All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 601 - Chapter 610

612 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」99

-99 ホウ・レン・ソウ- 渚は話の流れから予想していたので冷静に対処していた様だが、ロラーシュの突然の申し出に自分1人で判断をして良い物かと悩んだ結果としてやはりシューゴとパルライの2人に『念話』で相談してみる事にした。自分が光に昔食べさせていた家庭の味を基にプロデュースした「特製・辛辛焼そば」は兎も角、メインである拉麺の元々の味を作り出したのは2人と言っても過言では無い。シューゴ(念話)「弟子ですか・・・。」 シューゴはバルファイ王国の国道を南下しながら渚からの『念話』を受けていた、もうすぐ貝塚学園魔学校が見える所まで来ていてこの日の巡回コースの3分の1まで達していたが時間的に余裕があったのでゆっくりと考えていた。シューゴ(念話)「「暴徒の鱗」の味と言っても、元々俺がしていた「暴徒」とパルライさんの「龍の鱗」の混合ですから片方が勝手に動く訳には行かないでしょう。」渚(念話)「じゃあ・・・、やはりパルライさんの判断を仰ぐのが1番なのかね。」 叉焼のベースや拉麵のかえしとなる醬油ダレは「暴徒」の物を使っているが、鯛出汁を中心に鶏ガラやゲンコツ等で取っているスープはパルライオリジナルなので双方の同意が必要になる。 しかし、シューゴの心中ではもう1つ懸念している事が有った。数か月程前から全店で使用している麺は一秀が店長をしている店舗に任せてあり、そのレシピを一秀が門外不出にしているのだ(※ここからは「一(にのまえ)」の事を「一秀」と表記します)。渚(念話)「まぁあの人は強情で頑固って訳じゃないから大丈夫と思うけど、私も含めて4人で1つの店を作っている様な物だからね。」シューゴ(念話)「そうですね・・・、今でこそ全店で作れる様になっていますがやはり「辛辛焼そば」の味の基礎を作れるのは渚さん以外にいませんからね、それも考慮した上で渚さんはどうお考えなんですか?」 渚は少し落ち着こうと、グラスに入った水を一気に飲んで一息ついた。渚(念話)「私だってあんたと同じ考えだよ、だからこうして『念話』を飛ばしているんじゃないか。」 2人は何よりもパルライの返答が気になっていた、拉麵屋の店主でもある前にバルファイ王国の王でもあるパルライに信頼を寄せている様だ。パルライ(念話)「すみません・・・、もう少々お待ち頂けませんか?今丁度ランチタイムで手が離せないんです
last updateLast Updated : 2026-03-09
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7. 「異世界ほのぼの日記3」100

-100 番外編・やっと出来た2人の時間- ある日の昼前、好美は15階にある自室でビール片手にある事を思い出していた。いつもはがぶがぶ呑んでいる事が多かったが、今日は考え事が中心となっていたのでゆっくりとした大人の酒だったと思えた(と言っているが子供は決して呑んじゃ駄目)。好美「ふぅ・・・、最近慌ただしかったから守と2人でゆっくりと過ごせていないな・・・。」 今日守は出勤日の為に朝からケデールの肉屋へと通勤していた、好美も王城での出勤日だったが夜勤なのでもう既に終わってしまっていた上に今夜は休みという状態。もし仮に休みが一緒だったら一緒に買い物にでも出かけていたのに、よく考えてみれば同棲生活らしい事をちゃんと出来ているか不安になっていた。 一方、引っ越し作業を一段落させて歓迎会の時を待っていた秀斗と美麗の2人は美麗(と言うより王麗)のトラックを駐車場に止めて徒歩で市街地へと向かっていた。散歩感覚という言葉がお似合いと言える光景だ。秀斗「まさかこの市街地を美麗と歩く事になるなんて夢にも思わなかったな、俺もう死んでも良い位だ。」 いや秀斗君、あんたもう死んでるから。死んでなかったらこの世界にいないでしょ。秀斗「気分的にってやつだよ、また美麗を泣かせたら今度は出入り禁止では済まなくなっちゃうだろうが。」 どうやら生前に王麗に言われた言葉を鮮明に覚えている様だ、もしもこの世界に女将がいたらどうなっていただろう。ただ「気分」だけで抑えが聞かなくなっている人間が一名・・・。美麗「秀斗・・・、また私の目の前からいなくなっちゃうの?折角の同棲生活が初日で終わっちゃうの?」秀斗「じょ・・・、冗談に決まっているだろう!!泣いてんじゃねぇよ!!」 お前な、前に自分がどうやって死んだかを忘れたんじゃないだろうな!!軽い気持ちでも言って良い事と駄目な事が有るんだぞ!!もう・・・、俺に任せておけ。 美麗、安心してくれ。秀斗も君も含めて日本からの転生者は不老不死だから「あの日」みたいな辛いお別れは決して来ないと保証してやるよ。美麗「本当?嘘じゃない?」 大丈夫だって、これからは美麗にもこの世界での生活を楽しんで欲しいから約束してやる、最低でもそこにいる馬鹿男と違ってな。美麗「ありがとう、あんたもたまには良い事を言うね。」 だろう?もっと褒めてくれよ。美麗「調子
last updateLast Updated : 2026-03-09
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7. 「異世界ほのぼの日記3」101

