいか、それは特にこだわっていなかった。瑛恵の純粋な眼差しを見て、海咲はふと微笑んだ。「今のところ、特に目標はないかな。あなたとは違うのよ」「うん、やっぱり私とは違うよね。だって、もともとすごいじゃん。葉野州平の秘書でしょ?あれって葉野グループの第三の権力者って呼ばれてたって聞いたことあるし、
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