All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 281 - Chapter 290

312 Chapters

4. 「異世界ほのぼの日記2」99

-99 回想- 光が娘であるハーフ・ヴァンパイアにその場から離れる様に促したが、目の前の恋愛話にすっかり食らいついてしまっているガルナスはその場にへばり付く様に立っていた。光「仕方ないね、まぁ、良いかな。さてと守君、酒の肴にご両人の馴れ初め話をお聞かせ願おうかね。」守「光姉ちゃん・・・、そんな事別に良いだろ。」光「おっと・・・、私に逆らうんだ。」守「げっ!!」 椅子から守を無理矢理引きずりおろした光は、昔遊んだ頃の様にまた「プロレスごっこ」を始めた。守は相変わらずまんざらでもない様子だ。目の前でよりを戻したばかりの恋人が嫉妬している。好美「何それ、守どういう事?!」光「好美ちゃんもどうだい、私が許す。」 すると好美も加わってより強力なプロレス技が掛かりだした、流石の守でもニヤついている場合では無いらしい。守「ギブギブギブ!!分かったよ!!」光「「分かったよ」?何それ、「分かりました」でしょ!!」守「分かりました、分かりました。言います、話します!!」光「もう・・・、最初からそう言いなさいよ。」 守は新しく開けた缶ビールを煽るとそれを片手にゆっくりと語りだした。 時代は守と好美がまだ学生だった頃に遡る、2人は同じ大学だったが学科どころか学部が違っていた。ただ週に1度、金曜日に学部学科関係なく授業を受ける「共通教養」の授業があったので様々な学生が1つの教室に相まみえる事があった。 当時全くもって面識の無く、異なる都道府県出身だった2人。各々女の子同士と野郎だらけの友人グループに所属しのほほんとした毎日を受けていたのだが偶然ながら同じゼミを受けていた、教室の通路は階段状になっており守は好美の数段下に座っていた。各々の友人グループ同士で集まっていた2人は両人共に端の席に座っていた。 大学に入学する以前からつなぎ姿の好美はドジっ子であった、この日もドジを踏んだ好美は手を滑らせボールペンをデニム姿の守の座る席の真横に落としてしまった。 それだけだったら別に良かった、ただその時守も偶然手を滑らせボールペンを落としてしまっていた。 別にこの事にも問題はなかった、ただ2人が落としたボールペンが同じ種類で知らぬ間に互いの筆記用具を誤って持って帰ってしまった事にあった。 2人がいつもと違うボールペンを持って帰ってしまった事が発覚したのは先ず守の自
last updateLast Updated : 2025-07-14
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4. 「異世界ほのぼの日記2」100

-100 番外編・学生時代と離別のきっかけ- 守と好美が互いに気付かぬ内に両想いになっていた事が発覚した「あの日」から2人の学生生活は充実した物へとなっていった、2人を中心とした交友関係も広がり呑み会やゼミなどの現場で互いの友人を紹介する事も多くなり人間関係もより良い物へとなっていった。 互いに違う都道府県からの入学者と言っても県外から来たのは好美だけで、守にとったら地元の大学であった。それが故に好美は1人暮らしで守は実家暮らしだったので互いの家へちょこちょこ出向く事もあったから守の母親である真希子も2人の事を認めていた、ただ真希子と好美が会ったのは1~2回あったか無かったかだったが。 どうしてかと言うと色々と気まずくならない様、家で会う時は大体好美の自宅で過ごす事にしていたからだ。流石に恋人同士だと色々とあるだろう、その「色々」を好美の自宅で行う事で守の家では「賢者」として比較的平和に過ごす様にしていた。 恋人同士になってからも学内外で一緒に昼食を摂るという習慣は変わらず行われていた、2人きりで摂る事も多かったが友人をも交えて摂る事も少なからずあったので自他共に認めるカップルとなっていた。 2人が出逢ったのは双方が大学1年生の頃だったがそれから3年生になるまでは順風満帆な学生生活を過ごしていた、周りから見ても本当に楽しそうな様子であった。 そんなある日、好美の自宅でぼそっと呟いた。守(当時)「本当に幸せだ、好美ありがとな。」好美(当時)「何言ってんの、改まって。」 近所のコンビニで買ったペペロンチーノと明太子マヨネーズパスタを食べながら微笑ましく会話する、2人は大蒜の匂いなど全くもって気にならない程の関係になっていた。 その証拠としてと言えばおかしいかも知れないが、ペペロンチーノを食べていたのは守ではなく好美であった。 大蒜の匂いが部屋中に充満する超大盛りのパスタ、具材はシンプルに大きなソーセージが2本のみ。かなりオイリーなこのペペロンチーノは1皿で半日分のカロリーを有していた。守(当時)「よく食うよな、俺でも抵抗するのに。」好美(当時)「大好きなんだもん、守程じゃないけどね。」守(当時)「馬鹿、比べるものがおかしいだろ。」 さり気なくお惚気なセリフを吐く好美に顔を赤らめる守、2人は本当に仲が良いらしい。 好美はパスタをフォークに
last updateLast Updated : 2025-07-14
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4. 「異世界ほのぼの日記2」101

