Semua Bab (改訂版)夜勤族の妄想物語: Bab 351 - Bab 360

377 Bab

5. 「あの日の僕ら」㉙

-㉙ 娘を託す両親とベタな過去を持つ友- 酒が回ったので好美の後ろで桃が寝ていた傍らで、十数年越しの告白に成功した金上が余韻に浸っていた。金上「こんなに嬉しいのは初めてだよ、今日は泣いても良いか?」守「今日は俺が許す、呑んで泣けや。」 グラスに入ったビールを一気に呑み泣き出した彼氏を見て美麗が調理場から守に罵声を浴びせた。美麗「守君!!うちの彼氏を泣かせないで!!」 そんな中、蓋の開いた瓶ビールを片手に龍太郎が座敷席にやって来た。龍太郎「俺からのお祝いだ、呑んでくれ。美麗(みれい)の事を頼んだ・・・。」 十数年もの長い間自分の娘の事を一途に想っていた目の前の男の存在が嬉しかったのか、父は目に涙を浮かべ、ビールを注ぐ手が震えていた。ただ不思議な事に、注がれたビールは一滴も零れる事無く綺麗にグラスへと入って行った。王麗「どれ、私からも注ごうかね。」 龍太郎が王麗に瓶ビールを渡すと、金上は急いでグラスを空けた。王麗「ずっと、娘の事を想ってくれててありがとう。これからも美麗(メイリー)の事、よろしくね。(小声で)泣かせたらここ出禁にするからね。」 王麗に小声で言われた言葉に目を大きく見開いてギョッとした金上からテーブルを挟んで反対側で貢が紹興酒を片手に嘆いていた。貢「俺だけ1人者か・・・。」王麗「何言ってんだい、出逢いなんてそこら中に転がっているじゃないか。」 王麗の放った今の言葉は聞き飽きていたのか、大きくため息をつく貢。そんな貢に好美が質問した。好美「誰か良いなと思っている人とかいないの?」貢「いない事は無いんだけど・・・。」 2人の会話が聞こえたのか未だ顔が赤い桃が無理矢理起き上がった。桃「何・・・、恋バナ?」好美「貢君、気になる人がいるんだって。」桃「え?誰?」貢「実は大学の図書館で1度しかあった事が無いから何学部の人かも、何年の誰なのかも知らないんだ。ほら、この前の授業で面倒なレポートの宿題が出ただろ?」好美「あ・・・、川岸先生の?」 数日前、貢は冷房の利いた図書館でレポートを済ませようと炎天下の学内を歩いていた。図書館の2階から入る裏の書庫で資料となる本を探していた。貢(回想)「これ読んでみようかな・・・。」 参考になりそうな1冊の本に手を延ばすと反対側から女性の手が、2人の手がそっと触れるという図書館や書店
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-09
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5. 「あの日の僕ら」㉚

-㉚ 出逢いと再会- 他の本を指でなぞり、レポートの資料をどうしようかと悩み続けながら過ごした数日後の今現在。回想話を終えた貢はグラスを空けて紹興酒のお代わりを頼んだ。好美「今のベタな話、何処かで聞いた様な・・・。」貢「そうなのか?」好美「いや、間違いならごめんなさい。」 その時、好美の携帯に着信が。電話の主は先日、マンションのボイラーが故障したのでたまには良いかと近所の銭湯へと向かった時に出逢った同じ大学の女性だった。 髪を濡らした好美は自らのシャンプーを使おうとしたが、目を瞑っていた為に隣にいたその女性のシャンプーを勝手に使ってしまった。好美(回想)「あれ?香りが全然違う様な・・・。」女性(回想)「それ・・・、私のシャンプーですね・・・。」好美(回想)「あ、本当にごめんなさい。」女性(回想)「いえいえ、よくある事ですから気にしないで下さい。」 互いが歩いて銭湯に来ている事を知った好美は謝罪としてその女性にビールを奢った、入浴後も呑みながら家路についた時に2人が同じ大学に通っている事が分かった。女性(回想)「同い年だったんですね、これからよろしくお願いします。」好美(回想)「こちらこそ、取り敢えず敬語やめますか?」 好美の提案をあっさりと承諾した女性。女性(回想)「あれ・・・、家ここなんだ・・・。」 別れ際に連絡先を交換したその女性からだった、現在22:15。好美「私はいいけど、女将さんに聞いてみるね。女将さん、もう1人来たいって言ってるんですけど。」王麗「私は良いけどもう時間も遅いよ、来るの危ないんじゃないかい?」好美「1号棟の6階に住んでる子なんですが。」王麗「それなら大丈夫だ、すぐ呼びな。」好美「良いって、すぐおいで。」王麗「それとさ・・・。」 王麗は再び寝始めた桃の方を見た。王麗「桃ちゃん、今夜好美ちゃんちに泊めてあげてくれないかい?和多さんには私から連絡入れとくから。」好美「分かりました。」女性「好美!!」好美「香奈子!!早すぎない?!」 よっぽど嬉しかったのか、猛ダッシュでやって来た山板香奈子(やまいたかなこ)は髪をくしゃくしゃにしながらやって来た。息を切らして顔を赤くしている。香奈子「この店で呑めると思ったら嬉しくてさ・・・。」 いつもは1階のコンビニで適当に買った酒を1人寂しく呑んでいる
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-10
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5. 「あの日の僕ら」㉛

