Semua Bab (改訂版)夜勤族の妄想物語: Bab 321 - Bab 330

377 Bab

4. 「異世界ほのぼの日記2」139

-139 燈台下暗し~救世主はすぐそこに~- 行列をなしていた客足がやっと落ち着いたので、合間を見てこまめに水分を取りながら皿洗いをしていた2人は汗だくになっていた。息切れしつつずっと鍋を振り続けていたのだ、そうなっても決して不自然ではない。 2人はずっと辺りを見回していた、まるでいなくなった猫を探すかの様に。イャンダ「こんなに皿が積まれるのは久方ぶりだな、俺ら明日生きているかな。」 ふと調理場内の掛け時計を見ると22時を指していた、アルバイトの帰る時間だ。今からは夜勤のピューアも有休なので2人でずっと対応する事になってしまったのだが注文された料理を作ろうにも器が無いので出せない、そんな中でデルアは通路を挟んで隣接する「コノミーマート」の方を見ていた。イャンダ「なぁデル、この世界に救世主って・・・。」デルア「いた。」 デルアは最後の力を振り絞り藁にも縋る思いで救世主の元へと向かった。 丁度その頃、「コノミーマート」ではバイトを終えたスライムのプルが携帯を片手に店から出て来た。プル「お疲れさんです、お先に失礼します。」イェット「お疲れ様、明日は休みだったね。ゆっくりしなよ。」プル「はーい、ん?光はんからや、何やろ・・・。」 プルがふと携帯の画面を見ると光からメッセージが届いていた。光(メッセージ)「「暴徒の鱗」の屋外テーブル席で呑んでます、バイトが終わり次第プルもおいで。」プル「何やて、すぐに行かな。ふふふ・・・、ビールビール。」 その時、息切れしながら「暴徒の鱗」店内で1人にやけが止まらないプルを必死に引き止める声がした。「暴徒の鱗 ビル下店」の副店長、デルアだ。 デルアが必死にプルを引き止める横でイャンダが必死に中華鍋を振っている、伝票の勢いは落ち着いてきたが未だに注文が来ているのは間違いではない。ただ今言えるのは1つだけ、デルアの見つけた「救世主」とはプルの事だったのだという事。デルア「プルちゃん・・・、助けてくれ!!皿洗いが追いつかない、頼めるのはプルちゃんだけだ。無理も承知なのは分かってる、勿論給料色付けて出すから頼むよ。」プル「えっ?!でも私今から光はんと呑むんです。」 すると、未だに中華鍋を振っているイャンダがとあるチケットを懐から出した。その光景を見たプルは目を輝かせていた。イャンダ「折角呑みに来ているのを無理
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4. 「異世界ほのぼの日記2」140

-140 余裕の救世主と仲間達- ものの10分足らずで積まれた皿汚れの洗浄(と言うより捕食)を終えたプルは早速人の姿に戻りイャンダから報酬の入った封筒と例のチケットを受け取った、未だ伝票は止まっていないが先程までと比べて勢いは弱まっているので後は自分達で何とかするという。プル「あの・・・、こんなんでいいんですか?」イャンダ「勿論、約束だからな。ありがとう。」デルア「ほら、俺からのお礼だ。呑んでくれ。」 調理場からデルアが自らキンキンに冷えた生中を持って来てプルに手渡した、今日の1杯目を受け取ったスライムは勢いよく煽った。プル「ぷはーっ、これの為に生きてますわ!!」デルア「大仕事を終わらせた後だからよっぽどだろう。」 プルからすれば全くもって大仕事とは言えなかったが、目の前の副店長が言ったのでそういう事にしておいた。 プルがジョッキ1杯を吞み干すと、今度はイャンダが生中を持って来た。イャンダ「俺からもだ、ほら。」 プルは1杯の様に受け取った生中を煽る、よっぽどと言える位今日のビールにありつきたかったのだろう。 お礼のビールを呑み干したプルはジョッキを店長に返却して光達の待つ屋外テーブルへと向かった。 屋外テーブルでは光達が美味そうな料理を肴に様々な種類の酒を呑んでいた、奥では大食いで有名な女子高生達が注文用のハンディ片手に食事をしている。光「プル、遅かったじゃない。」プル「すんまへん、ちょっと色々ありまして。」 光はプルの左手に目をやった、例のチケットと今日の給料が握られている。光「あんた、何でそれ持ってんの。」プル「実はさっきここの調理場で皿洗い手伝ったら店長はんがくれたんです。」好美「という事は・・・、本物?!」プル「勿論、直接貰ったんで。」 実はこの「ビール吞み放題チケット」、本物は札の様に透かしなどといった偽装防止策がなされているのだがそれでも何とかビールを好きなだけ呑もうと偽物を作ろうとしている大馬鹿者が多数存在しており、それに伴った偽物が多数出回っていた。しかしプルが貰ったのは紛れもなく本物だ。光「やったじゃないか、大事に使いなよ。ほら、今日は神様の奢りだから好きなだけ呑みな。」プル「はい、早速頂きます。」 熱々の鶏の唐揚げを小皿に取って1口、そこに冷えたビールを流し込んだプルは何とも嬉しそうな表情をしてい
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5. 「あの日の僕ら」①

