-⑲ 今日の夕食- 大財閥の筆頭株主は代表取締役社長からの電話に驚きを隠せずにいたが、次の瞬間ため息をついた。真希子「またあの2人かい、面倒くさい奴らだね。仕方ないから私が行くわ、結愛ちゃんはその場にいてな。」結愛(電話)「ではリムジンを。」真希子「それだと遅くなるよ、すぐ近くにあるから私の車で行くさね。」守「まさか・・・、な・・・。」 その「まさか」だった。電話を切ると真希子はスルサーティーに飛び乗ってエンジンをかけ、いつもより強めに空ぶかしをして長方形のヘッドライトを点灯させた。真希子「守、危ないからちょっと端に寄ってな。後今夜は申し訳ないけど、適当に何か買って食べておくれ!!」守「まさか・・・。」 どうやら2回目の「まさか」も当たってしまったらしく、真希子の愛車は出口に向けて勢いよく加速すると強烈なスキール音と共にドリフトして駐車場を出て行った。一瞬女性の「キャッ!!」という声がしたが、排気音がかき消してしまった様で守は気付かなかった。守「ゲホゲホ・・・、本当にあいつで行っちゃったよ。しかもまたここでドリフトして・・・。」 そう、守のいた駐車場を真希子がドリフトで出て行くという件は今に始まった事では無かったのだが、それによる土埃に慣れる事は無かった。 守がテールランプを見送ると、桃に会っていたはずの好美が歩いてやって来た。好美「守、今の車って・・・。」 「こうなりゃ仕方ない」と意を決した守は好美に打ち明けた。守「今の母ちゃんなんだ、走り屋でさ。実は今、急用が出来て飛び出して行っちゃったんだよ。」好美「そ・・・、そうなんだ・・・。」守「隠してて悪かった・・・。」 守は目の前の彼女の表情から驚いているのか、それとも引いているのか、好美の心境を汲み取る事が出来なかった。一先ず、話を逸らす事に。守「それで、どうした?桃ちゃんと会ってたんじゃなかったの?」好美「あのね・・・。」 好美はそう言うと無言で顔を近づけ唇を重ねた、数十秒ほどキスを続けた後に顔を離してから笑顔になった好美は話し出した。好美「あのね・・・、BBQ(バーベキュー)行かない?」守「え?BBQ?」 実は数時間前、約束通り桃の住む和多家へと到着した好美を和樹が誘っていた時の事。和樹「好美ちゃん、最近彼氏できたんだろ?お肉沢山あるから誘っちゃいなよ。」好美
Terakhir Diperbarui : 2025-09-01 Baca selengkapnya