-㉛ 貢の初恋- 酔っぱらった桃の寝言によりすっかり雰囲気が気まずくなってしまった貢と香奈子の間を何とかしようと好美が機転を利かせて先程の逮捕劇の話をした。香奈子「もしかしてさっきパトカーが止まってたやつ?」 香奈子がバイトから帰って来た時、2号棟の前には規制線が張られていたので家に入れなくなっていた住民達でごった返していた。香奈子が人ごみを掻き分けて見てみると丁度逮捕された成樹がパトカーで護送される所だった。好美「貢君が走って捕まえたんだよ。」香奈子「貢君?」 好美は2人が未だに互いの名前を知らない事を忘れていた。貢「貢・・・、です・・・。貢 裕孝(ひろたか)。」香奈子「変わった苗字ですね、初めて聞きました。」貢「そうなんですかね、俺そういうの詳しくなくて。」 全くもって違う話題でだが盛り上がる2人を見て好美は一安心した。 丁度その頃、調理場では気を利かせた龍太郎が炒飯の注文が入った為に中華鍋で油を温めながら娘に声を掛けた。龍太郎「美麗(みれい)、今日はありがとう。もう大丈夫だからお前も座敷行って呑んで来い。そこの冷えたグラスとビール持って行って良いから。」美麗「良いの?お金払うよ?」龍太郎「パパからのお祝いだ、受け取ってくれるか?彼氏と一緒に呑んでおいで、パパも後で行くから。あ、エプロンは脱いで行けよ。」美麗「パパ・・・、ありがとう。」 冷蔵庫から冷えたグラスとビールを取り出し、金上がいる座敷に行こうとした美麗を今度は皿洗いをしていた王麗が呼び止めた。王麗「美麗(メイリー)、ちょっと良いかい?」美麗「うん、どうした?」 美麗は一旦瓶ビールを座敷に置くと母の元へと向かった、王麗は黒い小さな壺を持って娘を待っていた。王麗「これ、ママ特製の黒糖梅酒だよ。あんたに彼氏が出来た時に一緒に呑んで貰おうと作ったんだ、後でママも行くから呑んでおくれ。守君や好美ちゃんにも分けてあげな。」美麗「ママもありがとう・・・。」 美麗は王麗から受け取った壺を胸に抱えて座敷席に戻った。金上「みぃちゃん、仕事はもう良いの?」美麗「うん、パパとママが一緒に呑んで来いって。」金上「そうか、じゃあお言葉に甘えて。」 金上が美麗のグラスにビールを注ぐと、美麗は嬉しそうに呑み干した。その光景を好美と香奈子が優しい目をして見ていた。好美「あの2人、さ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-13
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5. 「あの日の僕ら」㉜