 午後8時20分、一般的には仕事を終えた会社員や学生達で繁華街がごった返すであろう時間帯だ。もう一方では恋人達が愛を育んでいるであろうとも言える時間帯だ。 そんな中、山の中の一軒家で携帯のアラームが鳴ると俺の1日は始まる。ため息と共に起き上がりベッドから降りる。院「はぁ・・・、また今日もか・・・。」 そう、俺・佐行 院は相も変わらず「夜勤族」だ。 この昼夜逆転生活が始まってから俺の体質にはある変化があった、決して良くはない変化だ。 夜勤の初日の夕食後、出勤する直前に緊張と「どうして自分が夜勤に?」という疑念を頭の中で巡らせていたが故か、嘔吐下痢を発症してしまった為その日をきっかけにカレーが食べれなくなってしまった。今でも同様の症状が俺を襲う。 そんな中、俺はふと思い出した。今までまともな恋愛を経験していなかったことを、そしてこれからもしないであろうという事を。 だからせめて妄想の中だけでもと、そう思いこの作品を書いた。 さぁ、再び俺の妄想の世界に貴方方を誘おう・・・。5.「あの日の僕ら」佐行 院-① 序章~卒業~- 義弘による貝塚学園での独裁政治が幕を閉じてから1年後の3月9日、宝田 守達は各々進学先を決めて卒業証書授与式の日を迎えていた。 前社長から貝塚財閥の全権を奪取した結愛が実質理事長となっていたが、いち生徒でもあったのでハワイから戻って来て代理として学園を支えていた会長の博から1人ひとりに手渡された卒業証書を手に守は幼馴染の赤城 圭と帰路に着いた。守「あーあ・・・、3年間色々あったけど結局彼女出来なかったな。」圭「何言ってんの、人生まだまだこれからじゃない。」 2人は学園を出てからすぐの場所で足を止めてため息をつく、実は密かに浜谷商店の復活を願っていたのだ。 卒業までにもう1度だけでも大好物を口にしたかったらしい。圭「しょうがないでしょ、あの夫婦は元々大企業の社長夫婦だったんだから。元々の仕事が忙しくなったんじゃない。」守「そうか、それにしても寂しいな。」圭「私もよ、本当あの頃が懐かしい。」 1年の頃に毎日2人で買い食いをしていたあの頃を懐かしみながら卒業証書の筒を開け閉めして音を鳴らすというベタな遊びをずっとしていた、最後の下校は30分程で終わった。 守の家の隣にあるアパートで1人暮らしをしている吉村 光が2人
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5. 「あの日の僕ら」②