-101 ダルラン家の新たな家族?- 守と好美の馴れ初め話を肴にする呑み会が始まってから小1時間程経過したが、呑み干したビールの空き缶は積まれていない。現時点で3人は500ml缶を合計15本程呑み干しているはずなのだが。好美「え?私達そんなに呑んでる?」 呑んでんじゃんって・・・、って聞こえてんのかよ!!好美「聞こえてるし、さっきからうるさいっての。」光「あの好美ちゃん、誰と話してんの?」好美「え?聞こえてないんですか?ほら、男の人の声が。守?」光「いや、守君はさっきから無言で呑んでるよ。」好美「あ、本当だ。」 ふぅ・・・、びっくりした。まぁ何があっても驚くまい、これ一応コメディ小説だからな。 さてと、気を取り直して。 好美には先程から気になる事があった、3人が呑み干した後の空き缶の行方だ。全て光が回収しているみたいだが、ゴミ袋らしきものはどこにもない。 そんな中、光がぽろっと一言こぼした。光「この『メイクスライム』って良いよね、ゴミを食べてくれるし洗い物も楽になるし。スライムだから文句言わないし。」 確かに以前メラが「暴徒の鱗」で出したスライムには目も口も無く、ただひたすらに汚れやごみを捕食していた。その光景を目の当たりにした光は『メイクスライム』をこっそり『作成』していた。 空いた缶やつまみの袋を次々と放り込まれたスライムはただひたすらに捕食していた、それから呑み続ける事約20分が経過した時どこからか片言な声が。声「ホカニナインケ?」光「へ?好美ちゃん何か言った?」好美「私じゃないですよ、それにしてもやたら片言ですね?」声「ホカニナインケ、ゴミアキタッチャ!!」光「ゴミ?まさか・・・。」 光が後ろを振り向くと自らが『メイクスライム』で出したスライムがサングラスとモヒカン姿になっている、どうやら光の魔力が強大すぎたからか意志を持ちゴミばかり捕食させていた為グレてしまったらしい。ただ何故関西弁?スライム「せやせや、この前から言おうと思うたけどな、わいらスライムも生き物やねんぞ!!ゴミばっかりでのうてちゃんとした物食わさんかい!!」光「うるさい。」 すると「ボンッ」という音と共にスライムが消えて行った、多分これからは「うるさい」がスライムを消す合言葉になりそうだ。好美「取り敢えずゴミ袋持ってきますね、ちゃんと空き缶集
last updateLast Updated : 2025-07-20
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4. 「異世界ほのぼの日記2」102

