「おい、あいつらが山賊倒したってよ」「マジかよ。あんな細い奴らが ? 」 ザワ……ヒソヒソ……「だって吟遊詩人だぜ ? 」「馬鹿 ! ただの偽装ジョブだろ !? 戦士とか、騎士じゃないのか ? 」 ほらね。ほらね !? 「確認取れてます ! 雪山の村からここへ下山されて来た方が、現場を見てくださったみたいで状況と一致してます」「そ、そうですか……あの現場を……」 めちゃくちゃ燃やしちゃったけど良かったのかな……。懸賞金なんか要らないから無かったことにしたい。 でも貧乏だし、呪われてるし、半魔族疑惑だし。素直にヒーロー気分とはならないわね。わたしを攫ったのがせめて魔物なら割り切れたんでしょうけど。「リラ ! セロ ! 」 ほら、もう名前まで筒抜けに…… ! ??? この声って。「セロ ! リラちゃん ! こっちこっち ! 」 群衆の中、レオナとジルが手を振って立っていた。「レ……レオナァ〜 !! 会いたかった ! 」「あはは ! 大袈裟な ! まだ一週間も経ってないよ ? 」「よう ! 現場見てきたぜ ! 」 ジル、その話はやめて ! 「皆殺しで焼け野原 !! おめぇらやるなぁ〜 ! ヒューヒュー」「ジル ! お願い。なんて言うか……わたしたちは音楽家なの ! 」「ほんとほんと凄ぇよな ! 」「そうじゃなくて……」「おいおい、まじで吟遊詩人かよ」「何 ? 今日はギルドが賑やかねぇ」 村人まで集まってきた ! 「それが、山賊に懸賞金が出てたろ ? あの細い吟遊詩人
Last Updated : 2025-06-08 Read more