Semua Bab 悪役令息に転生した俺は、悪役としての花道を行く…はずだったのに話が違うぞ⁈: Bab 11 - Bab 20

43 Bab

アイツ2

ストン、と腑に落ちた。そうだ、すっかり忘れていた。◇◇◇まだ俺がアスナを「唯一無二の親友」だと信頼していた中学のころのことだ。俺は自分と同じ名を持つアスカが、恵まれた能力を持ちながら断罪されていくのがはがゆかった。だって、俺は大した能力もなく、家族にも恵まれず。そんななかで必死で「家族を守る」という役目をはたしている。なのにアスカは愛してくれる家族に恵まれ、完全無欠というほどの能力を持ち、天使の美貌を受け継ぎながら、断罪される。すごく納得がいかない。普通ならアスカが不幸になるわけがない。「この悪役、なんで断罪されるんだろ?こいつのスペックがあればやりたい放題じゃん!いいなあ、俺がこんなだったら最高の人生を送ってやるのに!」俺は自分のままならない状況をアスカに重ねていたのかもしれない。アスカが幸せになれば俺も幸せになれるような気がした。そこで、なんとかアスカ救済ルートを探すべくひたすらにゲームをやりこんだ。もしかしたら裏ルートがあるのでは?隠しキャラがいるのでは?そんなありもしない希望を胸にひたすらやりこみ……撃沈したのである。そうだ、それでたしか、落ち込む俺をアスナが励ましてくれたんだ。「だ、大丈夫だって!ゲームはゲームだろ?飛鳥とアスカは違う」「分かってるけどさ。なんか……俺にとってアスカって特別なんだよなあ。異世界転生とかあるんならさ、俺がアスカになりたい。そんくらいには好きなキャラなんだよ。だってアスカって完璧なんだもん。俺がアスカだったらあんな攻略対象なんて無視する。黙ってやられたりなんかしないし、好き勝手に楽しく生きてやるんだ」「じゃあ、俺はレオンになってアスカの味方になる。そしたら断罪ルート全部へし折ってやる!」「ははは!だな。レオンも名前が一緒だし、俺たちこのゲームと縁があるのかもな」「じゃあ、約束な?生まれ変わるなら一緒だ。レオンとアスカになろう!」「あははは!なれたらな!約束!」◇◇◇俺がこの世界に来た理由は分かった。神様を罵ったからなんかじゃなかった。俺がそれを望んだからだったんだ。もしかして、アスナはあんな昔のことを覚えていたのか?俺本人ですら今まで忘れてしまっていた、子供同士の遊びの中で俺が言った戯れのような言葉。それだけをよすがにこんなところまで俺を追ってきたのか?あんな俺の一言を大事に持
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-24
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アスナとアスカ

ドンドン!!「大丈夫ですか?!どうかされましたか?!」扉を激しく叩く音。外に出したレオンの護衛が異変を察知したようだ。「チッ!うるさいなあ!」ボロボロと涙を流したまま、まるでレオンのようにアスナが返す。「大丈夫だ!少し行き違いがあっただけだ。問題はない。大切な話の最中なのだ。悪いが結界を張らせてもらうよ。私が呼ぶまでは決して入らないでくれ」その言葉が終わると同時に部屋が閉鎖された。アスナが幸せそうな笑みを浮かべ、俺に向かって近づいてくる。「……さあ、これでもう邪魔は入らないよ?大丈夫。痛くないようにするから。今度は俺もすぐに後を追う。それでまた一緒にこの世界に戻ればいい。だろ?」まるで幸せな未来を語るかのように恐ろしい内容を口にするアスナ。お前、なんでそこまで俺を……。今の完璧な俺に執着するのならまだわかる。だがアスナが執着しているのは、自分で言うのもなんだが、ただ真面目なだけが取り柄の前世の飛鳥なのだ。俺はブルリと頭を振った。さっきまで俺はアスナを舐めていた。今の俺ならば、と。だが、俺が前の飛鳥ではないように、このアスナも以前のアスナではない。レオンに憑依しているだけでなく、レオンの能力まで使いこなせるのだ。本人のいうように、このままいけば完璧にレオンに成り代わることができたのだろう。きっと、俺が目の前から居なくなったことでアスナも壊れたのだ。俺が死んだのは事故だ、仕方ない。でも、間違いなくアスナを壊したのは俺だ。俺は自分の魔力を開放した。アスナの魔力を包み込むようにして俺の魔力で押さえつける。こうなると、力と力の戦いだ。どちらの魔力が上か、ただそれだけ。「なあ、アスナ。今の俺は強いぞ?この世界では最強だと言っていい。だって俺は努力したからな。元々のゲームでのアスカよりも今の俺の方がさらに強い。この俺に勝てるか?否。お前はどうあがいても俺を殺せない」ぐ、っと一歩アスナに向かって踏み出せば、俺とアスナの間で魔力が衝突しバリバリと音を立てた。じり、とアスナが後ろに押される。 「……っ!い、嫌だ!俺は……俺はアスカと共にいるんだ!!」無理に俺に近づこうとしたアスナの肌がザクザクと切り裂かれる。「!!」「おい、やめろ。無駄だ、アスナ」ブシュッ!足が切り裂かれ、崩れ落ちるアスナ。それでも床を這うようにして俺に近づ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-25
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アスナとアスカ2