-102 子供達の為- スライムの口調から人化した時は完全に野郎なんだろうなと思っていた好美は、意外と可愛い女の子になったから自分の勘を疑い出した。光「そう言えばあんた名前は・・・、ないのね?」 人化してからずっと缶ビールに夢中になっているスライムのステータス画面をさり気なく確認した光、作り出してからそんなに経ってないはずなのに年齢が既に「25歳」だと表示されていた。スライム「そうなんです、名前を頂戴出来まへんか?」 関西弁なのは相変わらずだが、時間が経つにつれどんどん口調が流暢になっていった。光「プルプルなスライムだから・・・、プルで良くない?」 あまりにも適当過ぎないだろうかと少し引いている好美、その好美をよそにどんどん話を進めていく光達。プル「おおきに、おおきに!!」 関西弁をいつの間に、そしてどこで覚えたのだろうか。 そんな中、好美が「コノミーマート」の経営を任せているウィッチのイェットから好美に念話が、どうやら深刻な相談みたいだ。好美(念話)「ん?どうした?」イェット(念話)「今朝ね、いつも通り孤児院から発注書が来たんだけどね。」 弁当の注文書をいつも通り受け取ったイェット、いつもは部下のプリーストが持って来るのだが今日は珍しくアーク・ビショップのメイスが自ら持って来ていた。孤児院の職員や一部の子供達にはチキン南蛮弁当が人気で発注数が跳ね上がっている、ただ今回はかなりの訳ありらしい。イェット(念話)「アーク・ビショップから相談を受けたんだよ、最近ずっと暑い日が続いているだろ?その所為で子供達の食欲が全く出ないんだってさ、何か良いアイデア無いかね。」 確かに日本の平均的な夏日より気温が上昇してしまっているネフェテルサ王国、実は好美達もそろそろ食べたくなっていた物があった。ただ用意にかなりの時間と労力が必要らしく・・・。 翌日、一先ずある物を手に入れようと農家をしているガイの下に相談しに行った。ガイ「それだとここよりはダンラルタ王国の方が手に入りやすいと思うよ。」光「そうですか、ちょっと聞いてみます。」 光はスマホを取り出し、ある女性へと電話をかけた。女性(電話)「ああ・・・、それなら叔父さんが沢山持ってるはずだよ。聞いてみようか。」光「助かる、流石はキェルダね。相談して正解だったわ。」 そう電話の相手はダンラルタ
last updateLast Updated : 2025-07-20
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4. 「異世界ほのぼの日記2」103

-103 楽しく準備する- パン屋での勤務中にも関わらず店先で鋸を振るう光、これ程パン屋の制服が似合わない光景は今まであっただろうか。ラリーには「アーク・ビショップの相談を受けてやっている事だ」とはっきりと伝えてある、それが故に店長はこの状況を認めざるを得なかった。それどころか店で閑古鳥が鳴いているので一緒に手伝ってもいる、光はよっぽど暇になってしまったんだなと痛感させられた。 ダンラルタ国王から受け取った竹を半分に割って中の節目の部分を割り、中をやすりで滑らかにしていく。そして最後に丸い穴をぽっかりと開けて、それを数本作っていく。光「ちょっとあんた、さっきまで「例の物」って言ってたのに何急に「竹」って言ってんのよ。」 すいません、聞こえてたんですね。この件2回目だな、ちゃんとマイクのスイッチ切っておかないと・・・、よし。光「あれ?何だったんだろう。」キェルダ「あんた何独り言いってんのさ、それより早く作業をしないと。」ラリー「この細い竹はどうするんだ?一緒の様に割るのか?」 実は太めの物と細めの物を各々数本ずつ用意してもらっていた、流石にこれで何をしようとしているのかがご想像頂けるだろう。光「細い物は支柱にするので、表面をやすりで綺麗にしておくだけで大丈夫です。」 さて一方、光に頼まれてガイの小麦畑へと向かった好美と守。ガイの麦畑は賑やかな街中とは違って静かでただただ収穫前の小麦が風で揺れていた、麦畑の向こうから持ち主のガイが大きく手を振っている。ガイ「おーい、こっちだよ。光ちゃんが話していた守君と好美ちゃんだね?おいで!!」 2人は呼ばれた方向へと向かうと軽トラが2台止まっていた、結構ガッツリと収穫するらしい。ただ用意されているのは農機具ではなく鎌、まさかと思ったのだが・・・。好美「手作業なんですか・・・?」ガイ「そりゃそうさ、うちは完全無農薬と丁寧な手作業に拘っているからね。ほら、見てみな。守君と子供達はやる気だよ。」守「よし、美味い小麦粉作るぞー。」子供達「おー!!」 メイスにより「食育」を兼ねて孤児院から派遣された子供達が手伝いに来ていた、皆やる気になっている。守に至っては両手に鎌を持っている、どれだけ食欲が溢れているのだろうか。ガイ「おいおい、やる気になっているのは良いけど怪我だけは勘弁してくれよ。」守・子供達「はー
last updateLast Updated : 2025-07-20
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4. 「異世界ほのぼの日記2」104

