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4. 「異世界ほのぼの日記2」112

Author: 佐行 院
last update publish date: 2025-07-27 08:38:58

-112 悪名貴族の言い掛かり-

 慌ただしい雰囲気の中、代表取締役の姿を目にした副社長はすぐに電話対応をずっとしている自分の所へ来るようにと誘い出した。こんなに焦った光明の顔を見るのはいつ振りだろうか、結愛にはただならない位の嫌な予感がしていた。

結愛(小声)「おい、そんな顔してどうしたんだよ。」

光明「すみません、少々お待ちください。」

 結愛の声を聞いた光明は電話を保留の状態にした、頭を抱えながらため息をつく。

光明「困ったもんだよ、助けてくれ。ダンラルタに最近作ったあそこあるだろ?」

結愛「魔獣保護養育施設の事か?」

 近年、3国における労働力向上や魔獣の保護などに力を入れ始めた貝塚財閥なのだが、その一環として野生で衰弱した下級魔獣を中心に保護して『人化』できる上級魔獣へ養育する施設をダンラルタ王国に建てていた。それについての電話らしい、どうやら相手はかなりの勘違いをしている様だ。

 結愛は光明に替わり、電話に出る事にした。スピーカーフォンに切り替えると、相手は20~30歳くらいの女性らしい。

 結愛は丁寧な口調で応対を始めた。

結愛「大変申し訳ございません、大変お待たせ致し
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    -430 そっちかい!!- 子供との約束を破る訳にはいかない、そう思いながら持参してきた鉄板にバターを敷いて火入れする上級鳥獣人(バルタン)は妻(シルヴァー・エルフ)が持って来た水の位置を確認しながら卵を割入れた。先程初めて見た時もそうだったがやはりその大きさに驚きを隠せない、この目玉焼きだけでパーティーが出来そうだ。子供「大きいね、この何の卵?」 何処からどう見ても鶏卵に見えない大きさ、近所の子供がこう聞いてもおかしくは無い。ナイリ(当時)「一応ウチで採れた卵なんだけど・・・、レイヤーだからね?」 「子供に「レイヤー」と言った専門用語を言ったって分かる訳が無いじゃ無いか」と隣にいたペンネが引き気味になってしまっている中、鉄板に乗った卵の白身が段々色づいて来た。 ただ現時点で聞くべき事かどうか分からないが、さっきから気になってたんだけど皆醤油はいらないの?ナイリ(当時)「創造主の癖に何も知らねぇの?馬鹿だな、本当に新鮮な卵は何も付けなくても濃厚なその味だけで楽しめる位に美味いんだよ。」ペンネ(当時)「ナイリ、いくら何でも失礼だって!!」 そうだぞ、(自分で言うべき事では無いが)一応俺偉いんだぞ?ナイリ(当時)「悪かったよ、ただ創造主さんは目玉焼きに醤油を必ず付けるってのか?」 いつもそうだよ、目玉焼きはご飯に載せて醤油をタラリだけど?ナイリ(当時)「何でだよ、何も付けなくてもコクのある黄身の味だけで楽しめるだろ?!」 そっすか・・・、ナイリさんって本当に卵が大好きなんですね・・・。一先ず話を進めても良いでしょうか、先程から結構な分数が経ったような気がするんで・・・。子供「ねぇ・・・、いつ水を入れるの?焦げ付いちゃうよ?」 本人の見た目からはまだ小学校に入って間もない様に思われるがもう既に調理実習で目玉焼きの作り方を習ったと言うのだろうか、この世の中「人は見た目に寄らない」って言うもんな・・・(この子供が人間だとは限らないが)。ペンネ(当時)「そうだね、早く蒸し焼きにしなきゃ。」 急いで水を加えて蒸し焼きにしていくペンネ、ただこの調子だとこれからの新婚生活が心配である(おいおい、大丈夫かよ)。そんな中、そう言えばさっきから黙りこくってるものが約1名いなかったか(別に忘れてた訳じゃ無いよ)?ソン(当時)「まさか卵を焼いただけでこんな

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    -426 鶏卵と敬愛- 息子の嫁(シルヴァー・エルフ)による冷静なツッコミが入った所で3人は採れたばかりの鶏卵(と呼んでも良いのか?)を手に家のキッチンへと入って行った、大きさが大きさだった分いつも以上に持ち運ぶのが大変だったがそれ以上の感情が芽生えていた様だ。ソン(当時)「これって美味いのかな、栄養価はどうなのだろうか・・・。」 独断でもう既に鶏卵として出荷するつもりでいる上級鳥獣人(レイブン)、ただ養鶏場自体を息子(バルタン)に任せている上に問題は食べても良いのだろうかという事。ナイリ(当時)「きっと鳳凰様が本来レイヤーを育てる俺達へとお与え下さろうとしていたのはこの卵だったと思うんだよ、良かったら食べてみないか?」ペンネ(当時)「でも本当に勝手に採って私達が食べても良いのかな、一度お祀りでもして感謝の意を表すべきなんじゃないの?でないと罰が当たりそうな気がするんだけど・・・。」 鳳凰(フェン)の許可を得るも何も、一家の養鶏場で生まれた卵な上にもう既に収穫して家へと持ち込んでしまっているから後にも引けない。だがしかしペンネの気持ちも分からなくも無いので「念の為・・・」とお祀りをして手を合わせる事に。ソン(当時)「神様、有難き贈り物に感謝致します。図々しいお願いかも知れませんがこれからも我々をお救い下さいませ、宜しくお願い申し上げます。」 それから数分の間、ソンはずっと祈り続けていた。ナイリは「ちょっと長すぎじゃ無いの?」と聞きたくなったが神に対する敬愛を込めた行為なので止めない方が身の為かと自分を律した、ふと隣を見るとペンネも同様に祈っていた。ペンネ(当時)「この度の卵を含め、ありとあらゆる出逢いに感謝いたします。きっと神様が私共にお与え下さった必然であったと私は思っております、ありがとうございます。」 妻の様子を見て本当に感謝しないといけないと思ったのはナイリの方だった、辛い時も嬉しい時もいつも隣にはペンネがいたからだ。唯一祈りの手を解いていたナイリは自分の事が恥ずかしくなり、改めて祈りを捧げる事に。ナイリ(当時)「鳳凰様、感謝致します。これからも精進致しますので宜しくお願い申し上げます。」 3人が深々と頭を下げるとその祈りがフェンへと通じたのか、目の前の卵がほんのりと光り始めた様に見えたが故に少し罪悪感があったが卵をキッチンへと持ち

