-119 2名の協力者- 先程まで辺りを照らしていた夕日が完全に沈み、国中を夜の暗闇が包んでいる午後7:00の事だった。鳥獣人族であるレイブンのプニ警部は空から車のテールランプを追いかけていた、真っ黒の制服により本人の姿は夜に完全に溶け込んでいる。 犯人グループに気付かれぬ様に可能な限り翼の音を殺して飛ぶようにしていた、車が向かう先にいるかと思われる犯人グループの親玉を逮捕する為だ。プニ「チッ・・・、意外と速いぜ・・・。」 本人にとっての最高速度とも言える速さで必死に追いかけているが、車はレースコースの1部となっている山道のコーナーをドリフトで攻めながら進んでいるので思った以上に速い。 車は王宮や警察署、そして採掘場からどんどん離れていく。車の向かう方向を察した警部は電話をこっそり取り出し、電話を掛けた。プニ「もしもし・・・、今大丈夫か?」 電話の相手はプニの言葉に快く了承し、プニは少しほくそ笑んだ。 ほぼ同刻、山道の途中の広場で「暴徒の鱗」の屋台を展開していた渚は次の場所へと移るために片づけを始めていた。渚「よっこいしょっと、これで荷物は全部だね。」 渚が軽バンに乗り込もうとした瞬間、覆面をした数人の怪しい者たちと大きな麻袋を乗せた車が猛スピードで通り過ぎた。渚「あんな車で攻めるなんて危ないね、私ぐらいじゃないと追いつかないんじゃないかい?」 密かに顔をにやけつかせる渚のほぼ真上の上空では常連客であるプニ警部が必死に、そして気付かれない様にその車を追いかけている。 渚は咄嗟にプニに『念話』を『付与』して話しかけた。渚(念話)「警部さんじゃないか、険しい顔してどうしたい?」プニ(念話)「何だこれは、これが噂の『念話』ってやつか?こんな時に誰だよ・・・、渚さんか!!あいつら重罪人で今追っかけてんだよ、また今度店行くわな!!」渚(念話)「待ちな、そんな事ならあたしに任せんかい。」プニ(念話)「そんな軽バンでどうすんだよ・・・。」 渚は『アイテムボックス』からかなりいじってすっかり見た目が変わり果ててしまったエボⅢを取り出し、エンジンをふかし始めた。そう、「赤鬼」の復活だ。プニ(念話)「嘘だろ、かっけぇ・・・。」渚(念話)「ちょっとここに屋台置いとくよ。あたいがこれで追いかけてやるから、あんたは別方向からこっそり追いな!!」 そ
Last Updated : 2025-07-28 Read more