-㉜ 良い雰囲気- 香奈子の言葉により冷静さを取り戻した貢は少し顔を赤らめた。貢「すみません・・・、お気になさらず。」 未だによそよそしい2人に好美が絡みだした。好美「何で同い年なのにずっと敬語なのよ、もう一緒に呑んだ仲なんだからそんなの気にしなくてもいいじゃん。」貢「仕方ないだろ、女の子とあんまり話した事が無いんだよ。」 そんな中、やっと目を覚ました桃が1人寂しく冷酒をちびちびと呑んでいた正の隣に座った。桃「水・・・、水欲しい・・・。」正「呑みすぎだよ、ほら。」 そう言うと水と間違って冷酒を渡した。桃「あれ・・・、水ってこんな味だっけ?まぁ、いいか。」好美「桃、まだ呑むの?本当相変わらずだね。」 誰もが皆冷静な判断が出来ていない中、好美が先程から感じていた事を正直に言った。好美「ねぇ、さっきから貢君と香奈子って良い雰囲気じゃない?いっその事付き合っちゃえば?」香奈子「何言ってんの、会うの2回目だよ。」貢「う、うん・・・。」 貢は香奈子に意見を合わせて首を縦に振った、本当は横に振りたかったが。 何となく気を紛らわせたくなった貢はおつまみとして出ていたピーナッツを口に流し込んだ、口いっぱいに入ったので何も話せなくなっていた。香奈子「そんなにピーナッツって好きになる物ですか?!」貢「ふぁ・・・、ふぁい・・・。」 ぼりぼりと口内でピーナッツを砕く音が響き渡った、それを聞いた香奈子は大爆笑していた。その光景を肴に恋人たちはビールを煽った。好美「アハハ・・・!!貢君、馬鹿じゃないの?!」守「お前そんな奴だったか?!」貢「ふ(う)・・・、ふふへ(うるせ)ー。」 美麗に至っては鼻から梅酒を出しかける位だった、隣にいる金上と付き合う事になったので一層笑顔が増している。 1人者同士の良い雰囲気の2人はやっと敬語をやめた。香奈子「ねぇ・・・、連絡先聞いて良い?」 勇気を出して先に声を掛けたのはまさかの香奈子だった。貢「う・・・、うん・・・。」 携帯を取り出した貢は香奈子のまさかの一言に動揺したのか、操作が上手く行かなかった。貢「ご・・・、ごめん・・・。」好美「あれ?貢君本気で惚れちゃったんじゃないの、顔が赤いよ。」 貢は慌てて否定した。貢「違ぇし、酒が回って来ただけだよ。」桃「もう、分かりやすくて何か可愛い!!」 
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5. 「あの日の僕ら」㉝

-㉝ 待ちわびた瞬間(とき)- 酒宴の夜が更ける中、守にはある感情が芽生えていた。授業やバイトの兼ね合いにより、最近好美とすれ違う日が多かったので、正直ご無沙汰だったのだ。少し寂し気な表情をする守に王麗が気付いていた。 実は好美も同じ気持ちでいた、先程から座敷で隣に座っていた時に守の手に指を近づけようとしていたのだがその度に守が立ち上がっていたので失敗に終わっていた。 そんな2人の様子をずっと見ていた王麗が守を呼び出した。王麗「さっきから落ち着かないみたいだけど、何かあったのかい?」守「実は最近好美とすれ違う日が多くてあまり会えてなかったんだ、いっそ酒の力を借りてでも今日好美とキスしたいなって思っちゃってさ・・・。」王麗「悪い事は言わないからそう思うなら何もしないでじっとしてな、きっといい事が起こるはずだよ。」 十数分後、しびれを切らした好美が焼酎を一気呑みした。好美「もう無理!!待てない!!」 そう叫ぶと守の両頬を両手で挟み無理くりキスをした、その様子を見ていた美麗が顔を赤くしていた。そんな娘の様子を父親は見逃さなかった。 龍太郎は美麗に紹興酒を手渡してカウンター席に座る様に促した。龍太郎「どうした美麗(みれい)、パパに聞かせてくれるかい?」 美麗は恥ずかしそうに打ち明けた。美麗「さっきさ、好美と守君がキスしていたのを見て私もかっちゃんとしたいなって思ったの。でもね、これが私のファーストキスになると思うともっと大切にしたいなとも思ってさ。」 龍太郎は煙草に火をつけながら答えた。龍太郎「うん・・・、そうだね・・・。美麗の人生は他の誰でも無く美麗自身の物だから決してパパは止めはしないけど、一瞬一秒を大切にして欲しいと思うな。」美麗「うん・・・、ありがとうパパ。」 十数年もの間持ち続けた金上への想いから「今日どうしても仕掛けたい」という気持ちが強くなっていたのだが、やはり何処か恥ずかしさを覚えてしまう。 美麗は葛藤した、好美みたいに人前で堂々と出来るだろうか、そう思うと息が荒くなり涙が溢れだして来た。 美麗は意を決して行動に出た。美麗(小声)「ねぇ・・・、じっとして。」 美麗は金上の顎を掴んで唇を重ねた、長く・・・、長く・・・。王麗「あらま、美麗(メイリー)ったら、これは大胆だこと。」 美麗は顔を拭う事も忘れて笑顔で泣いて
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-13
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5. 「あの日の僕ら」㉞