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    -425 卵- 傍らからすれば確かにナイリがメンゾに便乗した様にも見えてしまうが親子がメンゾに対して稲作の指導や田んぼの提供を行っていたので「ギブアンドテイク」の関係性が生まれていた故に問題は無かった様に思える(のだろうか)、きっとこの事を鳳凰(フェン)も天界から見ていたはずなので「罰が当たった」事は無いと信じたい。 ただ未だに卵を産む事の無い鶏を見て上級鳥獣人達は先程以上に心配になっていた、普段なら鶏舎の決まった所に産みたての卵が豊富に集まっているのだがこの日に限っては全くもって「ゼロ」となっていた。流石に親子でなくともこれに関しては心配になってしまう、そんな中鶏舎の端で数羽ほどの鶏たちが声を荒げて鳴き始めた。こんな事、今まであった様な無かった様な(今はそんな事どうでも良いか)。ナイリ(当時)「父さん、いくら何でもうるさ過ぎやしないか?鼓膜が裂けそうだよ!!」 親子は2人共必死で耳を塞いでいたが嘶きを防ぎきれずにいた、ただ鶏たちの表情は何処か苦しそうに見える。ソン(当時)「え?何だって?」 あまりにも激しい鳴き声だったので息子の声が全くもって聞こえていなかった父、これでは埒が明かない。 そこで声での会話は不可能だと思ったナイリは一先ず鶏舎の出入口を指差して「いったん外に出よう」と提案した、きっと誰だってそうする(と思う)。ナイリ(当時)「父さん、今までこんな事ってあったの?!少なくとも俺は初めてなんだけど!!」 社会人になってからと言うもの、ブラック企業で働いていた当時はずっと実家に帰る事が無かったが故に幼少の頃の記憶しか残っていなかったナイリ。やはり今は(最低でも)自分より鶏舎について詳しい父に頼るしかないと思うのが当然の事だと言える。ソン(当時)「こんなの前代未聞だよ、ずっとこの鶏舎で鶏たちを見守ってきたが初めてだ。と言うより鶏がこんなに鳴くだなんて知らなかった位だ、何とかして欲しいのは俺の方だよ!!」 未だ止まない鳴き声とその影響による頭の痛みを堪えながらも恐る恐る鶏舎へと近づいていくソン達、外にいるままでは解決方法が分かる訳が無いので今は出来る限りの事をしたいと思う。ソン(当時)「一先ずこれを貸してやるから使え、丁度この前商店街の福引で当たった耳栓を入れたままにしておいて正解だったわ。」 「入れたままにしておいた」というより「入

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    -㉖ 執念- 好美のまさかの一面を目撃してしまった球技大会の夜、大学周辺の居酒屋は打ち上げと称して呑んでいる学生達で一杯となっていた。中華居酒屋である松龍も例外ではなく、その影響で曜日的には休みだった好美は龍太郎に呼び出されて臨時で出勤していた。王麗「うちの変態店主がすまないね、今日は8時までで大丈夫だからね。終わったら店のビール呑んで良いからね、そうだ・・・、瓶ビールを今からキープしておいても良いよ。」好美「良いんですか、では早速。」 王麗の言葉を聞いた好美は早速守にメッセージを送った、守からの返信はすぐにやって来た。守(メッセージ)「じゃあいつものメンバーで呑もう、8時前に3人

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  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   5. 「あの日の僕ら」㉔

    -㉔ 大人になった- 花火大会から数か月が経ち、正・桃・好美の3人は20歳を迎えていたが誕生日が1番遅い守の為に初めての飲酒を我慢していた、と言っても最長で5日だったのだが。 そして守の誕生日の夜、各々の店長にお願いしてバイトの休みを合わせた4人は松龍に集まった。 龍太郎は念の為に学生証で年齢を確認し、涙を流しながら初めての酒として4人に瓶ビールを注いだ。龍太郎「お前ら・・・、成長したな。親として俺は嬉しいぜ、今日は店からの奢りだから好きなだけ呑んでくれ。」王麗「そうかい、じゃあ大黒柱として次の小遣いは無しでいいね。」龍太郎「母ちゃん・・・、それはないだろう?」 涙を一層流しな

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   5. 「あの日の僕ら」⑱

    -⑱ 母からの贈り物と緊急事態- 宝田家でゆっくりとした時間を過ごした好美が桃と会う約束があると伝えて一旦帰宅してから数時間後のPM5:00頃、いつもなら株主総会に行った真希子が帰って来る時間なのだが影すらも見えない。 1時間後、日が傾き西日が差し込み始めたPM6:00。いつものリムジンではなく聞き慣れない排気音(エキゾースト)が近づいて来たので守は駐車場に出た。 一瞬隣のアパートに住む光が帰って来たのかと思ったのだが本人の愛車であるカフェラッテの姿も無い、その代わりと言ってはなんだが見覚えの無いクーペタイプの軽自動車が1台止まっていた。守「カペンだ・・・。」(うん、権利的な問題はな

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