智哉は口元に笑みを浮かべながら、スマホに映る赤面必至の映像を見つめていた。その喉から漏れる声は、まるで魔法の呪文のように佳奈をその場に釘付けにした。息をするのも忘れるほどだった。耳元には、動画の中の男女の艶めかしい吐息が響いていた。佳奈はまるで火にかけられたような気分になり、肌が熱を帯びて火照っていく。その綺麗な杏色の瞳には、あどけない色香が浮かび、それを見た者は思わず心を奪われてしまう。彼女は真っ赤な唇をぎゅっと噛みしめながら、しどろもどろに口を開いた。「わ、私、間違えて再生しちゃったの……そんなものだって知ってたら、絶対に見なかったよ。ねえ、信じて……旦那様」その甘くてか細い声には、ほんの少しの懇願が混ざっていて、それが智哉の喉を激しく震わせた。彼は佳奈の耳元に顔を近づけ、低くかすれた声で囁いた。「嫁さん……どんな体位がいいか、いちいち動画で勉強しなくても、子ども産んでからなら、何でも付き合ってやるよ」「ちがっ、ちがうの、そんなつもりじゃ……言ってるじゃん、間違えて開いちゃっただけなのに、なんで信じてくれないの?」佳奈は少し涙ぐんでいた。初めてこっそりエッチな動画を見ようとしたら、まさかの旦那に見つかるなんて、社会的に死ぬレベルの羞恥だった。潤んだ瞳を細かく震わせながら、悲しそうに智哉を見上げた。智哉はそんな佳奈の顎をそっとつかむと、微笑みながら唇に軽くキスを落とした。「わかった、信じる。でももう見るなよ。欲しいなら、全部俺がしてやるから」佳奈はあわてて彼の口を手でふさいだ。「もう、やめてってば……」「はいはい、わかったよ。じゃあ、真面目な話。君に用意したウェディングドレス、さっき届いたんだ。あとで一緒に見に行こう」夢にまで見たウェディングドレスの話に、さっきまでの恥ずかしさは一瞬で吹き飛んだ。佳奈は大きくうなずきながら、目を輝かせた。「うん、行きたい!でも……今太っちゃって、入らなかったらどうしよう……」その様子に智哉はくすりと笑いながら、彼女のすべすべの頬をつまんだ。「サイズ合わなきゃ直せばいいだけだ。式は来月だし、十分間に合う」大好きな人と結婚する日がもうすぐ来る――そう思うと、佳奈の顔全体が幸せの色に染まっていく。彼女は智哉の首に両腕を回し、背伸びして彼の顎に
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