-② 初見はチラ見- 圭が電車に乗って旅立ってから約3時間後の13:30、街の中心部にある駅前のバスターミナルで高速バスから降りた倉下好美は携帯を確認していた。偶然高校からの友人が同じ学部学科に通う事になったので買い出しを兼ねて会う事になっていた、因みにどうでも良いかも知れないが今夜の夕食の予定はまだ決めていない。好美「えっと・・・、桃と会うのが15:00だからそれまでに不動産屋に鍵を貰いに行って家に荷物を置きに行かなきゃだね。」 駅前のロータリーから数分歩いた所にある不動産屋、こっちでの家探しを丁寧に手伝ってくれた好美にとっての相棒的な存在だった。不動産屋「いよいよですか、楽しみですね。」好美「不安しかないですけど何事もやってみないと分からないですからね。」不動産屋「でも本当に良心的なお部屋をご紹介出来て私も嬉しいですよ、こちらが部屋の鍵です。宜しければ車でお部屋までお送りしましょうか。」好美「いえ、歩いてこの街を見て回りたいので。あの・・・、地図か何かありませんか?」不動産屋「地図ですね、簡単な物で宜しければお書きいたしましょう。」 コピー機からA4の紙を1枚取り出すとボールペンで丁寧に線を引き出した不動産屋、好美の様な客に慣れているのかどこか軽快に書いていく。不動産屋「どうぞ、では新生活楽しんで下さい。」好美「ありがとうございます、本当に助かりました。」 店を出て川沿いのボードウォークをゆっくりと歩いて商店街のアーケードを抜けた所を右に曲がる、どうやら今夜含めて夕食の買い物は近所で済ませる事が出来そうだ。 交差点を曲がった所からは家が立ち並んでいた、街路樹がコンクリートの歩道に彩りを加えていて木陰のお陰で少し涼しく感じた。 地図の通り住宅街をまっすぐ歩いていると双子の様に並んで聳え建っていた2棟のビルが一際目立っていた、どうやらここが新居らしい。 1号棟の1階部分にはコンビニ、そして2号棟には「松龍」という中華居酒屋が店舗として入っていた。松龍はランチも人気らしく、腹を空かせた多くの学生達が学生証を手に並んでいた。学生限定の激安ランチでもあるのだろうか、入学前だが学生証だけは先に郵送されていたので好美は何となく楽しみになっていた。因みにこの事は守も同じで、早速同じ学部学科に通う予定の橘と学生限定ランチを食べに来ていた様で偶然好美
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5. 「あの日の僕ら」③

-③ 偶然なのか必然なのか- 守と橘にとって松龍は昔からの馴染の店であった、店主は2人の顔を見るなりいつもの言い慣れた台詞を言った。店主「おう守達じゃないか、いつものかい?」守「いや、今日からはこれを使うんだ・・・。」店主「お前ら大学に入ったんか、入れたんか!?」 自慢げに手に入れたばかりの学生証を提示した守、それを見た店主は守の高校時代の成績を知っていたので驚きを隠せなかった。いつもは貝塚学園高校に学生証が無かったのでオムライス一択なのだが、今日からは堂々と「特別メニュー」を選べる。 松龍での学生に人気のランチである「特別メニュー」とはご飯と御御御付が付いた上に好きなおかずを2種類選んで食べる事が出来る物だった、値段はワンコイン500円(学生応援価格というやつだ)。大抵は主要なおかずとサラダを選ぶ学生が多かったのだが、初めての守はロースカツとメンチカツを選んだ。店主「お前マジかよ、うちのは両方でかいぜ。」守「ガキん時からの夢だから良いじゃんかよ。」 ほぼ同刻、こっちに引っ越して来たばかりで昼食がまだだった好美はどうしても手に入れた学生証を使って松龍に行ってみたかった。とにかく空腹で仕方なかったがはやる気持ちを抑えていた、桃を待っているからだ。 思ったより早く桃が到着したらしく、好美の部屋のインターホンが鳴ったので部屋にある電話の受話器で対応した。桃(電話)「好美、開けて。」 このマンションの出入口の自動ドアはオートロックで常に施錠されており、住民以外の物はセンサー横のインターホンに部屋番号を入力して通話をすることになっている。住民が部屋にあるボタンで自動ドアを開けて迎え入れる事になっており、天井のセンサーが来訪者を察知するか一定時間を超えると勝手に閉まるシステムになっていた。好美「桃、お昼食べた?」桃(電話)「実は忙しくてまだなんだ、お腹空いたよ。」好美「だったら1階の店行ってみない?そこ学生証出したら安くなるらしいよ。」桃(電話)「良いじゃん、じゃあ待ってるわ。」 エレベーターの前で待つことにした桃、すると思ったより早く好美が降りて来た。桃「本当にここに住むんだ、高かったんじゃないの?」好美「それがだいぶ安いのよ、家具家電付きで月家賃48000円。」桃「へ・・・、へぇ・・・。」 桃はこっちに親戚が住んでいるので家探しを
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5. 「あの日の僕ら」④

