これは、間違いなく何か問題が起きている。美月の胸の奥には、不安がますます広がっていった。何しろ、これまでは京弥が電話に出てくれていた。けれど今は、こんなにも時間が経っているのに、相手は電話にまったく出ないのだ。「プープー」という呼び出し音とともに、美月の瞳の光も暗く沈んでいく。一体どういうことなのか。あの男、もし紗雪に何かしていたら......そうだったら、たとえこの命を賭けても、京弥と徹底的に戦う。自分の娘を、他の男にいじめさせるなんて、絶対に許せない。そう思えば思うほど、美月の声色も自然と強くなった。今回は、絶対に紗雪を守り抜く。どんな状況でも、必ず彼女を連れて帰る。そう決意しながら、美月はそのまま緒莉に電話をかけた。緒莉は電話が鳴った時点で、すでに理由を察していた。嬉しくもあり、同時に複雑な気持ちもあった。美月は言った。「電話がつながらなかったわ。やっぱり、あなたが直接見に行くしかないわね。緒莉、悪いけどお願いね。何しろ、あの子は私の娘だから......」なぜだか、美月は言葉を口にするのをためらってしまう。特に緒莉の前では、どこか気後れするのだ。まるで自分が娘婿に嫌われているような、そんな感覚さえあった。この件は、後々株のことにも影響してしまう。けれど、こうした事情を紗雪はまったく知らないし、知る由もない。彼女にとっては、ただ子供の頃からの延長のような当たり前のことだった。緒莉は微笑みながら言った。「お母さん、何を言ってるの。もちろんお母さんの娘だってわかってるよ。それに、あの子は私の妹でもあるんだから、私だって心配だし、大事に思ってるよ」この一言で、緒莉は巧みに自分の立場を守り切った。後で何か問題が起きたとしても、それは彼女の責任ではなくなる。何せ、後で問題が起きるのは間違いないのだから。美月の方も、特に異論はなかった。ただ、美月の感情は今、平静さを欠いていた。加えて、京弥が電話に出ないことで、面目も潰されてしまった気分だった。「じゃあね、お母さん。着いたらまた連絡する。その時、スピーカーにして、お母さんから京弥に直接話して」美月はうなずいた。「ええ、わかってるわ」何しろ、何年も会社を経営してきた人間だ。自分
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