-㉞ お盆特別編①・突然の電話- 松龍での大宴会から数日後、先日の代わりに水曜日のバイトが休みになったので1日暇になった好美はタイミングがぴったりの桃、美麗との3人で最近近所に出来たセルフのうどん屋で昼食をとっていた。 桃の食事する様子を見て不思議に思った美麗が本人に尋ねた。美麗「噛まないの?噛まずに飲み込んでるの?」桃「何言ってんのよ、うどんは飲み物じゃないの。私の地元の人達は皆こうだよ。」 桃の言葉を聞いて何かを思い出そうとする好美、しかし上手く思い出す事が出来なかったので改めて聞き直す事にした。好美「桃って出身何処だっけ?」桃「今更何言ってんの、香川よ香川。」美麗「嗚呼、「うどん県」ね。だからか。」 美麗は幼少の頃に両親が録画して見ていたある番組の内容を思い出していた、はっきりと覚えていたのは印象が強かったからだ。 香川出身のある有名な女優が2人の司会者の目の前で饂飩を啜ってすぐに反射的とも言えるタイミングで飲み込んでいたのだ、口に入れて直接喉に流し込むスタイルに司会者達は驚きを隠せずにいた。桃「「うどん県」ね、やっぱりそう言われると思ったわ。」美麗「じゃあ・・・、他に何があったっけ。」好美「私、ひろめ市場でお酒呑みたい。」桃「それ高知。」美麗「私、道後温泉行きたいかも。」桃「それ愛媛。」好美「あ、大塚国際美術館行きたいかも。」桃「それ徳島、あんたの出身地でしょ。それにしても久しく帰ってない気がする、お母さん元気にしてるかな。」 桃は故郷の田舎を思い出していた、大きな橋の下に流れる清らかな小川で毎日男の子に混じって遊んでいた事を懐かしんでいた。 丁度そのタイミングで好美の携帯に着信があった、久しく見ていない女性の名前に少し焦っていた。饂飩を食べながら会話しようと考えた好美はスピーカーフォンにして出た。好美「も、もしもし・・・。」女性(電話)「もしもし、好美け?あんたたまには帰って来たらどうなんじゃ、お父さんが寂しがっとんじぇ。高校から県外に出て以来全然だったじゃろう、一度は帰って来ぃ。」好美「母ちゃん・・・。」 電話の相手は好美の母親、倉下瑠璃(くらしたるり)であった。好美は両親の反対を押し切って高校時代から県外で1人暮らしをしていたのだが、物欲が凄かった為にずっとアルバイトをしていて「お盆と年末は必ず帰る」と
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-13
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5. 「あの日の僕ら」㉟

-㉟ お盆特別編②・久々の故郷- お盆直前、春麗の娘である安富花梨(やすとみかりん)が松龍での短期バイトへとやって来た。美麗「本当に大丈夫なの?」 美麗が心配するにはちゃんとした理由があった、以前から店内でも夏にはかき氷を出していたのだがそこで花梨が大量の容器を割ってしまった事があったのだ。龍太郎「大丈夫だよ、俺は梨ちゃんの事信頼しているから。(小声で)今年から紙コップに変更したからな。」美麗「なるほど、じゃあ大丈夫だわ。」花梨「叔父さん、何か言った?」龍太郎「ん?気にしなくても良いよ、大丈夫大丈夫。」 女子大生2人は松戸夫妻達に見送られて最寄りの駅へと向かった。 高速バスと特急列車を乗り継いでやっとの思いで徳島駅の2番乗り場に到着した、阿波踊りを見ようとする観光客や好美と同じ里帰りの人々で駅はごった返していた。 元々は数分後に発車する普通列車で移動する予定だったのだが・・・。好美「ねぇ、乗る時間ずらして地下に行かない?」美麗「いいけど、もう乗り場に「電車」来てるよ。」好美「あ、徳島に「電車」無いから。あれ「汽車」だから。」美麗「えっ?!」 これは徳島ではよくある件なので好美は飽き飽きしていた、一先ず好美の提案通り地下へと向かう事に。美麗「何があるの?」好美「良いから良いから。」 美麗は好美に案内されるがままにエスカレーターを降りて右に折れ、暫く歩くとそこには呑み屋街が広がっていた。そこでは昼限定のランチを食べていたり昼間から呑んでいる人達で盛り上がっていた、母親の瑠璃からこの情報を得ていた好美は徳島に帰ってすぐに吞みたくなってしまっていたのだ。良さげな店はどれだろうと物色しているとエスカレーターから向かって割と手前に大きな唐揚げとハイボールを売りとしているお店があった、我慢出来なくなっていた好美は早速席に座って注文した。 数時間後、すっかり出来上がってしまった2人がふらふらになりながらホームへと向かおうとすると2人に向かって手を振る女性がいた。女性「好美ー。」好美「お母・・・、ちゃん・・・?」 気合を入れて来たのか何故か着慣れないチャイナドレスで2人を歓迎した瑠璃、しかし普段からチャイナ服を着ている美麗と被ってしまったらしい。瑠璃「あら、友達を連れて来るとは聞いとったけど、中国人の子と一緒って思わんかったわ。ニ・・・
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-13
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5. 「あの日の僕ら」㊱

