輝は音々を横に抱きあげると、寝室へと大股で歩いて行った。......寝室に着くと、輝は音々を柔らかいベッドに寝かせ、潤んだ目にキスをした。「よしよし、もう泣かないで。酔っただけだから一緒に寝ればよくなるさ」だが、音々は彼の服の裾をぎゅっと掴み、半分目を開けたまま、涙を流し続けた。その涙は止めどなく溢れ、枕を濡らしていった。「行かないで......」「行かないよ」輝は彼女の手を握った。「音々ちゃん、ずっと一緒にいようね。私たちは結婚したんだ。もう二度と離れない。約束するよ。これから毎日、あなたが目覚めたら、必ず私がそばにいるようにするから」「約束して、私のことを忘れないで......私がこれから何をしようと、どれだけあなたが怒っても、私のことを絶対に忘れないで......」音々は願った。たとえ自分が輝を傷つけ、憎まれようとも、彼に忘れられないでいてほしいと。輝の心は、その言葉に揺さぶられた。それは彼が初めて目にする音々の弱い部分だった。この時ばかりは音々が酔っていてよかった、と輝は思った。酔っているからこそ、彼女はこうして隠さずに本当の気持ちを吐き出しているのだ。音々は、これまでの人生で苦労しすぎてきた。「音々ちゃん、約束だ。あなたを憎んだりしない。あなたが何をしようと、絶対に憎まないしあなたを愛している。永遠に愛し続けるから」その男の低い声が寝室に響いた。音々は笑った。そして、さらに涙が溢れ出した。「輝、愛してる。私はあなただけを愛してる。ずっと愛し続けるから。たとえ年老いても、人生最後の瞬間になったとしても」その言葉に輝の胸は高鳴り、熱い血が全身を駆け巡った。輝は深く音々にキスをした。その夜、酔った音々は情熱的だった。輝は、このまま彼女に溺れて死んでしまうんじゃないかと思ったほどだった。午前2時過ぎ、二人は疲れ果てて、抱きしめ合ったまま深い眠りに落ちた。この時雲に隠れていた月がようやく姿を現し、白い月光が窓から差し込み、音々の腹部を照らした。この夜、小さな命が静かに誕生した。それは、月からの贈り物だった。......音々は三日後に姿を消した。それは、ごく普通の穏やかな朝だった。いつものように、音々は早起きして輝と一緒にジョギングに出かけ、帰ってきてシャワーを
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