-101 特別編①・誘われた署長の前に- 宴へと向かう途中でとある人物の事を思い出した渚は、その人も誘ってみようかと『念話』を飛ばしてみた。渚(念話)「林田ちゃん、今大丈夫かい?」 そう、拉麵屋のおか・・・、いやお姉さんが誘ったのはネフェテルサ王国警察署の署長を務める林田 希(のぞむ)だった。元の世界にいた頃からの良き友人をどうしても誘いたくなったらしい、そう言えば署長本人自体も暫く出て来てなかったから粋な事をしてくれるじゃないかと俺は個人的に思っていた(※ここからは「林田」ではなく「希」と表記します)。渚「あんたまさか、私の可愛い林田ちゃんの事を忘れていたんじゃないだろうね。」 いやいや・・・、決してそんな事はない・・・、ですよ・・・(口笛)。ほらほら、ご友人がお待ちかねじゃないんですか?渚「そう言えば返事が無いね、(念話)林田ちゃん?私の事をシカトするつもりかい?」希(念話)「そんな訳無いじゃないですか、以前から渚さんにはお世話になりっぱなしだというのに返事しないなんて罰当たりな事出来ないですよ。」渚(念話)「じゃあ今の今まで何をしていたって言うのさ、まさか私に言えない秘密でもあるんじゃないのかい?」希(念話)「何を仰っているんですか、ただただ仕事の帰り支度をしていただけですよ。」渚(念話)「ほう・・・、その「帰り支度」とやらには「ポテチを食べる」っていう作業も含まれているのかい?」 実は数分前から希の行動を『察知』していた渚は、飲食禁止になっている署内のロッカールームでこそこそとつまみ食いをしている事を指摘した。こんなのが署長で良いのだろうか。渚「馬鹿な事言わないでくれるかい、林田ちゃんがいるからこの国は安全になっているんじゃないか。」 何か・・・、すんません・・・。 確かにパルライやエラノダ、そしてデカルトといった3国の王がいるからこの世界には何も起こる事無く平和が続いているが警察署員達が「縁の下の力持ち」として安全を守っていると言っても過言では無い。希(念話)「それで渚さん、今日はどうされたんです?」渚(念話)「そうだそうだ・・・。」 おそらくだが、希に聞かれるまで用件を忘れていたであろうと推測できるのは俺だけだろうか。渚「もう・・・、あんたが茶々入れて来るからだろう?全く話が進まないじゃないか。」 だからさっきから
last updateLast Updated : 2026-03-14
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7. 「異世界ほのぼの日記3」102