-㊱ お盆特別編③・気まずくなっていた父との再会- 気を利かせた美麗が横から声を掛けた。美麗「好美の彼氏の守君ですよ、宝田 守君。」瑠璃「えっ?!好美に彼氏が?!騒動じゃ、御赤飯炊かなあかんわ!!」好美「お母ちゃん、大袈裟じゃあ!!」 早く呑みたい好美は早々に電話を切って料理を取り始めた、好美は多種多様の料理を少量ずつ取っていた。 料理をテーブルに置いて酒を取りに行った、駅前にあるロータリーの方向からぞめきの音が聞こえて来た。 乾杯を交わした3人は暑い中でキンキンに冷えたビールを一気に煽った、女子大生達は先程まで呑んでいたのにも関わらず美味そうに呑んでいた。瑠璃「あんたら、この後踊り見に行くじゃろ?」 好美と美麗の荷物は予め送っていたので身軽だった、なので自由に行動が出来た。好美「行く、美麗も行くよね!!」美麗「も・・・、勿論・・・。」 やたらと興奮している好美を見て少しタジタジとしてしまう美麗、でも折角徳島に来たのだから出来るだけ楽しんで行きたい。 3人は十分顔を赤くするとビアガーデン会場を出てエレベーターで下まで降りた、ただ酔った所為でボタンを押し間違えて一度地下に行ってしまったが全く気にしていなかった。 エレベーターを出てすぐの所にあるエスカレーターで上に上がり、出入口から外へと出ると3人は人ごみへと混じって行った。瑠璃「2人、離れんとってな。」 やはり夏だ、浴衣を着て街中を歩いている人達もちらほらいた。 阿波踊り連の衣装で自分達の出番を今か今かと待つ人々もいた、男踊りの衣装を着た女性達を見て何故か美麗が興奮していた。 鳴りやまぬ和楽器の音色が一層盛り上がりを見せていく頃、人ごみによる熱気が凄かったので3人は屋台で冷えた缶ビールを買って煽った。どんだけ呑むつもりなのだろうか。 桟敷席の並ぶ藍場浜の演舞場から移動して道路へとなだれ込む数々の有名連の踊りを見ながらビールを呑んでいく3人、何か肴が欲しくなってきた3人は屋台を探した。美麗「ずっと歩いているからお腹空いちゃったよ、桟敷に座って見るのかと思ってた。」瑠璃「桟敷はお金が高いけん、歩いてちらほら見るのが一般的なんよ。」 駅前から少し離れた東新町のボードウォークに変わった屋台が連なっていたので、そこで何かを買ってみる事にした美麗が1人興奮していた。好美「嗚呼・・・
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-17
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5. 「あの日の僕ら」㊲

