-109 兄の新居へ- 大好評の七夕イベントが終わり、色とりどりの短冊が笹に飾り付けられ風に揺れる様子を見ながら好美は結愛に質問した。好美「ありがとう、助かったよ。そう言えば何かあったんじゃないの?」結愛「そうだ、忘れてたよ。今ってさ、マンションに空き部屋って無いか?」 好美は不動産屋に電話し、即座にマンションの空き部屋状況を確認した。まだ数か所空きがあるらしい。好美「確かまだ余裕があるみたい。」結愛「お前、自分で把握しとけよ。一応大家だろ。」好美「こういうの初めてだからプロにお任せしてんのよ、これ掴ましたら何とかなった。」結愛「案外ずるいやつだな。」 片手で「お金」のサインを出しながらニコニコする目の前の大家を見た大企業の代表取締役社長は笑顔の好美に対しジト目を使った。好美「それで?部屋は空いてるよ。どうした?」結愛「実はな、俺の兄貴を住まわせてくれねぇか。家でもシスコン発揮されるとあれだからよ、勿論家賃は払うからな。」好美「別に良いよ、不動産屋さんに言っておくね。でも毎日バスでバルファイ王国の本社まで通うって訳?」 結愛は腕を組んで熟考していた、正直羨ましい話だが貝塚財閥本社はどこの部署も人が足りてしまっている(※異世界にある支社なのだが帰り方が分からないのですっかり皆本社と呼んでしまっている)。結愛「いや、あいつにはダンラルタ王国にある施設での仕事を任そうと思ってんだ。あんなんでも一応「貝塚」だからな、ただ異世界(こっち)に来てすぐにはまだ無理そうだろ?だからここで体を慣らしてからにしようと思ってな、勿論店の従業員(というかバイト)としてこき使ってくれても良いぜ。」 貝塚財閥の寮として貸し出している下層階でも良いと提案したが、結愛が空き部屋状況を既に確認しており、既に全部屋満室となっていたらしい。店舗部分の店長2人に連絡すると、各々1人はバイトが欲しいと返答していた。好美「バイトもすぐに入れると思うよ、本人呼んじゃえば?」結愛「ちょっと待ってくれな、(念話)羽田さん・・・、兄・・・、は目覚めましたか?」 何時でも海斗を呼び出せるようにと保健室に黒服長の羽田をつかせていたのだが・・・。羽田(念話)「しゃ・・・、社長!!申し訳ございません。今お手洗いに行ってまして、すぐに戻りますので!!」 嘘だ、なかなか海斗が目覚めないの
Terakhir Diperbarui : 2025-07-21 Baca selengkapnya