-104 イベントの傍らで- 孤児院の子供達が飽きない様にと変わった物も含め味変を色々と用意していた好美、一般的な山葵や生姜は勿論、辣油にごまだれ、まさかの明太子マヨネーズまで用意している。明太子マヨネーズに至っては麺をくぐらせやすい様に、そして子供達が食べやすい様にとマヨネーズを多めにしておいた。冷やしたうどんにも合うからと大根おろしや揚げ玉、葱まで用意してある。ここはセルフうどんの店なのだろうか。 加工した竹を徹底的に綺麗に保ち、毎日表面を消毒液等で除菌し続けた上で魔法で出した綺麗な水により安心した状態で流しそうめんは行われた。 好美の味変のお陰もあって心からイベントを楽しむ子供達、よほど人気なのか思った以上に減りが速い。好美は急ぎ調理場に戻り味変の追加を作りを行った。ただこのイベントで1番懸念される2つの問題をどうするかが課題だった、簡単に解決したが。好美「素麺足りるかな・・・、店から持って来て追加すればいいか。子供達が飽きない様に茹でて氷水で絞めた拉麺も用意しておこう、店の宣伝にもなるしね。」 好美はスマホを取り出し、この日店を回している副店長のデルアに電話した。好美「ごめんねデルア、無理言って。」デルア(電話)「大丈夫さ、今ちょっと店が落ち着いているからすぐに持って行くね。」 電話を切ると同時に麺を茹で始めたデルア、何故か楽しそうに笑みを浮かべている。茹ですぎると持って行った時に伸びてしまうので硬めに仕上げ氷水で絞め、水気を切って孤児院のある教会へと自ら走った。ビルが近くで本当に助かった。好美「早かったね、ありがとう。皆さん、変わり種で流し拉麵なんていかがでしょうか?」デルア「俺、流して良い?昔からやってみたかったんだ。」 そう言うと元黒竜将軍(ブラック・ドラグーン)は素麺を流している守の下へと向かった、少し疲れていたオーナーの彼氏は快く場所を譲った。守「どうぞ、結構楽しいですよ。」デルア「やっぱりですか、来れて嬉しいですよ。皆、流すよ。」子供達「はーい。」好美「もう、張り切っちゃって子供みたい。」 恋人の方へと向かった守は、好美から貰った冷えた麦茶を一気に飲み干した。守「あの人楽しそうだね、好美の知り合い?」 守は好美がこの世界で何をしているのかまだ知らなかった。好美「あの人は私の部下なの、私こっちの世界で拉麵屋
last updateLast Updated : 2025-07-20
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4. 「異世界ほのぼの日記2」105

-105 言っちゃった・・・。- 孤児院の子供の一人が昼呑みしているメイスや光に気付き職員のプリーストに状況を大声で報告した、よくある「チクり」だ。子供「せーんせーい、メイス先生とお姉ちゃんたちがお酒呑んでるー。」プリースト「えっ?そんな訳・・・、アーク・ビショップ!!子供達の前で昼間から何しているんですか!!」メイス「良いじゃないの、明太子と明太マヨ胡瓜があるんだから呑まない訳には行かないじゃない。」プリースト「光さんも好美さんまで・・・、仕方ないな。」 ほぼ諦めムードのプリーストは子供達の世話役に戻った、デルアと守が交互に麺を入れているので黄色と白の2種類で飽きが来ない様になっていた。 気を利かせたデルアが「暴徒の鱗」門外不出の醬油ダレを使ったつけ麺のつゆも持って来ていたから味変に困らない、ただ好美やイャンダにバレたらまずいのではなかろうか。子供「おじさーん、これ冷え冷えで美味しいね。」デルア「おじ・・・、まぁいいか。気に入ったか?」 実年齢287歳(人間で言う28歳)の副店長にはまだ「おじさん」には抵抗があるらしい、顔をヒクヒクさせながらも子供が相手なので許容した。 流石に辛くしてしまうと子供達が食べれないだろうと、店で出す時と違って辣油の代わりにごま油を加えておいたのが功を奏したのか、思った以上にデルアのつゆは好評だった。 好美はスマホの振動に気付いたので出てみた、デルアが一向に帰って来ないので何か知らないかとの連絡だった。客足が増えだして店が回らなくなっている、それは流石にまずい。 楽しそうにしているので本人には悪いが店に『転送』し、仕事に戻らせた。後は守が何とかしてくれるだろうと期待し、好美は目の前の酒と肴に戻ろうとした。好美「あの・・・、開けたばかりの缶ビールが既に空になっているんですが。」メイス「はい?何の事ですか?」 犯人はメイスだったらしい、一瞬にして好美の缶ビールを空にした本人は胡瓜片手に知らないふりをしている。 よく見てみれば明太子も無くなっている、好美はお楽しみが無くなり泣きかけていた。 まずいと思った光が改めて『作成』した明太子と缶ビールを差し出した、好美はぐずりながらも受け取った缶ビールを一気に煽った。光「こんな事で泣かないの、あんた一応マンションの地主なんだから。」守「え?好美は拉麵屋のオーナ
last updateLast Updated : 2025-07-20
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4. 「異世界ほのぼの日記2」106