-102 特別編②・頭痛の再発- 渚に誘われた希は、長年ネフェテルサ王国に住んでいるがこの世界では初めて見る顔の男性に恐る恐る近づいて声を掛けた。希「あの・・・、どうされました?宜しければお聞かせ願えますか?」 相手が話しやすい様にあくまでも下手に出て話す署長。男性「何も覚えていないんです・・・、気付けばここに座っているしずっと頭が痛いしで・・・。」希「そうですか・・・、病院には行かれましたか?」男性「行ってないどころか、ここが何処か分からなくて・・・。」 「まさか」と思った希は渚に『念話』飛ばして事情を説明する事にした。希(念話)「すみません渚さん、少し遅くなるんですがよろしいですか?」 ずっと希の行動を『察知』していたのか、拉麵屋台の店主は許さない訳が無かった。渚(念話)「あんたって昔から放っておけない性格だったからね、その人の事頼んだよ。」希(念話)「皆さんにご迷惑をお掛けしますが、申し訳ないとお伝えいただけますか?」渚(念話)「何が迷惑なんだい、皆で助け合うのは当然の事じゃないか。」希(念話)「そう仰って頂けると助かります、では後ほど。」 『念話』を切った希は未だに頭を抱える男性に再び質問した、嫌な予感が当たらないと良いのだが・・・。希「あの・・・、お名前言えますか?」男性「何も思い出せないんです、服のポケットを探ってはみたんですが自分の身分を証明出来る物が何も入って無くて・・・。」希「良かったら病院までお連れしましょう、立ち上がれますか?」 希はゆっくりと立ち上がった男性と一緒にネフェテルサ王国警察署の横にある貝塚学園大学病院へと『瞬間移動』し、救急救命センターで診察を受けさせることにした。男性「あの・・・、今のは何ですか?!」 男性の様子から分かった事だが、どうやらこの世界の住民では無い様だ。医者「やはり記憶を失っている様ですね、脳に大きな外傷等は無いと思われますが余り刺激を与えない方がよろしいかと。」希「「様子見」が一番でしょうか?」医者「そうですね・・・、すぐに記憶は戻ると思われますが取り敢えずこちらで入院の手続きをしますので少し休ませてあげて下さい。」 希に連れられた男性は廊下の椅子に深く腰掛けた、医者が与えた薬が効いたのか頭痛はもう無い様だ。男性「すみません・・・、何とお礼を申し上げれば良いか分
last updateLast Updated : 2026-03-14
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7. 「異世界ほのぼの日記3」103

-103 特別編③・再発の理由- 女性達による懸命な呼びかけにより駆けつけた医者と希は、やはり刺激を与えてはいけないと思ってそっと頭を抱えていた男性に近づいた。希「大丈夫ですか?何かありましたか?」男性「あの・・・、先程と同様の頭痛がしてきまして・・・。」エルフ「無理をなさらないで下さい、さぁ、こちらへ。」 エルフの手招きによりもう一度深く椅子に腰かけた男性はゆっくりと息を吐いていた。男性「すみません・・・、1つお伺いしても宜しいでしょうか。」 自らの人生でまさか本当に会うと思わなかったエルフに対し、どうして自然な気持ちでいる事が出来たのか分からないまま男性は丁寧に声をかけた。エルフ「私で宜しければ・・・、何でしょうか。」 初対面だというのに唐突に何を聞こうというのか、少し緊張してしまったエルフ。その緊張が表情に出ていたのか男性は目の前の女性に気を遣い始めた。男性「あの・・・、大したことでは無いのですが。」エルフ「大丈夫ですよ、何でも仰ってください。」 とても優しい声色の女性に安心感を得たのか、緊張が解けた男性は気になっていた質問を投げかけた。男性「えっと・・・、先程貴女と一緒にいらっしゃった女性の方は?」エルフ「えっ?!ご存知なんですか?!あの人の事をご存知なんですか?!」 本人の様子から見るに、エルフにとっては大した事だった様だ。男性「知っていると言うより、昔会った事のある気がするんです。」エルフ「「気がする」・・・、とは?」 男性の反応に不信感を抱くエルフに横から声を掛けたのは、男性をこの病院に連れて来た希だった。希「ノーム、その人は記憶喪失なんだ。」 女性の診察に付いて来ていた希の息子である利通(としみち)の妻で冒険者ギルドの受付嬢をしている「エルフのドーラお姉さん」ことノーム・林田は義理の父の突然の声掛けにも冷静だった(※紛らわしいのでここからは「ノーム」と表記します)。ノーム「お義父さん・・・、公共の場なのにその呼び方で話し合って良い訳?」希「今はそれ所じゃないだろう、それで?その人は記憶喪失だが何かあったのか?」 経験している場数が違うからか、署長は至って冷静だった。ノーム「私と一緒にいた女性の事を知っているかも知れないのよ、ただ「気がする」だけとも言ってて。」希「仕方ないだろう、それと今は本人に余り
last updateLast Updated : 2026-03-14
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7. 「異世界ほのぼの日記3」104

