夜更け。彰人は力なく身を横たえた。闇の中にいるはずなのに、なおも眩しさを感じる。彼女がすぐ傍にいるのに、遥かな隔たりがあるようで――もう戻れないのだろうか。かつての願乃はあれほどまでに従順で、あれほどまでに彼を頼っていた。寒くなれば、足先まで彼が温めてやっていたのに。冷え込む夜、彼女の足は彼の懐に潜り込んできた。氷のように冷たかったそれも、しばらくすれば彼の体温でじんわりと温もりを取り戻した。だが今は――その頑なな心はどれほど温めようとしても、もう温まらない。彰人は腕で目元を覆った。それでも胸の奥がじわりと疼き、喉の奥から押し出すように、低く声を落とす。「願乃……正直、俺は時々、自分が情けなくなる。俺たちが一緒にいることで、お前の人生が壊れたっていうなら……考えたことはあるか?俺の人生だって、お前で変わったんだ。俺が払ってきたものも、もがいてきたことも……お前にとっては何の価値もないんだろうな。お前にとって恋なんて、簡単に手に入るものだからだ。俺じゃなくてもいい。ピーターでも、他の誰でも――いくらでも、お前を愛するやつは現れる。だから、お前は欠けることがない。だから……俺の想いなんて、安っぽく見える。そうだろ?この半年、俺がどれだけ消耗したか……考えたこと、あるか?一度でも、俺を気の毒だと思ったことは?石だって、これだけ熱を与えれば、いつかは溶ける……そう思ってた。でも、お前は違った。本当に一度も、俺に情けをかけたことがない。時々思うんだ。プライドを捨てて、お前にすがりつけばいいんじゃないかって。でもな……愛情なんて、乞うものじゃない……だろ?」言い終えると、彼は静かに立ち上がった。「邪魔はしない」そのまま、彰人は部屋を出ていった。客室へ戻り、灯りもつけずにリビングのソファへ腰を下ろす。――そのまま、一晩中。……寝室。願乃はなおもベッドの上で小さく身を丸めていた。差し込む月明かりが、その顔を白く浮かび上がらせる。目尻には、二筋の涙の跡。それはかつて彰人を愛していた証。――あるいは今もなお愛しているのかもしれない。ただ、もう……どう愛していいのか分からないだけで。下腹がきゅっと波打つ。胎内の子が動いたのだ。小さな拳で、内側から強く叩くように。その瞬間、願乃は
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