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5. 「あの日の僕ら」㉒

Penulis: 佐行 院
last update Tanggal publikasi: 2025-09-07 08:30:52

-㉒ ドキドキの試着-

 折角の浴衣を汚す訳にも行かないので先にアイスの件を済ませる事にした守、1階の自動ドアから入って直接アイスクリームショップへ向かうと早速店員が好美を誘惑した。

店員「いらっしゃいませ、今ならダブルの料金でトリプルに出来ますがいかが致しましょうか。」

 好美は目を潤ませながら守の顔を見た。

守「はぁ・・・、仕方ないな。」

好美「勿論、ダブルでお願いします!!」

 楽しそうにアイスを6種類選ぶ好美、先程炒飯を5人前平らげた様には全くもって見えない。

 選んだアイスを受け取りニコニコしながら食べる様子から見るに、「女性にとってデザートは別腹」という言葉が嘘では無いらしい事が分かる。

 アイスを6個とも平らげてしまうと勢いよく立ち上がり守の腕を引っ張って今回の目的地へと向かった。

 和装専門店に着くと先日お世話になった店長が笑顔で出迎えた。

店長「いらっしゃいませ、あ、お待ちしておりました。お二方の分、出来上がっておりますよ。宜しければご試着されますか?」

好美「はい勿論、早速させて下さい。」

店長「では彼女さんは私とこちらへ、彼氏さんは私の部下が参りますので少々お待
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    -185 店には着いたけど・・・- ダンラルタ王国にて連なる山々を眺めながら国王の背で笑顔を見せる好美は美しい景色によりすっかり空腹を忘れてしまっていた、これは台風が来かねない位の事態と思われたが今はそれ所ではない。しかし、2人共に(?)今から向かう目的地における問題の当事者では無いのでゆったりとした空の旅を楽しみながらずっと笑い合っていた。ただ転生者達、いや住民達にとっての貴重な経験は長くは続かなかった。守「王様、こちらです!!非常に申し上げづらいのですがずっとグルグルと回ってないで降りて来て頂けませんか?」 いつの間にか目的地についていた事に気付いていないフリをしていたデカルトは後ろを追う守達が来るまで好美に特別サービスを行っていた、どうやら王城で延々と家事をこなしていた為に外で遊びたかった様である。デカルト「すみません、お気遣い感謝致します。すぐに降り・・・、へ?」 突如好美に背中を数回タップされた国王は好美へ耳を貸す事にした。好美(小声)「あの・・・、敢えてずっと旋回を続けて頂けませんか?もう少しだけ遊びません?」デカルト(小声)「貴女も悪いお方ですね、彼氏さんを無視しちゃって大丈夫なんですか?」好美(小声)「折角の旅行なんでもう少しだけ楽しみたくて、駄目ですか?」 好美の質問に優しく微笑みながら返答したデカルト。デカルト(小声)「ハハハ・・・、好美さんが良いなら私は構いませんよ。それにしても折角のご旅行中に私共の大臣がご迷惑をお掛けして申し訳ありません、お詫びと言ってはなんですがサービスさせて頂きますね。」好美(小声)「私自身は大丈夫です、ランバルさんには悪いですけどお陰でそれなりに楽しませて貰っていますので。」 そう言うと速度を上げて空中を旋回するデカルト、何処からどう見ても好美の悪戯心による行動だという事が分かる。地上から2人の様子を見ていた守はため息をつきながら好美に『念話』を飛ばした、元の世界にいた頃と合わせたらこういった放置プレイは何度目だっただろうか。守(念話)「好美、勘弁してくれよ・・・。それにその人国王様だろ?大丈夫なのか?」好美(念話)「良いじゃん別に、本人が「良い」って言ってくれたんだから。」守(念話)「だからって他の人を待たせたら駄目だろ、特に渚さんに変なイメージを持たれたらまずくねぇか?」 時すでに

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    -182 何とかなるかな- 王族夫妻の口喧嘩(?)から数十分、やっとの思いで王宮にある部屋の掃除を終わらせたデカルトは滲み出ていた汗を拭いながら好美に『念話』を飛ばした。国王の様子からは本人の恐妻家っぽさが滲み出ていたので「鉱山下の大蜥蜴」にいた3人はため息をつくばかりであった。デカルト(念話)「す・・・、すみません・・・。流石に愛する奥様に逆らう訳には行きませんので。」 普段から「愛する奥様」だなんて言っていないのが何処の誰が聞いても分かってしまう、どう考えてもその場しのぎでの言動だという事が見て取れて仕方が無かった。プーラ(念話)「私がそんな言葉で許すとでも思ったの?本当は掃除なんてはなからやる気無かったくせに。」デカルト(念話)「いやあのね・・・・、プーラさん・・・。私だって国民の為に忙しく働いているんだからなかなか掃除なんて出来ないんですよ、その辺を考慮して頂かないと。」プーラ(念話)「あんたね・・・、今日は1日ほぼ予定なかったはずよね・・・。本来予定してた鉱山の視察だって延期になったって聞いたから今日は暇と思うけど。」デカルト(念話)「な・・・、何でそこまで・・・。」 どうやら王妃には全てお見通しの様だ、これでは下手な嘘なんかつけやしない。しかしプーラも鬼ではなかった、残りの12部屋の掃除もしっかりとこなしたので・・・。プーラ(念話)「でも良いわ、ちゃんとこの様に綺麗にしてくれたから許してあげる。」 ただ王様を許すと言っていた王妃の右手には割り箸等にガーゼをかぶせて輪ゴムをくくりつけた有名な便利道具がしっかりと握られていたが今は忘れておこう。プーラ(念話)「貴方、後でリビングにおいでなさいね。あ、好美さんでしたっけ?今からで宜しければうちの人へのご用事をどうぞ。」好美(念話)「あ・・・、有難うございます。王妃様・・・。」 改めてタオルで汗を拭いながら好美からの『念話』に対応するデカルト、やっと話が進む様なので俺も一安心だと思いたい。デカルト(念話)「大変申し訳ありません、好美さん。それでどの様なご用件でしょうか。」 好美はロラーシュ大臣とランバルの間にあった事について自分が話せるだけ話した、その話を聞いて発起人は頭を抱えていた。確かに原因のおおよそ半分を作ってしまったのは自分なので改めて考え直さなければならない。デカルト(