-106 社長襲来- 好美は素麺と中華麺を流す役割を終えた守を自ら所有する15階建てのビルに招待する事にした、1階が店舗になっている事しか知らない彼氏からすれば未知の領域だった。 改めてビルを下から見上げた守は開いた口が塞がらなかった様で、好美からすれば日常なのだがきっとこれが普通のリアクションなんだろうと改めて感じた。守「ここ・・・、お前の物なのか?!」好美「うん・・・、一応マンションの大家と店のオーナーしてんの。」 好美が自らも夜勤の仕事をしていると聞いていたのでかなりの年収を稼いでいるんだろうなと体を震わせる守、異世界に来てから驚く事ばかりだ。 下層数階部分を寮として貝塚財閥に貸している事も白状すると・・・。守「お前・・・、結愛とも契約しているのか?」好美「ちょっと・・・、色々あって・・・。」 2人がビルの前で長々とした会話を交わしていると、先程の孤児院から職員のプリーストが弁当の注文書を手にやってきた。本人が言うにはメイスはすっかり酔い潰れて寝てしまっているらしい。プリースト「先程はありがとうございました、子供達も楽しそうにしていたのでイベントは成功ですね。こちら、いつもより多いのですが大丈夫でしょうか?」好美「大丈夫ですよ、むしろ大歓迎です。」守「孤児院とも契約しているのかよ・・・。」好美「孤児院も貝塚財閥所有だからね、結愛さんにいい印象を持ってもらわないと。」 注文書を見ると1番人気の「チキン南蛮弁当」がいつもの倍以上の数量を書かれているので改めてプリーストに確認した。好美「これ、本当なんですか?いくら何でも数を書き間違えてませんかね?」プリースト「本当ですよ、明日貝塚財閥本社から視察の方々が来るのでそれで振舞う分ですよ。」 好美は即座に結愛へと『念話』を飛ばした、貝塚財閥の事なら社長に聞くのが手っ取り早いからだ。好美(念話)「結愛、明日こっち来んの?」結愛(念話)「ああ、孤児院の視察も兼ねて子供達と遊ぼうと思ってよ。何かあったか?」好美(念話)「やたらと弁当の発注数が多いけどそんなに大人数で来るの?」結愛(念話)「多くの社員が自分も行きたいって群がっちまってよ、それでも結構数削ったんだぜ。」好美(念話)「そっか、じゃあ店長に言って発注しておくね。」 『念話』を終わらそうとした好美を焦った様に結愛が引き止め
last updateLast Updated : 2025-07-21
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4. 「異世界ほのぼの日記2」107