高校に入ってから、アスナはおかしくなっていった。変わらない笑顔で俺を特別扱いするアスナ。でも、アスナに俺の言葉は届かなくなった。何を言っても「気のせいだよ」「俺が守るから大丈夫だよ」「俺がいればいいでしょう」そういうことじゃあないんだ、と言っても聞く耳を持たない。どんなに話をしても、うわすべり。中学時代、二人で笑いあった日々が懐かしかった。馬鹿なことを言い合って、くだらないことが面白くて。俺のことなのに、まるで自分のことのように怒っていたアスナ。俺のために泣いてくれたアスナ。たぶん、人生で一番幸せで楽しかったあの頃。俺と楽しそうに話すアスナを見て、最初はアスナの外見に気後れして遠巻きにしていたクラスメートも徐々にアスナに話しかけるようになった。アスナはそれを普通に受け入れていて、高校時代のように必要以上に俺にベッタリということもなく、あくまでも一番の親友として俺を扱った。おかしくなったのは高校でアスナの人気が爆発してからだ。周りがアスナから俺を排除しようとし、それに苛立っがアスナは必要以上に俺を特別扱いするようになったのだ。それはどんどんエスカレートし、俺はアスナが分からなくなった。俺たちはどんどんすれ違い、どうしようもないところまでいってしまったのだ。あの事故が無ければ、いつか俺たちが分かり合う日も来たのかもしれない。だがあの不幸な事故により、アスナの中の俺は、最後の最後にアスナを拒絶し、逝った。俺は俺の逝った後のことは考えないようにしていた。考えても仕方がないと目をそらし、今を楽しむことに夢中になってしまっていたのだ。そこには「俺を振り回したんだから、お前らも少しは苦しめ」という想いもあった。ここまでアスナを追い詰めたかったわけじゃない。ただアスナが受け止めてくれなかったやり場のない俺の気持ちを、分かって欲しかっただけなのだ。あくまでも事故は事故なのだ。どうしようもないことなのだ。だからきっとすぐに立ち直り、アスナの人生を歩んでくれるだろうと思っていた。その結果が今俺の前にある。俺の何気ない一言を大事にしていたアスナ。世界を超えて俺を探し出し、追いかけてきたアスナ。俺と共にいるためだけに、レオンハルトの身体を乗っ取ってまで約束を果たそうとしたアスナ。アスナは壊れている。間違いない。だけど、少しだけ嬉しいと思っ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-27
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アスカとアスナ3