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    -181 国王の性格と現状- 「やはりか」という言葉を頭に思い浮かべながら2人は店主の行動のおかしな点を指摘した、自分がやっとの思いで出そうとした店だと言うのにどうして兄の発言に合わせる必要があったのだろうか。守「あの・・・、どうしてロラーシュ大臣を待つ必要があると言うんです?」好美「そうですよ、この店の店主はランバルさんなんだからご自分で決めて開けてしまえば良いじゃないですか。」 確かにそうだ、洋食と拉麺のコラボを実現したいのなら店を開店させてから商品を考えてしまえばいい話だと思われるが。ランバル「それがですね・・・、自分が店主をやらないと意味が無くなる、王様に何を言われるか分からないと言われましてね。」好美「そんなの横暴ですよ、突然やってきて店の改装費用や調理器具等の手配は全てランバルさんがやったってのにいきなりやって来て自分が店主をやるだなんてふざけているにも程があります!!」 好美の言っている事は確かに正しい、しかし興奮しても話が前に進む訳では無いので一先ず守は恋人を制止する事にした。守「好美、落ち着けよ。今お前がどうこう言ったって仕方が無いだろう。それで・・・、どうしてその場でお兄さんに何も言わなかったんですか?」ランバル「言わなかった・・・、と言うより言えなかったんです。何分、自分の意見を言うだけ言ってすぐに出て行っちゃったんですから。」 おいおい守、さっきの店主の話をちゃんと聞いてなかったのかよと言いたいところだが今はやめておこう。1国の大臣により多くの者達が巻き込まれる予感がする重要な案件を話し合っているのだ、これは邪魔する訳にはいかない。好美「一先ずデカルトさんに話を通すのが先決なんじゃない?1番の言い出しっぺは他でも無いあの人なんだからさ。」ランバル「王様にそんなの言いづらいですよ、私はただのいち庶民なんですから。」守「しかしこのままだとロラーシュ大臣の思うつぼですよ、何とか手を打って貰うべきだと思います。」 善は急げと言わんばかりに好美はデカルトに『念話』を飛ばして聞いてみる事にした、そう言えばここは異世界だったなと言いたかったがよく考えてみれば2人に接点なんてあったのだろうか。好美「デカルトさんとは呑み友なのよ、パルライさんの紹介で一緒に呑む様になったの。」 どうやら「暴徒の鱗」の支店をダンラルタ王国に出すと

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    -180 力になれるか- やはり一国の王城で大臣をしているからか、もしくは過去のやらかしをナルリスから聞いていたからか、好美がロラーシュの事を知らない訳が無かった。きっと渚の屋台での修業の相談を受けていた1人だったからという理由が1番だと思われるが好美にとってはどれでも無かった様だ、好美が大臣の過去のやらかしを初めて知ったのはテレビのニュースでだった上に王城の者で会った事があるのはパン屋でひっそりと働く王族達だけであった。ランバル「ああ・・・、あのニュースですか・・・。あれが報道された時私も恥ずかしくて顔を赤くしちゃいましたよ、本当に情けなくて仕方ありませんでした。」 兄の黒歴史を滲む汗を拭いながら話す弟、ただ今聞きたいのはそんな事では無い。守「それで・・・、ロラーシュ大臣がこの店に来た時に何を言ったんです?」ランバル「ああ・・・、そうでしたね。ついつい忘れかけていましたよ。」 顔を赤くしながら頭を何度も下げる店主、どうやらこういった行動は癖だと言っても良い位によくやってしまうらしい。ランバル「私も小耳に挟んだだけの話だったんですが兄は王様から「暴徒の鱗」という拉麵屋の支店をこの国に出す為に修業をして来る様に命じられた様なんですね、ただその直後に何処からか私が店を出すと言う話を聞きつけて飛ぶ様に帰って来たんです。この店の開店を数日後に控えていたその時、そこのドアを勢いよく開けて私に言って来たんです。」 ランバルは店の出入口を指差しながら続きを語った。ランバル「「ランバル、良かったら洋食と拉麺を融合した店を出そう!!俺が今受けている修業が終わるまで店を開けずに待っててくれ!!絶対だぞ!!」とだけ私に告げてすぐに出て行きました、兄は昔から言い出したら聞かない人でしたから私も何も出来なくて今に至る訳なんです。」守「そうですか・・・、困ったもんですね・・・。好美、何とか出来ないか?」 その場で力になれそうなのは他でも無く好美だった、やはり優秀な起業家なうえに「暴徒の鱗」の経営者の1人だからだ。好美「私?うーん・・・、ちょっと考えてみないと・・・。」 流石に他店の、ましてや渚の経営する屋台の事に付け入るのは気が引けた、ただ話の流れが読めない店主はただただその場でポカンとしていた。ランバル「あの・・・、どう言う事です?」 好美はため息をつきながら

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