-107 織姫(?)が呼び寄せた彦星(?)・・・、じゃねぇよ!!- 満更でもない守に対し、悪ノリした結愛の攻撃は続いていた。どうやら光から守に対する「プロレスごっこ」について教授を受けていたらしい、現役社長の技は思った以上に強力だったそうだ。 ただ守は色んな意味でそろそろ限界な様で・・・。守「ギブギブギブ、勘弁してくれ!!」 社長の腕を数回タップする守、タップの回数が増えるにつれて何故か力が強まっていく、結愛はかなりのドSなようだ。結愛「おいおいこいつめ、「やめて下さい」だろ?」 攻め方も光が昔やっていた通りだ、どうやら結愛には事細かく指導されていた様だ。守「止めて下さい、お願いしますから!!」 やっとのことで攻撃を止めた結愛、そして息を大きく吸って呼吸を整えた守はさり気なく思い出したかの様に聞いた。守「そう言えば、光明には会ったけど海斗は見かけないな。」好美「海斗さんって?」 好美が守と同じ大学に通っていた頃、結愛の兄である貝塚海斗(かいづかかいと)は海外の大学に留学していたので勿論2人に間には面識がない。結愛「嗚呼・・・、俺の兄貴だよ。今頃アメリカのニューヨーク辺りでぷらぷらしてんじゃねぇのかな?」守「相当「あれ」だったもんな?」好美「「あれ」って?」結愛「思い出させるなよ、吐き気がするじゃねぇか。」 顔を蒼ざめさせた結愛に対し何やら楽し気な声が遠くからしていた、声の方に振り向くと社長の「プロレスごっこの師匠」であるダルラン光が何処からか拾ったらしき大きな笹を引っ張って来た。光「おーい、好美ちゃーん。丁度良かったー。」好美「光さん、どうしたんですか?大きな笹ですね。」 光は笹を降ろすと『アイテムボックス』から冷えた麦茶を取り出して飲んだ、気温が高い分麦茶が超の付くご馳走に思える。光「ぷはぁーっ、生き返るぅ!!あのさ、好美ちゃんが良かったらだけどビルのエントランスにこの笹を飾って皆で短冊書いて吊らさない?マンションや店の人にも書いてもらおうよ。」好美「勿論良いですけど、この世界に七夕ってあるんですか?」 どうやら神や転生者の影響で日本の文化が所々根付いている様だ、七夕もその1つらしく好美が飾り付けた笹と短冊を見た子供が声を掛けて来た。子供「お姉ちゃん、俺達も書いて良い?」好美「良いよ、皆で楽しく書いてね。よし、あた
last updateLast Updated : 2025-07-21
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4. 「異世界ほのぼの日記2」108

-108 シスコン登場の後始末の為- 久々に海外でぷらぷらと生活しているはずだったシスコンである兄との再会を果たした巨大財閥の代表取締役社長は、早速隣のバルファイ王国にある本社への同行を求め『瞬間移動』を行った。初めての魔法(スキル)に動揺を覚えている兄は訳が分からなくなっていた、どうやら光の魔力により向こうの世界から無理矢理連れて来られたらしい。 声色から動揺を隠せない様子が伺える神が「いつもの件」を行うべく、海斗を連れ出そうとした。神「光とやら・・・、まさか神と同等の力を手に入れてしまったとはな。わしも年を取る訳だな、うむ・・・。時に海斗とやら、こっちに来ると良い。」海斗「いや、あんた誰だよ。それにどうやっ・・・。」結愛「行ったな。」 妹の目の前で気を失った様に見える海斗を、黒服長の羽田が学園の保健室に連れて行った。この世界の貝塚家に海斗の部屋は用意されていなかったからだ、元々一緒に来た訳ではないから当然だ。結愛「来ちゃったからにはこいつを住まわせない訳にもいかないけどな、何となく嫌だな・・・。」 代表取締役なのに本社ビルの1番上の階を夫婦の住居として使用しているので別に狭くは無いのだが、家でもシスコンを発揮されるのは本当に嫌だった。光明「そう言えば、今管理者がいない部署があっただろ、あそこの上階も住居にしていたんじゃね?」結愛「あそこか・・・、丁度いいかもだがこの世界に来たばかりだぞ。信用の面で大丈夫と思うか?」 しばらくこの世界に慣らしてから空いている部署に回そうと考えていた結愛、ただ慣れるまでの間でもニートをさせる訳にもいかない。兄の事で他人を巻き込みたくは無いのだが、社長は良き友人である好美を頼る事にした。結愛(念話)「好美、今大丈夫か?」好美(念話)「後にしてもらえる?子供達が一斉に集まっちゃって、光さんも帰っちゃったの!!」結愛(念話)「騒動だな、ちょっと待ってろ。」 好美の下に『瞬間移動』した結愛は現地の様子を見て焦りを見せた、好美所有のマンションに住む多種族の子供達が群がっている。住居部分が多い分当然の事なのだが、大家というのも大変だそうだ。好美「うぶぶぶぶぶ・・・・、皆ちょっと押さないで!!私潰れちゃうから!!」結愛「ほらほら、順番だぞ。並べ並べ。」子供「おばさん、何だよ。邪魔すんなよ!!」結愛「「おばさ
last updateLast Updated : 2025-07-21
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