ズザザザーーーッツ!!受け身を取る間もなくいきなり俺に殴られたアスナが、ぶっ飛んでいく。ドガアッ!壁にぶつかったアスナが、真っ赤になった頬を抑えながら涙目で叫んだ。「い、いきなり何すんだアスカッ!」俺はそんなアスナの前に立ち、ジロリとアスナを睨む。「痛いか?」「はぁ?!痛いに決まってるだろ?!」「うむ。良かったぜ」そりゃそうだ。渾身の力で殴ったからな。前世とは違い、今生の俺は地道に身体を鍛えてきたのだ。威力には自信がある。「いいわけねえだろ!」「良いんだよ」よいしょ、とアスナの前にしゃがみ込み、ぶすくれるアスナの赤くはれた頬を遠慮なしに突いてやる。「こ、こら!痛いって!!やめろよアスカ!」「安いもんだろ?それでチャラにしてやるって言ってんだよ」ニヤリを片方の唇を上げて見せれば、パカンとアスナの口が開いた。「聞こえなかったか?これで前世のことはチャラだ」アスナの顔が面白いくらいに真っ赤に染まっていく。「え?……は?あ、あの……え?」ぶすくれていたのが嘘のようにオロオロと慌てだすアスナ。こんな顔もするんだな、お前。余裕の顔してるより、この方がいいよ。「しょうがねーから、チャラにしてやるっつってんの!はは!おもしれー顔!ハンサムも形無しだな?」遠慮なくゲラゲラと笑ってやれば、眉尻を下げた情けない顔でへにょりと口を曲げた。口を開きかけてはまた引き結ぶアスナ。それを数回繰り返し、ようやく彼は言った。「………いいのか?自分で言うのもなんだが……俺はお前が孤立してんのを分かってて見ないふりをした。お前を追い詰めたんだぞ?」俺はそんなアスナの頭をバシッと叩く。「いいわけないだろ!だけど、まあ、ここまで追いかけられたらなあ……。なんつーか……出来の悪い犬に懐かれた?とでも思うことにする」とたん、ぱあああっとアスナの表情が明るくなった。おい、最初の狂気はどこに行った?全く……。ぶんぶん振られる尻尾の幻が見えるぞ?「かといって、レオンになろうなんてするなよ?レオンの身体はレオンハルトのもんだ」しょぼん。今度はへにょりと垂れた耳の幻が見える。分かりやすい奴だなあ!俺はアスナの横にドカリと腰を下ろした。行儀悪く足を投げ出し、そのまま床に寝転ぶ。「……アスカ……。なら俺はどうしたらいい?」毒気の抜けたような声で言うアスナ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-01
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俺の下僕、爆誕!

「そうと決まればさっさとやるぞ!」襟首をつかんでアスナを立たせる。「……で、俺はどうしたらいい?」神妙な顔で俺に問うアスナに、胸を張って請け負ってやる。「お前はそこに立って俺の言う通りに繰り返せ。……正直に言えば、俺も従魔契約なんぞやったことがない。授業で習うのもこれからだ。だから、ぶっつけ本番という形になるが……大丈夫、お前も知っての通り、異世界ものに関しては前世でしっかり履修済みだ。同じようにやればいける!はずだ!任せておけ!まあ、最悪お前が消えるだけだ。問題ない!」とたんアスナが吠えた。「問題しかないよね?!俺、消えたくないんだって!せっかくアスカとまた会えたんだぜ?!どんだけ苦労したと思ってんだ?!」「しょうがねえだろ!前世のお前の行いのせいなんだ、我慢しろ!俺の傍に居させてやるだけありがたいと思え、このストーカー野郎が!!」ビシっと指を突き付けてやれば、分かりやすくショックを受けるアスナ。「ひ、酷え!俺、一応お前の親友だよな?そりゃ……ちょっとばかり行き過ぎちゃったけど……」「ほら、自覚あるんだろ?ちょっとばかり、じゃねえよな?行き過ぎもいいところだぜ。親友じゃねえ、親友だった、だ。高校では酷いもんだった。俺を支配しようとしやがったくせに!ちょっと消えるリスクがあるくらいいいだろうが。チャンスをやるだけ感謝しろ!」とにかく、これしか道はないのだ。やるしかない。それが嫌なら……消す。それが道理だからだ。本来ならばこの世界にあるべきではないのだ、アスナは。俺の覚悟が伝わったのかアスナは身体を固くし、ごくりと唾をのみ込んだ。「……信じてるからな。消すなよ?頼むから……お前と一緒に居させてくれ」「分かってる。俺を誰だと思っている?アスカ・ゴールドウィンだぞ?任せておけといったろ?」俺はアスナの額にそっと手を触れた。「目を閉じてここに集中しろ。そして俺の言葉をお前のものとして繰り返せ。いいか?」「分かった。……いいよ」すう、と息を吸うと身体の中の魔力を一気に練り上げる。そうだ、もっとだ。もっと濃く。厚く。その魔力を言葉に載せ、俺とアスナの縁を繋ぐ。「我アスカ・ゴールドウィンが命ずる。我が魔力を対価に、阿須那レオンは我が従魔となり、その魂も命運も全て我がものとなる」「……アスカの魔力を対価に、俺はアスカの従魔
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-02
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アスナと飛鳥とアスカ

