グランドグレー大陸の最西端。 モモナと言う巨大な船が立ち入る港町がある。 モモナ港はギルドの定期船や輸出入の行商が乗り付ける為、多くの人が集まる上、町には城がそびえ建っている。城下町は観光も冒険者も多く、眠らない街として存在する。 そんな賑わうメインストリートの武器屋。リラのメンバーの一人が立ち寄っていた。中背で程よく筋肉質な身体に、燃えるような赤い髪の男だ。 現在リラとセロは、グランドグレー大陸の中央部からやや北部にいる。リラが振り落とされた際、ゴールドドラゴンの飛行速度は予測より早かった。シルバードラゴンに残ったメンバーもその戦闘に手こずった後、バラバラになっていたのであった。 リラと一つ違うところは、『彼ら』は有事の際、どこに再び集合すればいいのか覚えている事だ。 男は武器屋をしばらく眺めた後、鍛治職人に声をかけた。「すんません。あの双剣、いいなって思うんですけど、改造お願いします」「ん。素材、見せてみな」 荷袋からゴロゴロと武器の素材をカウンターに転がしていく。「ほう、兄ちゃん。やるねぇ」 どれも高級素材。こんな大きな武器屋でなければ、鍛治職人も目に触れる機会の無いだろう希少な物ばかりだった。「へへー ! でしょ !? 」 調子に乗ってヘラヘラと笑う辺りが、派手な外見に似合わず素直というか、単細胞で根が素直な男なのだ。年齢は成人であるリラの一つ下、17歳。 この男が双剣の持ち主、カイである。「属性の追加と、グリップもこの素材でカスタムして欲しいんすけど……。あとは残りの素材で予備も作った方がいいかなぁ〜」「それなら結構、値が張るけど大丈夫かい ? 」「メインで使うから惜しまねぇっす。今まで使ってた相棒がさぁ、パーティのメンバーに貸したんだけど、帰って来なくて…… ! 」「そいつぁ、マナー違反だなぁ。ちゃんと返して貰いな」「あー違う違う。『返らない』じゃなくて『帰らない』んす」「…&h
Dernière mise à jour : 2025-05-11 Read More