-104 特別編④・互いが好きだった物- 希はノームの天然発言にツッコミを入れた後に、頭を抱える男性を連れて医者達により用意された病室へと入った。あまり刺激を与えないでという自分の忠告を守れる様にとの気遣いからか、部屋は個室で用意されていた。男性「良いんですか?こんな私の為にこんな良い部屋を用意して頂いて・・・。」希「何を仰っているんですか、今は甘えていて良いんですよ。」医者「署長さんの仰る通りですよ、今はゆっくりと過ごして下さい。まぁ、ずっといられても困るんですけどね。」 医者による皮肉さたっぷりのジョークが飛び出した後、ノームが診察に連れていたあの女性が病室に入って来た。この世界で長く住んでいるはずの希でさえ余り見た事の無い青い薔薇の花束を抱えて・・・。男性「貴女は・・・。」 女性の姿を見た男性は一言だけ漏らした後に涙を流し始めた、ただその横で女性はただ首を傾げていた。お互いが記憶喪失になっているので致し方ない事なんだが。女性「あの・・・、私の事をご存知なんですか?」 必死に自分の事を思い出そうとするあまり、持っていた花束を落としてしまった女性はベッドの布団を強く握りしめて男性に訴えた。女性「教えて下さい!!私は元の世界でどんな人間だったんですか?!名前も教えて欲しいんです、身分証明書にはこっちの世界で名乗っている仮の名前を記載しているので全く知らないんです!!」 女性の必死の訴えに答えようとする男性、しかし何も思い出せないのが悔しくて堪らなかった。ただ1つを除いて・・・。 男性は痛む頭をずっと抱えながら女性に語り掛けようとした。男性「あの・・・。」 しかし男性の言葉は、入室して来た看護師により遮られた。はぁ・・・、何と空気の読めない看護師だ。看護師「失礼しますねー、大丈夫ですか?あのですね、入院している間はこの入院着に着替えて下さいね。先生方が診察に来られた時にスムーズに進める為の物ですからお願いしますね。」男性「は・・・、はぁ・・・。」 男性は手渡された緑色の入院着に着替えようとした。女性「あの・・・、私売店で買い物をしてきますね。」 女性なりの男性に対する気遣いという奴だろうか。女性「何か欲しい物は無いですか?食べたい物とか。」男性「そうですね・・・。」 女性の顔をじっと見た男性は何かを思い出したかの様に女性に
last updateLast Updated : 2026-03-14
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7. 「異世界ほのぼの日記3」105

-105 特別編⑤・嬉しかったはずなのにあれは夢だったのか- 看護師が用を済ませて病室を出てから数秒後、女性が意気揚々とした様子で病室に戻ってきた。手に提げたレジ袋の中には大きなプリンが2つと紙皿。男性「すみません、会ってそんなに経っても無い方に図々しい事を押し付けてしまって。」女性「良いですよ、私放っておけない性格なんで。」 そう言いながらベッドの上のテーブルに紙皿を2つ並べる女性、まるで誕生日パーティーでも始める準備をしている様だった。男性「何か・・・、豪華ですね。」女性「良いじゃないですか、雰囲気だけでも楽しんだって。」 大きくてシンプルなプリンを挟んで互いの方を向き合う2人、壁に立てかけられた時計の音からただただゆっくりとした時間が流れて行くのを感じていた。女性「ふふふっ・・・。」 何処か不敵な笑みを浮かべる女性。男性「何となくですけど、嬉しそうですね。」女性「分かります?私甘い物には弱い者でして。」 やはりスイーツが嫌いな女性はいない、飽くまで男性の持論なのだが。男性「蝋燭でも立てましょうか・・・、あったかな・・・。」女性「何ですかそれ、誕生日か何かのお祝いですか?」男性「今の雰囲気にただのプリンは素っ気ないと思っただけでして。」 男性の発言に頬を膨らませる女性。女性「どういう意味ですか、折角買ってきたのに。」 特有の可愛さを醸し出す女性、怒っているのか拗ねているのか分からないのは気のせいだろうか。男性「すみません、何となく雰囲気だけでも豪華なディナーみたいにしたかったんで。」女性「ハハハ・・・、何ならちゃんと肉料理も出して下さいよ。」 やはり女性にとって「デザートは別腹」、ただそれまでの過程として(?)食事が無いと何処か味気ない気がする。男性「じゃあ・・・、ナースコールで頼んでみますか?」女性「馬鹿言わないで下さいよ、大事になっちゃいますよ。」男性「実は入院食の残りの肉が残っているんじゃないんですか?」 残念ながら今日の入院患者の昼食・「常食A」は鯖の塩焼きで料金が上乗せになる「常食B」はキャベツのみの醬油ラーメン、残っていたとしても肉は皆無と言っても良い。女性「来週来るときにでも適当に作ってきますね。」男性「待って下さいよ、どれだけ俺をこの病院に縛り付けるつもりですか。」 優しさが溢れるツッコミ
last updateLast Updated : 2026-03-14
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7. 「異世界ほのぼの日記3」106