とりあえず、アスナの設定はこうだ。アスナは「高位精霊」実体のないアスナは、自分とそっくりの外見を持ち魔力の相性まで良いレオンハルトを見つけ、その身体を自分のものとしようとしていた。俺はアスナと交渉し、アスナの身体を魔力で実体化してやる代わりにアスナを俺の従魔にした。今後アスナは俺の従者として常に俺に付き従うことになる。元はと言えば、俺関連でこっちの世界に来てレオンに憑りついたともいえるのだが、そこは伏せておく。前世の云々、ゲームで云々と言ったところでどうせ理解できまい。アスナを高位精霊とした方が理解しやすいだろうし、レオンに恩も売れる。一石二鳥だ。アスナにもこの設定を言い聞かせ、余計なことは言わないよう念を押しておいた。「いいか?前世だとか俺を追ってきたとか言うなよ?言ったら即その身体を取り上げるからな。お前と俺は今日初めてここで会った。分かったな?」「えー?じゃあ、『アスカに手を出すな』って言っちゃダメ?」「手を出されるつもりはないが、お前にそれを言う権利はない。黙ってろ」「……仕方ない、分かったよ。俺は下僕だしな。アスカに全て従うよ。これでいいだろ?」肩を竦めて見せる姿は、前世のアスナそのもの。なんだか妙な気分だな。言っている内容は別として、まるで昔に戻ったみたいだ。ふと浮かんだ考えをブルブルと頭を振って吹き飛ばす。「あのな、確認しとくぞ?見ての通り、俺の外見も性格も前世の俺とは違う。お前とは違うんだよ。俺は飛鳥ってわけじゃない。前世の記憶があるだけだ。飛鳥は死んだんだ。分かってるよな?」「……うん。アスカが思う以上に分かってるよ。言われなくても俺が一番分かってる。…………俺がどれだけ後悔してどれだけ絶望したと思ってるの?」ブワリ、と黒いものがアスナの身体から立ち昇った気がした。それは狂気と呼ばれるものなのかもしれない。あれからアスナは、俺の見たことがないような虚空を生きてきたのだ。そう思わされた。前世の俺は、必要以上に俺に執着したアスナと、そんなアスナと俺が親しいことを許せないアスナの親派のお陰でいわれない悪意にさらされた。重苦しい理不尽な悪意に耐えられず、俺をそんな状況においたアスナを憎み、その周りを嫌悪した。でも、周りから理不尽な悪意を向けられることさえなければ?いつかアスナとまた笑いあえる日がきた
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-03
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レオン

