「胤道の辛い気持ちは分かってる。朔真はあなたの子であり、私の子でもある。私が手塩にかけて育ててきた子だもの、あの子が行方不明になって、私もとても悲しいの。 でも、人は前を向いて歩いていかなきゃ。万が一、朔真が戻ってこなかったら……この先、私たちに後継ぎが一人もいなくなってもいいの?」 胤道の顔は冷たかった。「香澄、そういう冗談は二度と言うな。朔真は必ず戻ってくる」 香澄は歯を食いしばり、言い方を変えた。「もちろん、あの子が戻ってくることは分かってるわ。私が言いたいのは、朔真に弟や妹を作ってあげるのも、悪いことじゃないでしょう、ってことよ。 それに胤道、私、本当に自分の子供が欲しくなったの。私が自分勝手だとか、前と言ってることが違うと責められても構わないわ。でも、どうか私の願いを叶えて。これ以上年を重ねてしまったら、望んでも叶わなくなるかもしれないから」 香澄は彼の前にしゃがみ込み、その美しい顔に期待をにじませた。 胤道は彼女の顔を見つめ、また少し頭が痛み始めた。 彼は青ざめた顔で額を押さえた。「いや、自分勝手なのは、俺の方だ。 俺と一緒にいるせいで、お前には苦労ばかりかけてきた。お前から、母親になる権利まで奪うわけにはいかない」 香澄の目が輝いた。「じゃあ、胤道……それはつまり?」 「ああ。治せるように努力する。お前が子供を望むなら、俺たち自身の子供を持とう」 …… 病院からDNA鑑定の結果が届いたという知らせを受け、静華は一晩中眠れなかった。 翌朝、急いで病院へ結果を受け取りに行った。 鑑定結果を手に戻ってくると、蒼真が尋ねた。「結果はどうだった?」 静華は青ざめた顔で首を振った。「彼じゃなかったわ」 それは蒼真の予想通りでもあった。彼は静華の背中を軽く叩いて慰めた。 「大丈夫さ。あの子がこの街にいるなら、必ず見つけ出せる。たとえ葉が君の子供じゃなくても、僕たちは彼を本当の子供のように大切に育てていけるだろう?」 静華は疲れたように目を閉じた。「でも……葉には家族がいるはずよ。警察に調べてもらっても、なぜか彼の捜索願は出されていなかったけれど、いつか彼は自分の家に帰らなければならない。なのに私の子供は……野崎がどこに隠しているのかさえ、分からないなんて」 「あい
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