-④ 面接- 好美達は商店街での買い出しを済ませ、好美宅の冷蔵庫へと入れると桃の住む親戚宅へと向かった。鍋などの細かい荷物は実家から送るなり先に購入して配送するなりで間に合っていたので後は荷解きをするだけ、正直その荷解き自体忙しくなりそうだが。 桃の叔父である和多和樹(わだかずき)は温かな笑顔で好美を迎えた、奥で妻の芳江(よしえ)が料理を作っている。好美の好みを予め桃から聞いていたからか今夜は肉料理中心にするらしい、まだ未成年の好美達の為に白飯もうんとたっぷり用意していた、ただこの後蕎麦も食べるので炭水化物だらけにならないかと心配していたのだが。 和多邸は好美の住むマンションから歩いてすぐの場所なので帰りは桃が送っていく事になっている。桃「ただいま、好美来たよ。」和樹「いらっしゃい、遠かったでしょ。ゆっくりして行きなさい。」 和樹は冷蔵庫から冷えた瓶ビールとコーラ、そしてグラスを4つ取り出して乾杯を促した。芳江が用意した肉料理がその場を温かくした、白飯もどんどん進んだ。 引越し蕎麦含めて飲み食いを大体2時間位楽しんだ後だっただろうか、桃は好美を連れてマンションまで歩き始めた。桃「ごめんね、付き合わせちゃって。遅くなったから迷惑だったかな。」好美「ううん、そんな事ないよ。美味しかった、ありがとう。」桃「それを聞けて嬉しいよ、次会う時は入学式かな。」好美「ふふふ・・・、楽しみだね。あ、もうここで大丈夫。」桃「そっか、じゃあ私コンビニで何か買って帰るね。」 1号棟のコンビニでアイスとジュースを購入した桃は足早に家に帰った、これからの学生生活を想像すると楽しみで仕方が無かった。 自宅に戻った好美は求人雑誌を開いた、そこにはまさかの「松龍」の名前と「可愛い女の子大歓迎」の文字。飲食店だからか、時給も悪くない。 好美は早速店に電話をして翌朝に面接の予約を取り付けた、聞き覚えのある店主の声はどこか嬉しそうだ。 念願のアルバイトが来たからか、それとも可愛い女の子からの電話だからか。店主(電話)「明日楽しみに待ってるからね、おやすみなさい。」好美「こちらこそ、よろしくお願いします。えっと・・・、おやすみなさい。」 翌朝、約束の時間の5分前に松龍に到着した好美は早速引き戸を開けた。好美「おはようございます。」店主「おはようございます、ただ恐れ
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5. 「あの日の僕ら」⑤

-⑤ 入学、そして初めてのバイト- 龍太郎は好美を含めた上での細かなシフトの相談をし始めた、調理場では王麗が大きな寸胴でランチタイムで使うであろう鶏がらスープの仕込みをしている。龍太郎「えっと・・・、いつから入れそう?あ・・・、でも彼氏さんとのデートの予定があったらそっち優先してくれていいから。」王麗「このバカ店主、面接で何言ってんだい!!」 耳がすこぶる良いのか、奥から王麗のツッコミが飛ぶ。龍太郎「母ちゃん相変わらずの地獄耳だな・・・、畜生・・・。」好美「ははは・・・、生まれてこの方彼氏は出来た事が無いので安心して下さい。」龍太郎「そうなの?!じゃあ、俺がなろうか!!」 すると奥から大きなお玉を持った王麗が来て、そのお玉で強めにツッコミを入れた。王麗「何処に食らいついてんだい、あんたは。本当にうちのエロ店主がごめんね。」好美「いえ、大丈夫ですから。えっと・・・、今週末から入れると思います。」龍太郎「本当?助かるよ、じゃあ土曜日の夕方から早速入って貰おうかな。制服なんだけどその時に渡すからね、普段着のまま来てくれたら大丈夫だよ。」好美「分かりました、宜しくお願いします。」 無事にバイトを見つけた好美は翌日、桃と大学の入学式へと向かった。着慣れないパンツスーツで緊張しながら式を終え、各々の学科専用の建物で科目履修についての説明を聞く事に。教室が広すぎるのか、担当の教員がマイクで話す羽目になっていた。教員「えー、皆さんご入学おめでとうございます。早速授業の履修登録についてですが、最初の1回を受けて取るか取らないかを決めてパソコンで登録して下さい。期限があるから早めにお願いしますね、ただ月曜日はイベントをこなして貰う日なので本格的な授業が始まるのは火曜日からになります。ただ、来週の金曜日から始まる「共通教養」は必ず2つ取って下さいね。では今日は以上です、お疲れ様でした。」 桃は「共通教養」の科目リストをじっくりと見ていたが何が何だか分からなくて想像がつかない物ばかりが挙げられている、その様子を見た好美も科目リストを取り出して見始めた。好美「全然分かんない・・・、一緒のにする?」桃「そうだね、その方が安心だわ。」好美「この授業は・・・、あの大きな建物なんだよね。」桃「うん、じゃあそれで行きますか。」 一先ず2人はパソコンを開き先程の
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5. 「あの日の僕ら」⑥