さて。どうしようか。アスナが抜けた衝撃で気を失い床に倒れているレオンハルトを眺める。起こしたほうがいいのだろうか。アスナに魔力をかなり使われたようだし、しばらくこのまま寝かせておく?いや、音声遮断を解いて護衛たちを呼び、連れ帰ってもらうべきか?しかし、こうして見てもアスナとレオンはよく似ている。髪色が違うから印象は違うが、基本的な顔の造りはほぼ同じだ。不思議なものだな。ちら、とアスナを見れば、俺が何を考えていたのか察したようだ。「なんか自分と同じ顔を見るって変な気分だな」と苦笑した。「お前が前世であれだけモテたのも納得だ。なにしろ異世界の王子様と同じ顔だったんだからな。元々こっちに生まれるはずだったんじゃねえの?レオンと双子とかでさ」適当に言った言葉だったが、ふと自分の言葉になにか引っかかりを覚えた。「…………いや、あり得るな。お前の異常なスペックってある種作り物めいてたし。お前は元来こっちに生まれるべき魂だった、なのに間違えてあっちに生まれちまった。だからみんな異様にお前に傾倒しやがったんじゃねえか?中学んとき避けられてたのだって、嫌われてたっつーよりもどちらかというとカッコよすぎて遠巻きに崇められてた、に近かったし。そう考えると、レオンとの異常な親和性にも説明がつくんだよ。あんだけ馴染んでたのにも納得できる」「……それはわからないけど。確かに俺はどこか『違う』って思ってた。世界にとって俺は異質な存在なんじゃないか、って。漠然とした違和感っていったらいいのかな?飛鳥だけなんだよ。俺に普通に接してくれたの。飛鳥だけが特別だった。お前といる時だけは俺が世界に存在することを許されている気がした。家族の俺の扱いも特殊だったしね。二人ともまるで俺など存在しないみたいに家に寄りつかずに、お金だけはふんだんに与えられてたから……。なんかおかしいって無意識に感じていたのかも。その罪悪感で俺の好きにさせてくれたのには感謝してるけど」言ってアスナが顔をゆがめた。「でもその説だと俺ってゲームのキャラクターだったってこと?」「うーん。そもそもゲームって何なんだろう?俺もこっちに来て思ったんだが、今ここにいる俺はアスカであってゲームのままのアスカじゃない。ゲームの方がこっちの世界を模倣した、いわばこっちの世界の断片を誰かが形にしたものなんじゃ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-03
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レオンとアスナ

運命?!俺は思わず顔をしかめた。「どこの乙女だ?!勘弁しろよ。こんなクソみたいなもんは運命じゃねえ。悪縁っつーんだよ」切っても切れない縁。どこまでも俺を追ってきた執念深さは、まさに悪縁と呼ぶにふさわしい。悪役令息の俺と、俺に執着し、俺のためなら世界を超え誰を犠牲にしてもいいというお前。もつれにもつれ、拗れまくった俺たちだからこそ、運命だとかいうよりも悪縁というほうがしっくりくる。泥臭いそんな縁だからこそ、俺はそれが愛おしいと思ったんだ。お前を許し、受け入れてもいいと思えたんだぞ?なんてことは言ってはやらないけどな。「酷いなあ。でもいいよ。俺は運命だって思ってるから。これからずっと一緒ならなんだっていいんだ」「……うーん」そろそろレオンが目を覚ますか?俺はアスナに離れているよう指示し、レオンの横にしゃがみ込んだ。そっと肩に手をかけ揺すってみる。「おい、大丈夫か?」パチ……パチ……。数度の瞬きののちにレオンの碧い光彩が姿を見せた。「…………アスカ?私は……どうしたんだ?」額に手を当て、ぼんやりした目で頭を振るレオン。「……おかしな夢を見た」おぼつかない口調で言いながらゆっくりと起き上がるのに手を貸してやる。「ありがとう。ああ……なんだか頭がぼうっとする。何があった?何故私は倒れていたの?」うむ。どうやらアスナに乗っ取られていた間の記憶はないようだ。「呪いについて俺に助力を求めたのを覚えているか?」問いかければ、レオンは何かを思い出すかのように目を彷徨わせ「…ああ、そうだった」と何度か頷いた。「申し訳ない。思い出したよ。そうだった、私が君を呼んだんだ。それで話をしているうちに意識が遠のいてしまったんだ」しっかりとした口調。特に乗っ取られた弊害はなさそうだ。良かった。しかしほっとしたのもつかの間、レオンがある一点に視線を向け、苦笑した。「やはり私はどこかおかしいようだ。幻が見える。さっき、クロとシロと仮定した存在。私そっくりの黒髪の男の幻が見えるんだ。これも呪いなのか?呪いが進行してしまったのだろうか?」俺もちらりと視線をやり、あえて何でもないように肩を竦めて見せる。「大丈夫だ。アレが呪いだ。俺がお前から引きずり出して俺の下僕にした」「……………は?」なんというか、美形でも間抜け面できるんだな。面白
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-04
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レオンとアスナ2