-106 2人の判断- 突如男性が消えた事に目の前でプリンを一緒に食べていた女性や医者、そして希を含めた病院内の殆どの者達が騒然としていたが転生者達がよく『瞬間移動』をするのですぐに騒ぎは収まってしまった。もうほぼ日常茶飯事と言っても過言では無い様な事なのだが、希はある事を思い出していた。希「でもあの人ってこの世界の人じゃ無かったんだよな・・・。」 ただこの世界も転生者(と言うより日本人)だらけになってしまっているので、もうどっちが異世界なのか分からなくなっていた。 希は一先ず、男性が消えた病室で女性に直前までの事を覚えていないか尋ねてみる事にした。希「あの・・・、宜しければ何があったか教えて頂けませんか?」 いち警察署長として相手が話しやすく出来る様にやはりあくまで下手に出る希、そのお陰か女性は重い口をゆっくりと開いた。女性「確か・・・、元の世界での私達の事を思い出そうとしていたんですが本人の脳内に天から神様らしき声で「思い出してはならない、死んでないから元の世界に戻って貰う」と言われたらしく、次の瞬間に倒れてしまってそのまま・・・。」希「そうですか・・・、すみません。貴重なお話を聞かせて頂いてありがとうございます。」 一方元の世界の中華居酒屋「松龍」で元恋人との思い出を含む記憶を取り戻して目覚めた男性に女将・王麗が大目玉を喰らわせていた頃、娘・美麗の歓迎会が続く吸血鬼の店では渚による回想話が続いていた。パルライ(念話)「そうだ・・・、思い出しましたよ。ダンラルタ王国にもそろそろ支店を出してみないかとデカルト国王に相談されていたんですよ、その足掛かりとしてロラーシュ大臣に店での修業をさせて欲しいとのお達しが出ていたのを忘れていました。」シューゴ・渚(念話)「パルライ・・・、あんたね・・・。」 2人は拳を握りながら震えていた、相手が一国の国王であろうが関係無しだ。シューゴ・渚(念話)「そう言うのは、先に言わんかい!!」パルライ(念話)「す・・・、すみません・・・。」 ただ渚の話の流れから、とある疑問を抱いていたのは光だった。光「でもお母さん、何かおかしくない?」 何がおかしいのかさっぱり分からない一同。渚「何がおかしいって言うんだい。」光「「店で修業する」って事はお母さんの屋台じゃなくて叔父さんか好美ちゃんの店で修業するって事
last updateLast Updated : 2026-03-17
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7. 「異世界ほのぼの日記3」107

