こうして特に疑われることもなく学園長との面談は終わった。寮の部屋についても、俺の部屋に付属している従者用の部屋でいいとのことだ。クラスも俺と同じ、Aクラス。ちなみにクラスはAからDまで成績順、かつ選択別となる。俺もレオンもAクラスだが、レオンは経営科でA-1、俺は魔法科でA-2。教室は別なのだ。「お前もAクラスだが……大丈夫か?そもそも、講義内容を理解できるのか?」教室に向かいながらアスナに確認すれば、自信ありげな笑みを見せるアスナ。「レオンの目や耳を通して俺も学んでいたからな。問題ない。少なくともレオンと同程度には理解できていると思うぞ?」アスナの言葉にレオンがゾッとしたように身を震わせた。「……つまり、私の全てを把握していたということか?」気持ちは分かる。下手なストーカーも真っ青だ。「まあな。少しは俺の意志をお前の行動に反映させることもできたし。あと少しだったんだがなあ……」青ざめるレオン。「お前の意志を反映、というのに心あたりがあるのが恐ろしいよ。何があと少しだったのかは聞かないでおこう。アスカ……本当に心から感謝する。ありがとう」俺は今お前に心から同情しているよ。アスナが悪かったな。あまりにも不憫で、思わず自分から手を伸ばしてレオンの頭を撫でてしまった。「……いや、間に合って良かった。……?どうした?」ふと見ればレオンが見たことのない表情をしている。と、みるみるその顔が真っ赤に染まっていった。「⁈本当にどうした⁈」レオンは慌てたように片手で口元を覆い顔を背けた。「い、いや…………その…………アスカから私に触れたのは初めてだたので……驚いて……」「?そうだったか?」そんなことくらいでこんな顔をするのか。昨日からこいつのおかしな顔ばかり見ている気がする。「ふは!変な奴だ」思わず笑えば、レオンが目を丸くして俺を凝視。アスナはアスナでムスっとした表情で不機嫌そうに腕を組んだ。「なんだよ?気持ち悪い」「……アスカが……私に向かって笑ったから……。いや、なんでもない。さあ、行こうか」ホント、変な奴。教室の前でレオンと別れた。ギリギリになってしまったせいか、もう生徒はみな着席しているようだ。「アスナ、行くぞ」「ああ。……これからはまたクラスメートだな。よろしく、アスカ」アスナが嬉しそうに笑う。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-02 Baca selengkapnya