それに、この三年間、結衣はずっと涼介に付きまとって別れようとせず、まるで笑いものになっているかのようだった。誠は内心、結衣のことを少なからず見下していた。その言葉を聞いて、涼介の氷のように冷たかった表情が少し和らいで、感情を抑えた声で言った。「考えすぎだ。俺は彼女を気にしてるんじゃない。ただ、煩わしいだけだ」誠は頷いた。結衣がしょっちゅう面倒事を起こすんじゃ、誰だってうんざりするだろうな。三年間も結衣のわがままに耐えてきたのは涼介だけだ。彼らが話していると、バーのマネージャーが、身長180センチ以上あり、彫りの深い顔立ちで、スタイルの良い男性二人を連れて二階へ上がってきた。マネージャーがその二人の男性を、詩織と結衣がいる個室へ案内するのを見て、誠は一瞬呆気に取られて、自分の目を疑った。汐見結衣が、涼介の目の前でホストを呼んだ?彼女、正気か?涼介を怒らせるのが怖くないのか?たとえもう愛していなくても、自分の婚約者が目の前で浮気をしているのを見て、平然としていられる男なんていないだろう。振り返って涼介の顔を見ると、案の定、氷の彫刻のように冷たく、個室のドアを睨みつけるその目は、まるでそのドアを射抜かんばかりだった。誠は思わず首をすくめた。あんな視線で睨まれたら、どんな気分になるか、想像するだに恐ろしかった。「パリン!」涼介の手の中のグラスが握り潰され、鮮血が彼の手のひらから流れ落ちた。誠と涼真は顔色を変えた。「涼介!」二人は同時に声を上げて、その顔には心配の色が浮かんでいた。しかし涼介は彼らには目もくれず、直接立ち上がって個室へと向かった。個室の中では、詩織がホストの引き締まった腹筋を指でなぞり、彼が目の前に差し出したフルーツをあーんと口に運び、思わず心地よさそうに目を細めていた。「これこそが『満喫』ってもんよ!男だけが外で女遊びできるなんて、誰が決めたの?私たちだって、外で男と遊んだっていいじゃない」詩織は結衣の方を見た。結衣がまるで小学生のように、やけに行儀良くソファに座って、隣のホストとの間に人が一人入れるくらいの距離を空けているのを見て、少し呆れてしまった。「結衣、あんた、隣にいるホストがいくらするか知ってるの?一時間で数万円もするのよ!無駄にしちゃダメでしょ!」そう言う
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