-㊲ お盆特別編④・桃の父の趣味- 操は美麗の方に目をやった、娘の隣にいた友人がチャイナ服を着ていた為に少し焦っていた。美麗にとってはよくある事なので予想通りだった。操「この子が言ってたお友達け?あかんでぇ・・・、中国語話せんじぇ。」 今回の帰省でこの件は2回目、これはハーフの運命(さだめ)なのだろうか。美麗「大丈夫ですって、私ハーフですので。」操「良かったわ・・・、日本語ペラペラなんじゃ。」美麗「私、中国行ったことも無いんです。」 ただ瑠璃にとってはそれ所では無い情報が1つ。瑠璃「ほれより、父ちゃん大変じゃ。好美に男が出来たって!!」操「好美に・・・、男・・・!!遂に人の物になってしもうたんか!!」好美「まだ結婚していないわ!!」操「ほうけ、ほれより母ちゃん小豆買うて来ぃ!!赤飯炊くじぇ!!」好美「2人揃って同じ事言わんとって、ほら父ちゃん呑みぃ!!」操「お前と・・・、ほう言えばお友達の名前聞いてなかったわ。何て言うんけ?」美麗「美麗(みれい)です、松戸美麗。」好美「そう言えば、どうして女将さんは美麗(メイリー)って呼んでんの?」美麗「2人だけの時とかパパに知られたくない事を話す時とかは中国語を使うからね、でも今まで通りどっちでも大丈夫だよ。」 瑠璃は好美の言葉に不自然さを覚えた。瑠璃「女将さんって誰え?」美麗「中国出身の私の母です、好美ちゃんはウチのお店でアルバイトをしているので。」操「良かったわ、ちゃんと働いとんじゃな。安心したわ。」 3人で盛り上がっていると、美麗の携帯に着信があった。2人が無事に徳島に着いたかどうか心配になった王麗だった、流石は学生達のもう1人の母と言える。 美麗はスピーカフォンにして電話に出た、ただこの行動は一瞬で意味の無い物になってしまった。王麗(電話・中国語)「美麗(メイリー)?あんたなかなか連絡してこなかったから心配したじゃないか、もう好美ちゃんの家に着いたのかい?」美麗(中国語)「今着いたの。それよりお母さん、この電話皆に聞こえているから日本語にして貰って良い?それとも何か秘密でもあるの?」操「おい、何て言っとんじゃ?」好美「うん、全然分からん。」 電話の向こうの雰囲気を察したのか王麗は日本語で話し始めた。王麗(電話・日本語)「あらま、私とした事が。ごめんなさいね、うちの娘
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-09-17
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5. 「あの日の僕ら」㊳

-㊳ お盆特別編⑤・再会と恐怖の観光地- まさかの場所からの電話に驚きを隠せずにいた好美、ただ美麗は冷静だった。美麗「そうか、丸亀はナイターだもんね。」好美「何であんたが知ってんの。」美麗「たまにパパと行くもん。」瑠璃「最近の女子大生の趣味って変わっとんな、好美は最近何にハマっとんえ?」 最近の好美は毎日勉強とバイトに明け暮れていたので自分の時間を上手く取れないでいた、しかしどうにかして会話を繋げたかった。好美「買い物(かいもん)じゃ。」瑠璃「ええね・・・、また今度お母ちゃんとも行かんけ?」 すると、少し離れた所から操の叫び声がした。操「やられたわーー!!」桃(電話)「やった、入った!!」 どうやら桃と操は同じレースの舟券を購入して観戦していたらしい、今日1日通して操は負けたみたいだ。桃(電話)「やった!!38000円取っちゃったよ!!」好美「桃、そんな自慢をする為に電話して来たの?」桃(電話)「ごめんごめん、あたしも明日そっち行って良い?」好美「母ちゃん、良い?」瑠璃「あたしは良ぇけど、父ちゃん、明日って2人を連れて出かけるって言っとらんかったけ?」操「ああ、途中で拾えばいけるわ。」桃「じゃあ、10時頃に駅に着くと思うから。」 翌日、操の運転で徳島駅前のロータリーへとやって来た好美達は桃をすぐに発見して車に乗せた。 汗だくになった桃の姿を見て懐かしむ瑠璃が冷えたペットボトルの麦茶を与えると、桃は待ってましたと言わんばかりに飲み干した。桃「助かりました、ありがとうございます。」瑠璃「久しぶりじゃ、桃ちゃんも元気そうで良かったわ。同じ大学じゃってね。」桃「はい、好美と一緒で心強いですよ。」 桃がスライドドアを閉めた事を確認すると操がゆっくりとハンドルを右に回して車を走らせ始めた。好美「そう言えば今日はどこ行くん?」操「久々にあそこ行こうと思っとんじゃ・・・、因みに度胸が無い奴は今日昼飯抜きじゃ。」瑠璃・好美「まさかあそこ?!」美麗・桃「ん?」 数時間走った車はどんどんと山間部に入って行き、少し進んだ先にある数台分しかなさそうな駐車場へと止まった。操「着いたじぇ。」 近くに設置された小さな入れ物に小銭を入れると、坂道を歩き少し暗めの場所に向かった。歩を進めていった先で多くの観光客が並んでおり、そのまた先で
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