-⑥ ボールペン- 金曜日に履修登録を全て終えた守はその日の夕方からバイトに明け暮れた、母に渡す金と自らのお小遣いを少しでも多くしたかったので必死だったのだ。今の目標はもう一度松龍で贅沢なランチを食べる事、そして頑張って欲しい物が。 土曜日、ランチタイムを終えて一旦閉めた喫茶店で店主の我原 聡(がはら さとし)は守に声をかけた。我原「そんなに必死になってどうした?」守「免許を取ったら自分の車が欲しくなると思ったので、せめて中古の軽を買える程のお金を稼ぎたいと思いまして。」 ひたむきな守の姿に涙する我原、今度の給料は少しだけだが色を付けてやろうと誓った。 月曜のイベントと木曜日までの授業とバイトをこなした翌日、そう、例の「共通教養」のある金曜日。守と橘は大学で出逢った友人数人と共に学内で一番面積の広い大ホールへとやって来た、ここが授業の教室である。階段状になっていた通路の先にとても大きな黒板とスクリーンが設置されていて、アーチ状に設置された席には学部学科関係なく多くの学生が座っていた。橘「端の方でいいよな、上の方が見やすいと思うのは俺だけか?」守「いや、俺も思ってた。」 通路の階段を数段降りた所に丁度人数分の空席らしき椅子を見つけたのでそこに座ろうとしたがもう既に取られていたので仕方なく前の席に、少し時間があるので木曜の授業から出ていた宿題を行う事にした。正直今しておかないと忙しくて他にタイミングが無い。橘「お前、真面目だよな。感服するわ。」守「今日はバイト休みだけどレポート書かなきゃだから。」橘「俺も一緒にレポートしに行っていいか?おばちゃんに久々に会いたいし。」守「お袋に聞いてみるわ。(メッセージ)今日橘がレポートしに家に行くかもだけど良い?」 丁度その頃、真希子はいつもより多めにカレーを作っていた。真希子(メッセージ)「勿論構わないよ、夕飯一緒に食べようと伝えておいておくれ。今日はカレーだよ。」守(メッセージ)「分かった、サンキュー。」 守が橘にOKサインを出すと橘は物凄く嬉しそうにしていた。守「お袋が今夜のカレー一緒に食ってけって。」橘「あん時のカレーか?!最高じゃねぇか!!」守「おい、レポートするっていう今夜の目的を忘れんなよ。」橘「分かってるよ。」 守は気を取り直して宿題に取り掛かろうとした、ボールペンに手を延
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-26
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5. 「あの日の僕ら」⑦