俺はぐいっとレオンを引き剥がした。パッパッとレオンが触れていた箇所をこれみよがしに払ってみせる。「ふう。つれないなあ、アスカは」「ふん!嫌ならさっさと婚約破棄すればいい。俺に必要以上に近づくな。俺を見るのもやめろ。背筋が寒くなる。お前の相手は俺じゃない。……お前にはそのうちピッタリの奴が現れるさ。助けてやった恩は忘れるなよ?そのうち帰して貰うから」レオンはおどけた仕草で「降参」と両手を上げて見せた。「君に嫌われなくないからね、了解。助けてくれたことには感謝しているんだよ?……ありがとう、アスカ。じゃあ、改めて今後の話し合いをしようか?そこの……アスナだったかな?……私と似すぎていて怖いね。まるで双子だ。彼と話をしてみていいかい?」「アスナ、話していいぞ」解禁したとたん、アスナが吠えた。「おい、お前!」一瞬で俺に駆け寄り俺をその腕に抱え込むと、レオンに向かってけんもほろろな態度で言い捨てる。「俺をアスナと呼んでいいのはアスカだけだ。分かってるよな?俺の力があればお前などどうとでもできるんだぜ?いいか、お前はアスナに近づくな。アスナは俺のものだ」「はあ?!俺が誰のものだって?」ギロリと睨んでやれば、焦ったように慌てて言いなおす。「……アスナは俺の主人だ。アスナに近づいていいのも触れていいのも俺だけだ。分かったか?」まあ、色々言ってやりたいことはあるが、レオンを牽制してくれることに関しては異論はないので大人しくしておく。一方、アスナに脅されたレオンはといえば、怯えるどころかなんとクスっと笑みを漏らした。「……うーん。なかなか好戦的だね?」そして真正面から、平然とレオンに反論したのである。「私に憑りついていた頃の君なら私をどうとでもできたかもしれない。でも、もう無理だよね?だって君はアスカの従魔なんだもの。立場上、アスカは君が私を傷つけることは許さないと思うよ?それにね、一応私はアスカの婚約者だ。従魔の君とは違う。アスカに触れる権利はあるんだよ?」「レオン、あくまでも『一応』の婚約者だ。俺に触れる権利なんぞ、俺は認めていない」しっかり指摘してやると、くるりと目を回し「降参」とおどけた仕草で手のひらを上に向けた。「はいはい。じゃあ言い直すよ。少なくともそこの従魔君よりは。これでいい?」アスナと呼ぶなと言われたこと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-06
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俺に従魔ができた件

言いたいことを言ってしまえば、後は用はない。 「じゃあ、俺は失礼する。アスナ、あんまりレオンに絡むなよ。適当なところで切り上げて来い」 じゃあ、と手を上げ去ろうとすれば…… 「えええ?!ちょっと!俺を置いていくつもり?俺、アスカの従魔なんだよね?!一緒に居なきゃでしょ!」 慌てたようにアスナが俺に手を伸ばしてきた。 「いや、いくら私から引きはがしたとはいえ、これまでこの従魔くん、私に憑りついていたんだよ?置いていくの?」 レオンの顔にも「信じられない」と書いてある。 「お前らさっきまで二人で盛り上がっていただろう?俺はもうお前らに伝えるべきことは伝えた。だから後はふたりで存分にやり合ってくれ」 「ただし後が面倒だから二人とも手は出すなよ?」と付け加えれば、金と黒が揃って呆れたような眼を俺に向けてきた。 「……なんだ?何か文句でもあるのか?」 憮然として告げれば、ふたりとも額に手をあて疲れたように首を振る。 「……いや、もう俺もこいつに用なんてねえよ。てか、アスカより優先することなんてないからな?!」「私も従魔くんにはもうかかわりたくはないかな……。アスカとは話が別だけれどね?」 そっくりの仕草と表情。お前ら意外と気が合うんじゃないか? チッ、と舌打ちを一つ。しばらくレオンに任せてやろうと思ったのに、残念だ。仕方なくアスナを連れて行くことにする。 「ほら、アスナ。行くぞ。といっても、学園にまだお前の席はないから&
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-07
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