-107 裏ルールと店長の気遣い- 渚は店の端の方で見覚えのある2人がしっぽりと呑んでいる事に気付いた、2号車の店主としての立場からすれば時間帯的にレストラン内にいるはずのない2人だった気がしてならなかった。ただ折角のチャンスだと思い立ったのか、2人の方に近付いて声を掛ける事にした。渚「あんた達、店はどうしたんだい?まさかサボっている訳じゃ無いだろうね。」 お気付きの方もいると思うが、店の端で呑んでいたのはシューゴとパルライの2人。シューゴ「何を言っているんですか、貴女こそ人の事言えないんじゃないですか?」パルライ「そうです、ある意味「同じ穴の狢」という訳ですよ。仲良くしようじゃないですか。」 修行で日本に行った時に覚えたと思われる難しい言葉を自慢げに使うパルライ、正直普段の会話で使った事も無いので少し驚かされてしまうのは俺だけだろうか。渚「馬鹿な事言ってんじゃ無いよ、私はちゃんと有給届けを出してあったじゃないか。」 一応屋台含めて今ある店舗の店主の誰かに届け出を出せば有休を取得する事は可能だが、不正防止の為に店主として勤める者達は別の店舗の店主に届け出を提出するというのが「暴徒の鱗」での「裏ルール」(但し「ビル下店」のオーナーである好美は何故か対象外)となっていた。パルライ「何処に出したって言うんです?私は聞いてませんけど。」シューゴ「そうですよ、誰に提出したんですか?」 店主が有休を取得した場合は念の為に全店舗の店主に連絡しておく、これも「裏ルール」として決まっていた。渚「「誰」って、あの子に決まっているじゃないか。」 渚は好美の方を手差ししていた、相手を不快な気持ちにさせない為の工夫だ。パルライ「そりゃ私達が知らない訳ですよ・・・。」シューゴ「渚さん、「ビル下店」で提出するなら好美ちゃんじゃなくてイャンダさんに言わないと。」 シューゴの言葉が聞こえて来たのか、好美が3人の元へと近づいていた。ボキボキと指を鳴らしながら・・・。好美「私が・・・、何だって・・・?」 いち店舗のオーナーとして聞き捨てならない一言にイラっとしたのか、表情は「鬼の好美」の物になりかけていた。シューゴ「やだな好美ちゃんは、以前から「ビル下店」での事はイャンダさんに一任するって事になっていたじゃないですか。」 至って冷静に応答するシューゴ、ただ好美も
last updateLast Updated : 2026-03-17
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7. 「異世界ほのぼの日記3」108

-108 一応・・・- なかなか機嫌の直らないオーナーを物で釣るつもりの店長、ただ流石の好美でもそこまでは子供ではないと思われるが・・・。好美(念話)「じゃあ・・・、春巻きと唐揚げをたっぷりね。」 ・・・って、釣られるんかい!!まぁ・・・、事なきを得たならそれで良しとするか。渚「それでね、例の「あの話」なんだけどやっぱり私には荷が重いよ。相手は一国の大臣なんだろ?」パルライ「大丈夫ですよ、あの人も私達と同じで堅苦しいのが苦手ですから。」 一応確認だがロラーシュって人じゃなくてミスリルリザードだよな、まぁ気にする程の事でも無いから置いとくか・・・。パルライ「ハハハ・・・、この世界に種族なんてあって無い様な物でしょ。」 そりゃそうだな、王様の仰る通りです。ただ渚さん、お2人は採用する気満々ですよ。渚「まぁ、あんた達がそう言うなら一先ず試用期間って事にしても良いかい?誰だって最初から何でも出来るとは言えないだろう?」パルライ「それに関しては渚さんにお任せしますよ、でも一応は「修業」ですから渚さんにとっての全てを大臣にお伝え頂ければと思います。」渚「でも私は2人と違ってかえしもスープも作って貰ってから営業しているだろ、そこん所はどうすれば良いんだい?」 渚は自分が1番考慮している疑問を2人にぶつけてみた、もしも「味の決め手」等を聞かれても、また基礎となるスープ等の作り方を聞かれてもどうする事も出来ないのだ。本人が一から全てを作っているとすれば「辛辛焼そば」で使うキムチ等の具材くらいなので当然と言えよう。シューゴ「その場合は・・・、どうしましょうか。」パルライ「ファクシミリか何かで送っておくという手は如何でしょうか。」 スマホでのやりとりが中心と言えるこのご時世でまさか「ファクシミリ」という言葉を聞くとは、でもレシピ等を纏めて送るという意味では1番使える方法と言えるだろう。渚「だったら申し訳ないけどメールにしてくれるかい?確かにこの店の事務所にファクシミリは1台置いてあるけど使った事が無いから分からないんだよ。」 一国の王であるパルライにそこまでのお願いをするとは、俺だったら気が引けてしまう。ただしつこい様だがこの世界の国王達は腰がかなり低いので・・・。パルライ「構いませんよ、確かに渚さんはここの家に住んでますけど店の仕事を手伝っている訳
last updateLast Updated : 2026-03-17
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