-⑦ 奇跡の再会- 数段下の席の真横に落ちたボールペンを好美が取りに行くとその席に座っていた守が同じタイミングでボールペンを取ろうとしていた、しかし緊急事態が発生する。 2人が落としてしまったボールペンは偶然同じ種類だったが、好美のペンは買ったばかりで守の物はインクが切れかけていた。 好美は慌てて1本取って上にある自分の席まで駆けあがった、ただその時には互いのペンが入れ替わっていた。好美「すみません。」守「こちらこそ。」 ペンが入れ替わってしまった事に最初に気付いたのは守だった、「共通教養」の授業を終えた後に橘と家に帰ってレポートを書こうとしていた時の事。守「このボールペン、新しく買った覚え無いんだけどスラスラ書けるな。」 ラッキーと思った守は効率よくレポートを書き上げた。 ほぼ同刻、松龍でバイト中だった好美は注文を取ろうとしたのだが・・・。好美「あれ?壊れちゃったかな・・・。」 偶然好美の様子を見た龍太郎が声をかけた。龍太郎「どうした?」好美「ボールペン壊れちゃってインクが出ないんです、龍さん、1本借りていいですか?」龍太郎「うん、そこので良いなら勿論構わないよ。」 今日は龍太郎に借りたボールペンで何とかやり過ごしたが2人は同時に「今日の出来事」を思い出した、面識が全くない位に1度会った記憶すら消えてしまっているので互いの連絡先なんて勿論知らなかった。2人(同時)「来週の金曜日に返すか・・・。」 翌週の金曜日、互いに先週と同じ格好で教室に入った2人はすぐにボールペンを返却する事にした。 数段上の席に好美の姿を捉えた守が近づき声を掛けた、守は可愛い子でラッキーと思っていた。守「すみません、これやっぱり貴女のボールペンでしたか。」好美「やっぱりですか、私もごめんなさい。」 ボールペンを返却し合った2人はそれから火曜日まで互いを意識し合いながら日常を過ごした。守「あの子、何処かで・・・。ただ学部学科違うよな、誰だったんだろう・・・。」好美「また金曜日会えるかな、今度は私から声かけてみよう。」 そう思いながら迎えた水曜日、いつもは学内の食堂で昼食を食べていた守と橘はたまには違う物をと学生証を片手に松龍に来ていた。 正直、食堂のランチは学生の味覚に合わせた料理なのは分かるが全体的にマヨネーズの味ばかりが目立っていたので飽き
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-26
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5. 「あの日の僕ら」⑧

-⑧ まさかの2人- 座敷に座る守の前で顔を赤らめる好美の後ろから龍太郎が声をかけた。龍太郎「俺の娘だ、手出すんじゃねえぞ守。」王麗「いつからあんたのになったんだい!!」 お盆で強めのツッコミをする王麗。龍太郎は頭をさすっていた。龍太郎「痛ぇな・・・、この頃母ちゃん強いぞ。ツッコミというより暴力だよ、DVだよ。」王麗「馬鹿な事言ってる亭主への愛情表現って事にしておきな。」 2人の様子を見てクスクスと笑う好美。好美「守さん・・・、ですか?今度の金曜日の授業来ますか?」守「勿論、行く予定です。」好美「それと、今日のランチはどうします?」 少しの間、何故かその場が静寂に包まれた。きっと選択を誤るとまずい事になると守は察した。守「ロースカツとメンチカツで・・・。」 笑顔になった好美は楽し気に注文を通した、因みに橘はロースカツとポテトサラダ。橘「お前、よく食うな・・・。というかもしかして今の子って・・・?」守「ああ、思い出した。この前の人だ、また会えた。」 店の奥に走った好美はまだ顔が赤かった、守にまた会えて嬉しかった様だ。好美「今日、バイト代無しでも良い位嬉しい。」 好美は笑顔で守の注文したランチを持って来た、意識してでの事か、気持ち白飯が大盛りになっていた。 2日後の金曜日、好美と守は再会するとすぐに連絡先を交換した。その様子を桃と橘が傍らで見ながら話していた。桃「あの2人、最近良い感じみたいですね。」橘「そうですね、いっその事くっついちゃえば良いのに。」桃「何か・・・、羨ましいですね。」橘「あれが恋ってやつなんですかね。」 何となくの流れで2人は互いの自己紹介をした。桃「私桃です、鹿野瀬 桃。」橘「橘です、橘 正(ただし)です。」桃「あの、あたし達で2人をくっつけちゃいましょうか。」橘「いいですね、やってみますか。」 流れで連絡先を交換した2人は共謀して好美と守をくっつける事にした、ただ2人が何もしなくても良い様な流れになっているのだが。 それから好美達は2人で食事をする様になった、桃は心配せずともくっつくと思ったので橘に連絡を入れた。桃「余計な事はしなくても良いみたいです。」橘「そうですね、ほっときますか。」桃「あの・・・、あたし達何か気が合うと思いません?」 桃の質問を聞いた橘は暫くの間黙り込んだ
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